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動物児童文学作家のキム・ファンです!!
09/3/12 北韓資料
 今回の旅行で唯一の「観光」は国立中央図書館にいったこと。
 86年代に出た『韓国の虎はなぜ消えたか』遠藤公男・講談社は、ぼくの人生を変えたもうひとつの本だ。著者は中央図書館で総督府の資料を発見。韓国のトラは、総督府が数万名を動員し、十年にも及ぶ捕獲作戦を展開したことで消えたのではという結論を導いた。
 この本に大きな影響を受けたぼくは、一度、著者のように中央図書館で総督府の資料を見るという経験をしてみたかったのだ。
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f0004331_2341288.jpgそこで図書館学を教える友人に案内してもらった。ところがバスを乗り継ぎずいぶんと遠くへ向かう。ついには漢江も渡って江南へ。友人曰く。「遠藤氏が資料を探していたころは南山にあったけど、今は、引っ越して新しい建物になったのよ」。
 
 ところが、ソウルの中心から一時間近くかかってやってきたというのに、図書館の司書は「お探しの総督府の資料は、もう、データベース化されていますから、インターネットで見てください」とつれない。
 うーん。遠藤氏が探した同じ体験がしたくて遠路をきたのに・・・あ゛―。
 でも、せっかくきたんだ。何か探さないと。
 そこで調べたのが「ミツバチ」の資料。ミツバチを主人にした絵本を書くために調べていたら、面白い資料がパソコンの画面に表示された。

 「꿀벌의 생활관찰/금성청년출판사/1991/북한」
 (ミツバチの生活観察/金星青年出版社/1991/北韓)
へー、북한(北韓・北朝鮮のこと)の資料が見られるんだ。見たいというと、友人が司書に聞いてくれた。2階に「북한자료コーナー」があるからそこで見ればいいという。
 驚いたのはぼくではなく、図書館のスペシャリストの友人だ。それまでは北の資料は、統一部(南北関係を担当する政府機関)に出向いて身分証明書を提出し閲覧申請しなくては見られなかった。一般人が、誰でも簡単に見られるモノではなかったというではないか!f0004331_23102085.jpg
 
 そりゃあ面白い。是非にでもとお願いした。4階から2階に下りる。ガラス戸を押して部屋に入って見渡すと、あった、あった、奥まった場所に「북한자료コーナー」。本棚2列に北韓の本がずら~り。
 とりあえずミツバチの資料を探して、他にどんな本があるのか見てみた。音楽、楽器、動植物、何と、革命歌劇の本まで! 友人はいつから見られるようになったのか司書にたずねると、詳しいことはわからないが最近だという。
 さて、さて、そんな「북한자료コーナー」で、腹を抱えて笑うものを見つけてしまった。
 学友書房の『朝日対訳 動植物名小辞典』。うちの子が小学校の時に民族学校でもらった辞典だ。そしてぼくが通訳の時に持っていく辞典。生きものの名前を日本語と朝鮮語で対訳してある持ち運び便利な小辞典。

 動植物の名前だけを扱った日韓辞典はない。南北で生きものの名前はずいぶん違うが、韓国での呼び名の別名が北の正式名だったりすることも結構あって重宝している。
 いつも使っているのに、韓国の中央図書館、それも「北韓資料コーナー」で手にすると、何か思議な気持ちになっちゃったなぁ。

 さてさて、この日はまことについていた。この5月公開予定の別棟の「デジタル図書館」に入れたからだ。
 世界有数のブロードバンド先進国の威信をかけた図書館の開館式に大統領が参加する。その打ち合わせのために秘書官が来ていて、運よく、特別に入れてもらったのだ。
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古典も、海外の新聞も、 簡単に見ることができる。

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しかも美人司書(友人の後輩)の説明つき。

友人は、だからこの日を選んだというが、本当かなぁ。

 どうやら、本当らしい。
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by kimfang | 2009-03-20 22:32 | トピックス