佐渡市で行われる「第2回 生物の多様性を育む農業国際会議」(ICEBA2012)に、韓国語の通訳として参加することになった。
2008年の9月に、トキの放鳥式典に参加する韓国の子どもたちを関空から佐渡まで引率して以来、2度目の佐渡だ。
あの時は時間を最優先しなくてはいけなかったので伊丹から飛行機で新潟へいったが、今回はひとりゆっくり電車で行けばいい。
6時間もかかるが、特急「雷鳥(サンダーバード)」でいけばいい。そう思っていた。
ところが……。
京都から直接、新潟へ行く電車がない。
富山で乗り換えればあるが、富山から新潟へいく特急は1日に4本ほど。それでは時間が合わない。
昨今、話題を集めた高速バスならあるが、バスでの睡眠は中年にはかなりきつい。
しかたなく選択したのが、東海道新幹線で東京までいき、そこから上越新幹線で新潟へいく方法。
以前より早い4時間半ほどで新潟へ着くが、速さだけを求めていない人も大勢いる。安くて便利な在来の特急をなくしてもらいたくないものだ。
さて、旅行といえば駅弁。新幹線「とき」の車内ですてきな駅弁を見つけた。
その名も「佐渡 来いっちゃ弁当」。トキのお箸入れにそそられたが、「期間限定」という文字にもそそられた。
弁当を開くと、佐渡の名産品がずらり。
見て楽し、食べて美味。
満足なお弁当だった。
新潟港からジェットフォイルで両津港へ。
あちらこちらに、「祝! 放鳥トキの2世誕生!」の文字。
放鳥から5年、ひな誕生は、何と36年ぶりのことだもの。よろこびに沸く地元の熱気が、ただ、船を降りただけでもひしひしとこちらに伝わってきた。
放鳥トキに会えるかなぁ?
国際会議の通訳だからあまり外へは出られない。
積極的にトキを探しにはいけないけれど、
何か、会えるような、会えちゃうような不思議な予感がした。