やはり、ネズミとウシはそりが合わないようだ。
昨年出版予定だった「カヤネズミの絵本」が大幅に遅れてしまったのは、そもそもウシ年にネズミの絵本をだそうしたこと自体に問題があったのかもしれない。
そりゃそうだろう。神様が十二支を決めたときも、ネズミはウシの背中にちゃっかりと隠れておいて、神様の家の門が開くやぴょんと飛び降りて一番をかすめ取ってしまったもの。
ウシがネズミを疎ましく思っているものガテンがいく。
そんなウシの「怨念」をモロに受けてしまったのは、ぼくよりも画家さん(ぼくも結構受けた)の方だった。
新型インフルエンザにかかり、ひと月も寝込んでようやく復帰するも、家族に体調を壊した方がでて体力が回復する間もなく介護の毎日。その方が治ったと思いきや、また別の家族が寝込んでしまってまたまた介護の日々という、それはそれは大変な一年だったようだ。
それでも何とか絵を描きあげてくれて、年末押し迫る30日にどうにか印刷にまでこぎ着けた。
雪が降り続く30日、「生きものと共に(더불어생명)シリーズ」第2巻、『カヤネズミ』の印刷が行われた。
今回の絵は韓国画。
カヤネズミの繊細な毛並みを表現したいとシルクの布に描いた。描いては乾くのを待ち、また描いては乾くのを待つという根気のいる作業の繰り返し。そんな苦労の末に描き上げた絵だからこそ、何とか原画に近いモノにしたい。
ただでさえ絵本は、原画に近い色合いがでるまで何度も試し刷りを繰り返すが、今回の印刷は朝早くから夕方遅くまでかかったようだ。
例えば、このふたつの絵。
背景の部分に自然と「味わい深いシワ」ができているのがおわかりか。こういう「味わい」がでるように何度も何度も試し刷りを繰り返したのだ。
印刷を終えた絵本は今、製本所にある。
書店に並ぶのは1月15日。
カヤネズミ君、もうトラ年だ。ウシさんはいないから安心してでておいで!
(写真は、監修をして頂いた済州大学のオ・ホンシク教授提供)
ちなみに、ぼくも画家さんもネズミ年生まれです。
(ウシさんにはなんの落ち度もありません。ネズミの贖罪意識過剰かも。だから、ネコはちゃんと可愛がってます。)