動物児童文学作家のキム・ファンです!!
11/5/29 丘修三先生、講演
 ぼくが実行委員を務めている児童文学者協会・関西センターが今回の「春の創作講座(中級)」の講師に招いたのは、丘修三先生。
 「作品を語る」と題した講演をしていただいた。
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 丘先生の著書は、代表作、『ぼくのお姉さん』をはじめ『口で歩く』など8作が韓国でもでている。『ぼくのお姉さん』は韓国でもたいへんなロングセラーだ。
 ところで、今、ぼくが韓国でたくさんの仕事ができるのも、実は、丘先生のおかげといってもいい。
 こんなエピソードがある。

 2006年8月。韓国でアジア児童文学大会があった。
 この大会は、日本、韓国、中国、台湾などのアジア諸国が2年に一度の持ち回りで開催している大会で、その年は、韓国が開催地だった。
 たまたまぼくと丘先生は、ホテルで同じ部屋となった。

 が、日本を代表する児童文学作家で、韓国でも多くの作品があり、しかもたいへんなロングセラーの作者が韓国にきているのに、韓国側が静かに置いておくはずがない。
 丘先生の部屋には取材を申し込む電話が鳴り続けた。
「あ、はい。そうです。丘先生の部屋です。ああ、先生ですか?」
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 韓国語が話せない人が受けたなら電話が鳴り続けることもないのだが、ぼくが韓国語で対応してしまったのがいけなかった。
「だから、先生はお体がよろしくないので病院です。ですから、さっきもいったとおり、いつもどられるのか、ぼくもわかりません」
 どうやら電話をかけてくる人たちは、ぼくのことを、先生が日本から連れてきた「韓国語のできる助手」、もしくは「専属の通訳」と思っているようだった。

 一応、ぼくも作家なんだけどなぁ…
 ぼくが『サクラ』でメジャーデビューするのは次の年の春。もちろん、韓国でもまだ、何もだしていないのから当然なのだが、完全になめられていた。  講師紹介する今関先生↓
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 さて、丘先生は持病がおありで、1日おきに透析をされていた。そのときに寝てこられるのだろう。夜は眠気がこないから、「キムくん。話をしようよ」と。
 ぼくたちは、毎日、毎日、日韓の歴史、在日のこと、作品の書き方などなど、日付が変わっても話し続けた。
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 そして大会の最後の日。     司会の上坂先生→
 丘先生のインタビューにやってきたのが、児童文学の名門―チャンビ(창비 創作と批評社)だった。
 インタビューを終えた丘先生は、
「うちの部屋に面白い作家がいるから、ぜひ、お会いなさい!」
と、推薦してくださったのだ。

f0004331_2312898.jpg 呼びだされたぼくは、うっぷんを晴らすように多くを話した。
 帰国後、ノンフィクション大賞を受賞した『サクラ』の原稿を送る。
 すると日本語版が学研からでる前に韓国語版の発売(2007年8月)が決まった。
 
 チャンビからだすと、ちがう出版社からも依頼があり、チャンビからも『世の中すべてのペンギンの話』(2009)をだした。これが好評で、来年に『ミツバチがいなくなると、イチゴが食べられないの?』(仮題)が発売されることになった。

 韓国で児童文学をしている人なら、だれもが一冊はだしたいと願う名門出版社―チャンビから本をだせたのは、丘先生のおかげなのである。
 本当にありがとうございました。
 
 丘先生、これからもお元気で、ますますのご健筆を祈っています!
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by kimfang | 2011-06-03 23:12 | トピックス