先月15日に福井県・越前市で開催された「2011コウノトリが舞う里づくり大作戦」では、保田 茂(兵庫県コウノトリ野生復帰推進連絡協議会会長)先生が基調講演をされた。
講演がはじまるやいなや先生は、「今朝、パンを食べてきた人、手をあげて」と切り出した。ぼくも編集者もお互いの顔を見ながら手をあげた。そして「なぜ、コウノトリを守らなくてはいけないのでしょうか? 大切な鳥だからですか?」と続けたのである。 講演は、こういう内容だった。 ―朝にパンを食べている今の生活は、アメリカの小麦を青々と育ててアメリカの農業を元気にしています。逆に日本の田んぼはというと草がぼうぼうの耕作放棄田を増やしているのです。コウノトリが生きていくためには湿地も必要ですが、田んぼが必要です。 コウノトリの復活のためには、放棄田がこれ以上増えないようにしなくていけません。だから朝もご飯を食べていただかなくては困るのです。そうでないと、農業がなくなり、若者がいなくなり、コウノトリではなく、あなたたち越前市民が、福井県民が「絶滅」してしまうことにも、なりかねないのですよ― ぼくと編集者は、この講演に痛く感激し、猛省した。 パン用の小麦の自給率はたったの1%。輸入に頼り切っている。 その一方でぼくたちは、農家の人たちに「農薬を使わないで!」と強く迫りながらも、お米を積極的に消費してはいない。現にぼくも編集者も、この日の朝ご飯は、何も考えずにパンを食べていたのだ。 さて、一夜明けた越前市のホテルの朝食のときだ。 編集者はすぐに保田先生の訴えを実践した。「朝カレー」と「卵かけご飯」で、お米の消費に見事なまでに貢献したのだ。 「おおっ、朝から二膳もいくんだね」と茶かすと、「コウノトリのためですから」と編集者は真顔でいった。 ところがぼくといえば、コウノトリの紙芝居を書きながらも、40年以上も続く朝のパン食をその日ですら変えることができなかったのである。 それからというもの、朝のパンが美味く感じられなくなった。それを家人に話したところ、何と、「コウノトリ育む農法」で作ったお米でできたパンを買ってきてくれたのだ。 これだ! いただいた紙芝居の原稿料で、お米からパンが焼ける家電を購入した。 (写真は、前日のひやご飯から作ったお米パン) コウノトリのために、朝もお米だ!
by kimfang
| 2011-11-18 17:16
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