動物児童文学作家のキム・ファンです!!
11/5/3 唐子が静かに訴えている!
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 黄砂に吹かれて~♪
 そんな悠長に歌なんてうたっていられないほど前日の黄砂はひどかった。
 どう? 今日は晴れるのか? 
 空を見上げても黄色いもやで空が見えない。そんななかを越前市まで車を走らせた。
 
 2004年の3月以来、7年ぶりの越前市エコビレッジ交流センター訪問だ。
 入口の雰囲気からして、以前とはまったく変わっていた。
 コウノトリがお出迎えしてくれるなんて。
「おー、くちばしがおれている。これはコウちゃんの写真だ!」
 と、声をあげていると、指導員の野村みゆきさんが飛んできた。

 コウちゃんの写真の下には、水槽のなかでドジョウがたくさん飼われていた。説明書きには次へのように書かれている。
「一羽のコウノトリを育てるのに500グラムのえさが必要です。ここにいるドジョウ一匹の重さは約8グラムです。コウノトリがすみつくのに何匹必要なのか考えましょう」
頭でわかっていても、実際に見るのとそうでないのでは大ちがい。
 こんなにドジョウがいる、豊かな自然がないと、コウノトリは生きていけないということがよくわかる。
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 それをもっと、ストレートに教えてくれるのが、エコビレッジの奥の部屋に展示されている。コウノトリ―唐子(とうこ)のはく製だろう。

 唐子は、ぼくが絵本に書いたコウちゃんの初孫だ。
 2005年に彼女がまだ卵だったころに会っていたぼくは、彼女が野生復帰してくれることを強く望んでいた。

 2009年10月末。その願いがついにかなって但東町(たんとうちょう)、唐川(からかわ)で放鳥された。
 地元の人たちは、唐川の女の子ということで、唐子と名づけて愛してくれた。
 
 しかし…

 個体識別のために塗られたアニマルカラーが落ちないうちに、変わり果てた姿で見つかってしまった。
 わずか2か月しかたっていない12月の末、三重県で死んでいた。
 死因は、餓死だった。
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 三重県だけの問題ではない。
 日本全国に、コウノトリが生きていける環境がないことを知らせてくれたのだ。
 やっと唐子に会えたのに、はく製になってしまって悔しい。
 けれども唐子は、大事なことを声をださずに静かに訴え続けている。 

 かわいそうな唐子のようなコウノトリが、もうでないようにと、越前市西部地区(白山・坂口)では「コウノトリ呼びもどす農法」が進められていた。
 この日も、カエルたちが盛んに鳴いていた。コウノトリが生きていけるような、生きものを育む田んぼになってほしいものだ。
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 このような取り組みを県内に発信し続けているのが、地元の「福井新聞」。 
 ※アーカイブの2011年5月をクリック。5/3の日記へ。 
 
 2009年の創刊110周年を記念してはじめられた事業が「コウノトリ支局」だった。
 かつてコウちゃんが舞い降りた地の古民家を借りうけ、記者さんたちが常駐し、コウノトリ田んぼなどの話題を提供している。
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 コウノトリ支局のなかに入ると、何と、コウノトリ関係の資料が展示してあったのだが、ぼくの絵本も展示していただいていた。ありがいことである。(左前列)
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 野村さんに、10月の放鳥場所も案内していただいた。

 豊岡以外でははじめての放鳥は、41年前にコウちゃんが舞い降りたところ。

 保護活動を行った白山小学校も近くに見える。

 10月の式典には、かけつけなくては!
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by kimfang | 2011-05-09 14:37 | 取材ノート