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動物児童文学作家のキム・ファンです!!
09/2/8 4大江殺し
 昨年11月に韓国で行われたラムサール締約国会議でのこと。 
 「ここでぼくが発表すると、政府を助けることになってしまいます。でも…世界の人たちと意見を交わしたくて…悩みに悩んだ末に、ここに立ちました」
 若き研究者が、ふーと大きく息をついたあと、声を震わせながら絞り出した言葉だ。私的な発言であったために、英語の通訳は行われなくて外国人には伝わらなかったが、多くの韓国人が彼に強いシンパシーを感じた。
 
 ご存じのとおり韓国は今、保守派のイ・ミョンバク政権だ。大統領は選挙公約に「韓半島大運河」を掲げて当選した。
 現代(ヒョンデ)建設の社長時代、ドイツのライン川運河を見て初めて構想したというその事業は、最終的には南北を貫く17本、3100キロの運河を造るという壮大な構想だ。工事で雇用を創出できるだけでなく、川底に蓄積した汚染物質も除去できる。まずはソウルを流れる漢江とプサンに注ぐ洛東江をつなぐ工事から始めると訴えた。
 ところが、環境破壊だ!という批判や、費用対効果を疑問視する声が上がった。与党・ハンナラ党(当時は野党)の中からも強い反対意見が出ていた。
 イ大統領は就任直後、早々に国土海洋部に大運河推進チーム組織し、計画を推進しようとしたが、国民の反対は想像よりも大きかった。6月のろうそくデモを受けて「国民が反対するなら推進しない」と事実上の白紙撤回を約束したのだった。 f0004331_9484987.jpg 
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    写真左 洛東江河口エコセンター                 写真右 河口が鳥の目線で観察できる
 
 なのに、世界経済危機が起こった11月、政府は「4大江整備事業」と題した政策を発表した。韓国を代表する大河である、漢江、洛東江、錦江、栄山江の四つの川を整備するというもので、約20万人の雇用を創出し、23兆ウォンの経済効果が期待できる?とした。
 「大運河」とはちがう事業だというが、誰がどう見ても「大運河の強行」としか思えない。ラムサール誘致に積極的に動いた環境団体の一部が、会議をボイコットすることで抗議した。冒頭の若い研究者の言葉は、このような背景の中から生まれたのである。
 結果、ラムサール会議は、韓国初の国際環境会議という輝かしいものになるはずだったのに、地道な運動をしてきた市民の参加は少なく、逆に、自らの活動を世界にアピールしようと乗り込んできた日本人で溢れ返ってしまった。
 「ラムサール会議は日本の祝祭?」とマスコミが皮肉くる始末。一方、日本人からは、ラムサール会議を誘致しておいて大規模開発をする韓国はけしからん!と非難が飛んだ。
 政府は「グリーンニューディール政策」として、あくまでも「4大江整備」を推し進める構えだ。姑息にも呼称を「4大江サルリギ(살리기 蘇生)」と替えたが、「4大江チュギギ(죽이기 殺し)」に他ならない。土木会社救済のために、江が殺されようとしている。
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                       洛東江エコセンターから見た洛東江河口の美しい夕日。
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by kimfang | 2009-02-08 09:46 | トピックス