動物児童文学作家のキム・ファンです!!
10/9/9 「わたしたちの目」 本格取材
 またまた韓国へ取材旅行にでかけた。
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目的のひとつが「わたしたちの目(우리들의 눈)」を主宰するオム・ジョンスン画家へのインタビューだった。

 昨年の暮れにようやく念願の画家さんとは会えたが、本にするにはまったくもって不十分。
 ようやく本格的な取材に入ることとなった。

 「仁川未来都市博」(昨年開催)に展示するために、視覚障害を持つ子どもたちが幾多の苦難を乗り越えた末に、実際にゾウに触れて創り上げた芸術作品を見せてもらった。

 おー! たったひとつ選ばれて、みんなでゾウの大きさにしたのはこの作品かぁ。

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 さて、取材は本格化したが、出版社が決まっているわけではない。

 果たして出してくれる出版社が現れるのかどうか?

 
 
 と、いうのも、韓国ではまだまだ「正統ノンフィクション児童文学」(韓国では実話なら科学読み物もノンフィクション扱いだ。だから本格的なノンフィクション文学を業界ではこう呼んでいる)が根付いていないからである。

 日本でもノンフィクション児童文学は目立たない地味な存在だが、夏休みの課題図書などに必ずノンフィクションが入るような仕組みになっているから出版社は出してくれるし、力も入れる。

 もしも課題図書に選ばれれば、10万部はでるという。(選ばれたことないけど^^)
 日本でノンフィクション児童文学が根づいている理由は、こんなところにもあるのだろう。
 (再販制度の存在も大きい。韓国は自由に値引きしていい市場原理主義)

 しかしそのような制度のない韓国では、ノンフィクションが大事なことは重々わかっていても、売れにくいジャンルはいつまでたっても力が注がれないのが現実なのである。
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 大事な基礎研究を軽視し、外国から持ってきた技術や、人材のヘッドハンティングで完成品を組み立てて世界で売りぬく―。

 今の韓国の産業界のありようそのまま、時間がかかり地味な、そう、まるで基礎研究のようなノンフィクションは未発達のまま放置されているのだ。

 このままではダメだ!
 韓国に「正統ノンフィクション」を根付かせなくては! 
「在日」のぼくが書くことによって、韓国の作家たちを刺激したい!
 そんな想いで韓国に進出したぼくだったが…

 実際にやってみて、今は「戦略戦術」を練り直さなくてはいけないと真剣に思っている。

 ただ、ノンフィクション絵本ともいえる『巣箱』や、科学読み物のなかにノンフィクションの章を組み込んだ『ペンギン』が高い支持を得ていることは、今後に向けたいいヒントになろう。

 今回の企画は、内容もさることながら、本の「カタチ」も工夫しなくてはいけないようだ。
 
 う~ん。たいへんだぁ。

 
 
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by kimfang | 2010-09-21 22:16 | 取材ノート