|
|
|
わが家のテレビに、いよいよ寿命がきた。
電源を入れても映るまでに3分もかかるように。さらに、チャンネルを変える度に1分も待たなくてはいけなくなってしまった。 もう限界。子どもの学費などなど、わが家には一銭の余裕もないが、テレビは生活の必需品。もう、買い替えるしかない。清水の舞台から飛び降りる覚悟(オーバーな)で地デジ対応テレビを買った。 AQUOS 世界の亀山モデル しかもブルーレイ内蔵! 録画も簡単だ。これで生きもの番組を撮りまくり、観まくり、ひらめきまくり、原稿書きまくり、契約も取れまくり、ひっひっひ~と、ほくそ笑んでいたのだが… セッティングを終えた電気屋さんがショッキングなことをいった。 「アンテナが問題ですね。このままじゃあ、地上デジタルは入りません」 うちのアンテナは「共同アンテナ」。マンションが建つときにマンション側が屋上に設置したアンテナからひいている。ところが、先の電気屋さんが続けた。 「マンション側に、アンテナの取り換えの義務はもうありません」 えっ? そんなぁ~アンテナの設置は3万五千円~。 この「~」が曲者で、電波の入りにくい家では10万を超えたケースがあるという。 アテナが 안 되네(アンテネ/うまくいかない)。 アンテナ付けるのは先送りにしよう。 結局、地デジ対応テレビで、アナログ画面を見ている。とほほ。 しかし衛星放送は「自前の衛星用アンテナ」で電波を拾うことができた。今まで観られなかったCS放送もバッチリ観られる。これがまた、生きもの番組が多い。 先日も、ツカツクリという、卵を「地デシ」、いやっ、「地熱」でかえす珍しい鳥のデジタルハイビジョン放送を観ることができた。 すると、うちのネコが何と、画面のツカツクリを攻撃しだしたのだ。 ![]() ![]() ![]() ![]() むかし新羅の時代に솔거という画家がいて、황룡사 (皇龍寺) の壁に 松の絵「노송도(老松図)」を描いたところ、鳥が止まろうとしてぶつかって落ちたという。(焼失して今は残っていない) 流石に、デジタルハイビジョンは映像の美しさがけた違いだ。ネコもも、本物の鳥と見間違うほどだものね。 いやっ? うちのネコが、ただ単にバカなのかも? ![]()
野菜嫌いだ。鍋にハクサイなどが入っていても、絶対に自分からは食べない。それをよく知っている家人が無理やりに皿に入れる。そんなぼくが柄にもなく野菜の絵本を書くことになった。
「新人の画家のために、身近な植物の話を書いてくれないかしら」 お世話になっている友人のフリー編集者の、たっての頼みだから断れない。 植物ねぇ…韓国の子どもたちに身近な植物なぁ…おおっ、あれしかないわ! 韓国といえばキムチ! キムチといえばハクサイ! 素材はハクサイに決めた。友人のリクエストは「画家の精密画が際立つよう、成長過程の物語にしてね」。 ![]() ちょうど都合よく近所の畑でハクサイが栽培された。3-4日に一度は畑を訪れて携帯カメラでパチリ。成長過程をつぶさに観察していた。 外葉が出て大きくなると、葉が立ち出す。そして次々と葉が巻いていく。まったくもって不思議だ。そういえばキャベツも葉を巻いている。何で? 調べてみると何とキャベツも、葉が巻かないケール(青汁の原料)を改良して人間が創りだしたものだった。ハクサイも葉を巻かないパクチョイとカブが中国の揚州あたりで自然交雑。その後、人がより多くの葉を巻くものを選んで創りだした野菜だと知る。 しかも日本に伝わったのが明治時代で、広がったのは大正時代に入ってから。日清・日露戦争で大陸に浸出した兵隊が、中国からタネを持ち帰ったという逸話もある。案外と新しい野菜だったんだなぁ。 ところが日本でハクサイを育てると葉がちゃんと巻かない。ちゃんと葉の巻く「結球ハクサイ」ができるまでにはたいへんな苦労があったのだ。 そのことを分かり易く解説してくれるのが、←この本。お勧めです。 さてさて、ではでは、朝鮮半島へはいつ伝わったのか? 現在のような※キムチには結球ハクサイが不可欠。 だって、葉の間あいだにヤンニョム(薬味)をこすりつけなくては美味いキムチはできないんだもの。 (※トウガラシもヤンニョムも入っていないキムチは三国時代以前からある) ところが、これがよくわからない。