動物児童文学作家のキム・ファンです!!
12/4/6 トウミ犬(도우미견)に会いにいく旅 ②
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 写真は、日本でも活躍中の女子プロゴルファー、シン・ジエ選手。昨年(2011年)の年末に「韓国障害者トウミ犬協会」を訪ねたときに撮られたものだ。
 シン選手は、全米女子プロの賞金王やメジャータイトルも手にした、世界女王。前年に1億ウォンを寄付したこの施設を、自ら訪問したのだった。

 シン選手は新聞のインタビューに次のように語った。
「日本では、障害者のためのトウミ犬の支援活動がとても活発に行われていることを知った。それに比べて国内(韓国)では、需要に対する供給支援が、話にならないほど不足しているということを聞き、少しでも助けになればと寄付した」

 韓国で初めて盲導犬の存在が広く知られるようになったのは、1988年のソウルオリンピックだった。第8回パラリンピックの開会式では、史上初の盲導犬のパレードが実現し、日本で盲導犬とともに暮らす訓練を受けたキム・ジェミョンさんとロディを先頭に、日本からやってきた24頭の盲導犬が堂々と行進したのだ。
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 スタンドを埋め尽くした10万人の大観衆から惜しみない拍手が贈られた。開会式に参加した児童文学作家の井上こみちさんは、2001年に、この感動物語を『海をわたった盲導犬ロディ』(理論社)というノンフィクションにしてだした。
 本は、第1回動物児童文学賞の優秀賞を受賞している。

 1992年、イ・ヒョング会長は国内で初めて盲導犬の訓練をはじめる。93年には、国産第1号の盲導犬を育てあけだ。
 ところが会長がはじめた次の年である1993年、世界的な企業であるサムスン電子も、盲導犬育成事業に乗り出す。その後、サムスンのテレビコマーシャルでも積極的に登場した盲導犬たちは、国民の認識を変えるのに大活躍した。

「大企業のサムスンがするのに、どうしてお前たちがする。お金の支援などできない」
 そんなことをいわれながらも、何とか事業を続けた会長は、「盲導犬だけが必要とされているのではない」と、国内初の聴導犬の育成に成功する。
するとサムスンもまた、聴導犬の事業をはじめたのだった。協会は、ますます運営が難しくなっていった。
 それでも会長は、障害者のための犬育成に人生をかけた。
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 ところがそのサムスンが、最近、手がけてきたトウミ犬の育成を、盲導犬だけにしぼり、その規模も縮小すると発表したのだ。その衝撃は、あまりにも大きかった。
 国内の聴導犬や介助犬は、「韓国障害者トウミ犬協会」だけが請け負うことになってしまったからだ。なのに訓練施設は狭く、資金も足りない。

 それを伝え聞いたシン・ジエ選手が、1億ウォンを寄付したのだった。
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 取材をし、協会側が決してサムスンを悪く思っていないことも知った。
 サムスンが果たした功績はあまりにも大きい。
 企業には企業の論理があるのも、ちゃんと理解している。だからこそ、国と国民がこの事業に積極的にかかわり、支援をしなくてはいけない!と熱く語った。

 ぼくはシン選手のように大金の寄付はできない。
 せめて本を書くことで、支援したいと思う。

 シン選手と一緒に写った老介助犬、ポティミ(引退して、施設で悠々と暮らしいる)と、ぼくも記念撮影。
 
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by kimfang | 2012-04-14 12:46 | 取材ノート