動物児童文学作家のキム・ファンです!!
12/8/23 たいくつなアナグマ
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 第11回アジア児童文学大会が、東京の国際大学で開催された。会場に入るや否や、
「あっ! クリーニング屋おじさんだ!」
という大きな声が響き、会場にいた人たちが振り返った。
 声の主は声もデカイが、体もデカイ。
 ぼくは170㎝ほどの身長だが、その人はぼくよりもはるかに大きな女性だった。

 大きな女性は絵本を持ってぼくに近づき、背を丸めて話しかけてきた。
「オム・ヘスクから本を贈ってもらったよ。モデルになったキム・ファン氏でしょ。会いたかったんだから」
 そして手にしていた絵本にさらさらとサインをして、ぼくに渡した。
 
『심심한 오소리 たいくつなアナグマ』이상교 イ・サンギョ / 이태수 イ・テス
「うわっ、この絵本持ってます。絵を描いた画家のイ・テスは親友でして、これは彼からもらってまして…そうでしたか、イ・サンギョ先生でしたか、はじめまして」
 ぼくはあこがれの先生と会ったことで興奮してしまって、うまく話せなかった。
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 イ・サンギョという名前を意識しだしたのは、2005年にイ・テスと出会い親友になってこの絵本をもらってからだ。さらには、翌年の2006年のアジア児童文学大会のとき、香港の児童文学作家、潘明珠さんからイ・サンギョさんの詩を日本語に訳してくれと頼まれて、さらに強く意識するようになった。
 いったい、どんな人だろ? 会ってみたいと思っていたら、有名な先生の方からあいさつにきてくれるなんて、とても光栄なことだ。これもみな、絵本のモデルになったからに他ならない。
 

 ところで、サインをいただいた『심심한 오소리 たいくつなアナグマ』はこんな話だ。
森の仲間たちが遊ぼうといっても、「たいくつじゃないから、いい」と断っていたアナグマが、冬になってだれもいなくなると「たいくつでしょうがかい。だれかこないかな」と、雪の上に自分の巣穴に通じる道を描いて待つという話。
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 動物たちが春を待ち焦がれる様子を情緒的に表した絵本だ。
 さらには、せっかくお友達が声をかけてくれているのに無視していると、あとで後悔するよ、ということも静かに教えてくれる絵本である。

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 日本でも翻訳出版されればいいなと思うのだが、主人公がアナグマでは難しそうだ。
 アナグマは「同じ穴の貉(ムジナ)」ということわざのムジナのこと。
韓国では結構愛されていて、ヨーロッパもでもアナグマが主人公の絵本は多い。イヌのダックス・フントも、実は「アナグマ狩りの犬」だ。「ダックス」とはドイツ語でアナグマという意味だ。

 日本ではどうもタヌキのほうが愛されていて、アナグマは影が薄い。韓国では、その反対だ。
 写真は上野動物園のアナグマ。たいくつしすぎて爆睡中。
 これじゃあ絵本の主人公は、やっぱり無理だな^^
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by kimfang | 2012-08-30 08:35 | トピックス