朝鮮王朝中期以後という説もあり、日本で栽培に成功したものが朝鮮へと渡ったという説まである。 ![]() ![]() ![]() ←ポサムキムチ。↑ 韓国の伝統野菜である、半結球ハクサイ。 完全に葉が巻かない「半結結球ハクサイ」はすでに半島にあって、高麗の王宮ではケソン(開城)ハクサイという品種を使った宮廷キムチ―ポサムキムチが作られていた。(当時はまだ唐辛子は伝来していない。写真は現在風のポサムキムチ) ![]() そんなこんな、ハクサイの改良やらキムチの歴史が面白くて楽しくて、すらすらと原稿は出来上がった。自分でも結構いい出来だと思っていた。 しかし…友人からはOKが出なかった。 キムチのことならこの絵本→ 「ハクサイの歴史を描いたお話は面白いんだけどねぇ…完全な成長過程の物語じゃないから…」 結局、『ハクサイ』原稿は「塩漬け」となってしまった。とほほ。 塩漬けしてもしてもいつかは腐る。そうなる前に、「キムチ(絵本)」にしてやぁ~ で、原稿を書き上げてからは、ハクサイを積極的に食べている。 より多くの葉が巻くように努力したら先人たちのを思うと、食べずにはいられない。 10月24日(土)。「絵本がつなぐ日韓」というタイトルで講演をした。 せっかくの機会だから韓国絵本をたくさん見てもらおうと車でいったのだが、講演会場を探すのにちょっと苦労した。 事前に事務局の方から、醒泉小学校の東側と聞いていたが、それでも建物がなかなか見つからない。 やっとたどり着いたら、思わず笑ってしまった。 それもそのはず、京都自由大学は、古い町屋を改装した家のなかだったのだ。 展示用に持っていった50冊の韓国絵本をどのように飾ろうか? たたみの上にそのまま並べてみた。 でも、これがとってもよかった。落ち着いた雰囲気の中で絵本をじっくりと読んでもらえた。 ![]() ![]() 講演の中で、韓国の名作『こいぬのうんち』と、ぼくの新作『巣箱』を読み聞かせした。 参加者のみなさん、来てくださってカムサハムニダ。 ![]() ![]()
生きものと共にシリーズ第1弾『巣箱』は、なかなかいいスタートを切れたようだ。今、話題になっている間に早く第二巻を。
第2巻は『둥지 짓는 멧밭쥐 巣を作るカヤネズミ』。かや原に棲む、親指ほどのカヤネズミの物語だ。これまで韓国にはカヤネズミの本はなく、出版されれば最初の本になる。 何とか、カヤネズミの存在を知らせるいいきっかけにしたい。 さて、その進捗状況は?と代理人に連絡すると、と~んでもない返信が返ってきた。 ナント、画家さんが新型インフルエンザにかかって療養中だというではないか! おー大丈夫かぁ。 ![]() 絵を描いてくれるクォン・ジョンソン画家の技法は韓国画。 カヤネズミの繊細な毛並みを表現するために、シルクの布に筆で描くことにしたが、これがまた、絵具が乾くのに時間がかかり、なかなか進まない。根気のいる作業となった。 ただでさえ大変なのに、インフルエンザで、体力的にピンチ! からだは快方に向かっているというが、まぁ、気長に回復を待つしかないわ (笑) # by kimfang | 2009-10-14 22:10
中秋の名月、十五夜こそは、韓国では秋夕(추석 チュソク)の日。
韓国では、秋夕は民族の一大イベント。まるで、日本の盆と正月を合わせたような民族の大移動が起きる。正月は元日だけ休むだけなのだが、秋夕はちゃんと連休だもの。 でも、秋夕なのに、親戚や幼なじみに会えない人たちがいる。そう。日本に留学中の人たちだ。 留学生といっても、普通の学生じゃない。すでに韓国の大学を出て社会で活躍していた人たちが、スキルアップのために留学している。 日本で出会った彼ら彼女たちがつないでくれた縁で、ぼくは韓国で仕事ができるのだ。 ![]() さて、そんな40代のフリーランス編集者、チョ・ウンスクさんから電話があった。 「留学も今年で終わり。帰国します。秋夕にお世話になった人たちを呼んで、お礼がしたいの。遊びにきてくだい。伝統料理をご馳走するから」 3日はお世話になった日本のみなさんを招待。ぼくは4日に、他の留学生たちと共に招待された。 前日に日本の友人にオモテナシしたから、もう、簡単なものが出るかと思いきや、かなり本格的な料理がでた。 まずは、호두곶감말이。 クルミ(호두)を干し柿(곶감)で包んだ(말이)もの。 ![]() お茶も伝統茶오미자차 (チョウセンゴミシ茶)。 この、オミジャ茶が気管の弱い人にはとてもいい。 ぼくも幼いころに親に無理やり飲まされた記憶があって、懐かしかった。でも、薬として飲んでいたのとは大違い。酸味・苦味・甘味・辛味・塩味の五つの味がするという伝統茶の深い味わいに思わずため息がでた。 大人になったんやね~。 次は화전。 花を乗せた、小麦粉のころもをかぶせた焼き物。今回は花でなく、대추(ナツメ)の実。 ![]() さらに궁중떡볶이と산적。 普通の赤いトッポッキじゃなく、궁중(宮中)というだけあって上品な味。 元々は宮中で食べられていたものが、宮外に伝わって唐辛子が入るようになったんだって。へぇ~。 산적は「散炙」と書いて、串焼きのこと。串が見えるでしょ。 驚いたのは、カニかまぼこが入っていたことだ。 いよいよ、구절판。 宮廷料理といえば、やはり九折板。八角形の器に八つの料理が並び、真中に皮。 ![]() 卵を黄身と白身に分けて焼いていた。「松の実」が乗っているだけで美味。ちなみに「松の実」は잣나무、チョウセンゴヨウの実です。 겨자(マスタード。 本国のからしがなくて和がらし)ソースで食べるというのが、今までに経験がなく新鮮だった。 箸を縦に置くのが、韓国流。 この後、伝統料理の焼き肉やらイカ(大好物)やら、いろいろ出てビールをたくさん飲んで、しゃべくりまくったせいで、写真が撮れず、すみません ^^ ![]() それでも、最後のデザートは何とか撮った。카스테라경단。 お団子にカステラをまぶしたもの。 チョ・ウンスクさんは前列真ん中の人。日本で学んだこと活かして頑張ってね。 잘 먹었습니다. ご馳走様でした。
日本へ帰る12日、ようやく自由時間を得た。でも、のんびり観光なんかしてられない。次作の資料を求めて、韓国最大の書店、「教保文庫」へ出かけた。
へへへ、本当の目的はほかにあった。果たして『둥지상자 巣箱』はちゃんとあるのか? どんな置かれ方をしているのか? 気になってしかたなかったのである。 ![]() ![]() 早足で絵本コーナーへ。 平積みの絵本がたくさん。 それを品定めする親子連れ。 もう、日本では見られなくなった光景だ。 日本では児童書コーナーがどんどん縮小されている。 絵本にも透明の袋がかぶせられて中を見ることもできない。 しかし韓国では、書店の売り上げの多くを児童書が占め、特に、絵本が元気だ! 日本ではまだ出ていない海外の絵本も、どんどん出版されている。 逆にいえば、それだけ競争が激しく、きびしい世界でもあるのだ。 ![]() ところで、ぼくの絵本は? まずは、平積みのコーナーを。 ありゃ、ない。そりゃそうだろう。「環境絵本」の平積みは難しいや、と納得しながらも、やはり、ちょっとガッカリ。 ところが、どこを探しても自分のが見つからない。まさか…いやいや、売り切れた?(ことにしよう~~) そのうちに出版社の人と会う約束の時間になった。(まだ、仕事する気かぁ~!) と、平積みの横に『둥지상자 巣箱』を発見。しかも4冊! おー「準平積み?(ということに)」の扱いだ。ほっと胸をなでおろした。 ![]() 出版社との打ち合わせは、教保ビルの一階にある、オシャレなイタ飯で。何を食べようかと悩んだ末にボンゴレスパを頼んだ。遅れて同席した家人はメニューを見て、 「韓国のカレーってどんなんやろね?」とポツリ。 「それっ、おもしろい。たのんで。食べてみたい」と無理やり注文させた。 カレーがやってきて、ビックリ。ぐっ、具っ、具が、あまりにも多い! むかし「具が大きい!」と一世を風靡したCMがあったが、具が多いってのは初体験。 韓国のカレーはさぞかし辛いことだろうと身構えて食べたが、まったく辛くない。拍子抜け。 そりゃあそうだろう。具があまりにも多くて、ルーの味がしないんだもの。 ![]() ![]() ぼくに会いに来てくれた日本に留学経験のある友人がいった。 「私は、日本でカレーを食べて反対に驚いたわ。具がちっともないから。こんなの、カレーじゃないって、ふふふ」 ところ変わればカレーも変わる。韓国のカレーはまるで「野菜煮込みご飯」だった。 (ナシも煮込んであって、またまた驚き) でも、具が多いのはカレーだけじゃなかった! ボンゴレスパも、アサリがめっちゃ多かった! 青唐辛子のピクルス、辛くて酸っぱくて、最高! # by kimfang | 2009-09-20 12:16
