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動物児童文学作家のキム・ファンです!!
11/2/14 チョウセンオオカミ、もうすぐ
 書き上げて3年にもなる原稿が、ようやく本になろうとしている。
 1986年に北朝鮮から京都市動物園にやってきたチョウセンオオカミの家族の物語だ。2002年に最後の1頭、ウルップが死んで、もう日本にチョウセンオオカミはいない。

f0004331_18274218.jpg 2007年に、この動物園の人気スター、ハート模様を持つアミメキリン「未来」の物語を書くために取材中、飼育員から韓国のテレビ局が2002年に北朝鮮からきたチョウセンオオカミを取材した事実を知った。

 なぜ、韓国のテレビ局が北朝鮮からきたオオカミを取材したのだろうか? 
 調べると調べるほど、思いもよらない事実がわかってきた。
 
 まずは韓国の動物園とオオカミたちの辛い生い立ちから話さなければいけないだろう。
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 1960年代の韓国が、世界でももっとも貧しい国のひとつだったことは、ここでも何度も話している。
 貧しい国では、動物園の動物を充実させるのは非常にむずかしい。動物を買ってくるお金がないのだからしょうがない。

 ならば交換するしかないのだが、交換できるような動物もいなかった。
 そんなおり、1964―1967年に慶尚北道栄洲で捕まえた5頭のオオカミから生れた子どもたちは、貧しい国の動物園を豊かにしていった―。
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 日韓国交正常化もまだなっていない63年、戦後、はじめて韓国から日本に送られたのはチョウセンオオカミだ。

 このときは船が遭難して届かなかったが、68年に再度、大阪市天王寺動物園に1頭が送られるのをきっかけに、70年に山口県の徳山動物園に2頭、71年に静岡県の浜松市動物園に2頭、73年に大阪市天王寺動物園に1頭、74年に有竹鳥獣店に4頭が来日。

 これら10頭が、ペンギンをはじめとする動物たちと交換されて韓国へと渡っていったのだ。
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 しかし1996年、ソウル大公園で最後の1頭が死に、97年に捕獲された個体があったが残念なことに死に、韓国ではチョウセンオオカミが絶滅した。
 もしかして、日本で生き残っていないか…
子どもを産んでいないか…                 はく製になったウルップ→
 次第に日本へ送られた10頭のことが話題になっていったのである。

 2002年、韓国MBCテレビが、日本に送られたオオカミを探しにやってきたが、もうどこにも死んでいない。
 ところが、京都にはまだ1頭いるという情報を得る。そこにいたのは、韓国からのオオカミでなく、北朝鮮から来たオオカミだった。
 司会者のタレントと博士は、
「朝鮮半島のオオカミが日本にいるというのに、どうして韓国にいないんだ……」
 といって涙を流して、大きな反響を呼んだ。
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 しかしこの放送が流れる直前に、ウルップは死んでしまう。
 韓国の人たちは、もう天国にいってしまったウルップの姿を見たのである。
 
 その3年後の2005年に、ようやく北朝鮮から韓国へオオカミがやってきた。

 京都市動物園のチョウセンオオカミは、はじめてきたときから最後の1頭であるウルップが死ぬまでの16年間、ぼくはオオカミ家族を見守ってきた。
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 何とか、彼らの物語を残さないと! 
 原稿は2008年に書き上げた。
 しかしその後、南北関係は急激に冷えこんでいく。昨年は、「砲撃事件」などで、南北関係は最悪の状態だ。
 だから、もう、でないのかなぁと心配していたが、が、何と、今、だすとしいうではないか!

 戦争は最大の環境破壊。                   ソウルにきた北のオオカミ→
 平和的に統一へと向かってほしい。
 南北和解のためにも、一番、いいタイミングでてるものと信じたい。

 3月20日、発売予定です^^

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  どんな表紙になるのやら。
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by kimfang | 2011-02-14 18:36 | 出版物