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動物児童文学作家のキム・ファンです!!
12/6/13 イルカと海軍基地
 「チェドリ」――。
 韓国でその名を知らない人がいないほど、超有名なイルカの名前だ。
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 韓国で動物の名前をつけるときの定番といえば、うしろに「ド(ト)リ」をつけること。ソウルオリンピックのときのマスコット、「ホドリ」を覚えているだろうか? 韓国語でトラを意味する「ホランイ」に「ドリ」をつけてホドリ。さて、イルカのチェドリは、いったい何にドリをつけたのだろうか? それが彼を一躍有名「人」にした、最大の理由だ。答えを話そう。チェドリの「チェ」は、チェジュ(済州)島のチェなのである。
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 ソウル大公園(韓国最大の動物園)のイルカショーで活躍していた、13歳のオスのイルカ、チェドリが新聞やテレビに連日登場するきっかけとなったのは、彼が2年前にチェジュ島の海で違法に捕獲されたミナミハンドウイルカだったことがわかったからだ。

 このイルカは韓国ではたった114頭といわれるほど希少で、保護の対象になっていた。なのに、そのイルカが捕まえられて、しかもショーをさせられていたというショッキングな事件だった。ソウル大公園を運営するソウル市のパク・ウォンスン市長は、「チェドリに野生化訓練をし、故郷の海にかえす」と記者発表した。それで一気に注目を浴びたのだった。                                  右は市長のツイッター →

 それだけでない。勢いよく飛び跳ねたチェドリは、「海軍基地の是非」という、くす玉を見事に割って見せたのだ。
 韓国政府は、チェジュ島に新しい海軍基地建設を予定している。基地建設に反対する人たちは、これまでも我慢強く闘ってきたが、「中国の脅威に備えるためにも必要だ」という論理が次第に支持を集めるなか、国民的な反対運動へとは至らなかった。

 チェジュ島の南に位置するイオ島は、現在は韓国が実効支配しているが、最近になって中国が領有権を主張し、両国の外交問題にまで発展している。これをいいことに基地建設が粛々と強行されようとしていた、まさにそんなときに、チェドリが大きくジャンプしたのだ!

「せっかく海に帰しても、チェジュの海に大規模な基地が建設されれば、チェドリは生きていけないんじゃないか?」
「基地のためだというが、チェジュの大切な自然を壊してもいいのか!」
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 基地建設問題にあまり関心のなかった人までもが、無意味な自然破壊をやめさせようと立ち上がりはじめた。それもそのはず、基地建設の一環として、「クロンビ」と呼ばれる巨大な岩が爆破されることが知れ渡ったからだ。長い歴史を刻んだこの岩は、チェジュ島の自然そのものだ。

 チュジュ島の海軍基地建設問題は、12月の大統領選挙の大きな論点になろう。

 ところで、チェドリの余波なのか、にわかにスナメリが注目を浴びてきた。
 韓国KBSでも、「スナメリって知ってますか?」というニュースを流した。過去にスナメリの本を出しているぼくとしては、「ようやく来たか…」という感じだ。

 スナメリの本を、また、書かねば! 
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by kimfang | 2012-06-20 10:31 | トピックス