講演の最後は、韓国の子ども図書館を引っ張ってきたヌティナム図書館。 今回で三回目の講演だ。 忘れもしない2006年の夏。ここが、まだ、小さなマンションの地下室で運営されているときにコウノトリの講演をした。 その後、館長がぼくの家を訪問。ぼくは、「京都・こども未来館」や、京都造形芸術大学付属の子ども図書館「ピッコリー」を案内した。 ![]() その視察で得たものが新しいビルに注ぎ込まれた。 そう。ヌティナム図書館は引っ越して立派なビルになったのだ。 オモニの朗読は、流石。 ![]() ![]() こけら落としとなった昨年10月には、日本の著名な子ども文化研究者を招いて「日韓交流 図書館シンポジウム」が催された。 ぼくにも招待の声もかかったが、「ラムサール会議」の仕事があり、実現しなかったのだ。 場所がなくて、イスで紙巣箱を作る子も。 さて、待ち望んだ訪問だが、果たしてみんなはぼくを覚えているのかな? 少し不安もあった。 ![]() ![]() ところが入るなり、「황새 아저씨다! コウノトリおじさんだ!」と声をかけられた。 覚えていてくれて感激したことよりも、子どもたちがみな、随分と大きくなったなぁと、その成長ぶりにこちらが驚いた。 また、次を出したら遊びに来るよと約束して、講演は終わった。 # by kimfang | 2009-09-17 15:21
![]() 韓国には「奇跡の図書館」というものがある。全国に子ども図書館を建設するために、テレビ局が行ったキャンペーンによって、資金と人材を準備した、正に「奇跡」の図書館だ。 国際空港のある、あの仁川市のプピョン地区にあるのが、このプピョン奇跡の図書館である。 館長さんによると、奇跡の図書館の中で二番目に大きいという。ぼくは、以前、忠清道のチョンジュ(清州)奇跡の図書館で、『コウノトリ』の講演をしたことがあった。 確かに、チョンジュよりも広く、子どもたちの目線にあった工夫が多かった。このように、絵本の棚を床に下ろすのもいい試みだと思う。 ![]() ![]() しかし、何よりも感激したのは講堂が階段式になっていること。 講演がはじまると、男の子が元気に歓迎の歌を披露してくれた。 そして、女の子ふたりで、絵本を朗読してくれた。 巣箱を思いついたペルレプッシュ男爵が話す場面では、声を低くするなど、なかなかの名演技だった。 ![]() ![]() この講演の模様は「オンブック」が取材。ネットで映像が流れるという。 また、『ペンギンの話』の絵を担当してくれたチェ・ヒョンジョンさんもかけつけてくれて、紙の巣箱づくりを指導してくれた。 あれれっ! ヒョンジョンさん(写真左下)、ドサクサに紛れて『ペンギン』を持ってるぅ! ナイス! # by kimfang | 2009-09-17 14:07
![]() ソウルから北へ車で一時間ほど走ったところに一山という街があり、そこに児童書専門店アルモがある。 アルモでは優れた児童書を子どもたちに届けようと、勉強会が長年にわたって開かれてきた。 今回、熱い要請があり、講演が実現した。 ![]() 書店に入るや否や中央に絵本『둥지상자 巣箱』が! 気を使わせてしまってすみません。 ある参加者オモニから、「私たちを覚えていらっしゃいますか?」とたずねられた。う~ん。どこかでお会いしたのは確かだが・・・「サクラのイベントで」といわれてバッチシ思い出した。 そう。二年前の2007年に、『サクラ』を読んで感想文を寄せてくれた家族をソウル大公園の動物園に招待するというチャンピ社のイベントがあった。あの時の子どもたちとオモニだった。 『サクラ』も買ってくださり、今回も『巣箱』を買ってくださった。カムサハムニダ ^^ ![]() ![]() 素敵な絵をつけてくださった イ・スンウォン画家もかけつけてくれて、 サインをほしがる子どもたちに、かわいい鳥の絵を描いてくださった。 # by kimfang | 2009-09-17 13:21
|
by kimfang サイト内の絵、イラスト等には著作権があります。無断複写・転載を禁じます。 キム・ファンのプロフィール
|