動物児童文学作家のキム・ファンです!!
12/9/7 恩人、ホ・ウンミさん、岐阜でトークショー
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 韓国の芸能人による、「アンニョンコンサート」が3年ぶりに岐阜市で開かれた。
 2009年のコンサートの模様は〈驚きの「ヒョさま」〉の回を読んでいただくこととして、今回、前回と大きくちがうことは、ぼくにとって「特別な絵本」がふたつ発売されているということだ。

 まずひとつ目の絵本は、2005年から朝鮮学校に絵本を贈り続けてきた韓国オニリ図書館協会が企画した絵本。
 ホ・ウンミ著『달라도 친구 ちがってもともだち』(写真 右下)とオム・ヘスク著『세탁소아저씨의 꿈 クリーニングおじさんの夢』(共に웅진주니어)は、絵本で南北の交流を図ろうとする人たちの熱い想いが詰まった絵本だ。しかし南北交流を望まない、冷えた対立関係の継続を望む人たちの様々な嫌がらせもあって出版が遅れていた。
 その絵本が、今回はコンサート会場にあったのだ。

 コンサートの第一部で、この絵本の企画者であり、編集者でもあり、また著者でもある、ホ・ウンミさんの絵本の朗読とトークショーがあった。恥ずかしながら『クリーニングおじさんの夢』はぼくがモデルになった話だ。こちらも企画と編集を担当したのがウンミさんなので、京都から遥々駆け付けた。

 ウンミさん、こんなに大勢の大人相手で大丈夫かなぁ…
 緊張している様子を、客席からハラハラしながら見ていた。
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 実はウンミさんとは、先月、韓国で行われた出版記念イベントでも、コンビを組んでやっていた。書くよりも話す方が上手な「似非(えせ)作家」のぼく^^とちがって、ウンミさんは人前で話すのが苦手な「本物タイプの作家」。
 いやいや、大人は苦手だが、子ども相手ならめっちゃすごい「正真正銘の絵本作家」だ。

 司会の若手俳優、チェ・ギュファンさんがうまくリードしてくれたこともあり、トークショーはうまくいった。
 よかった、よかった。

ところでホ・ウンミさんは、日本でも『うんちのちから』(主婦の友社)などを出している、韓国を代表する絵本作家のひとりだ。名門、延世大学のドイツ文学科をでて出版社に勤めたあとに、絵本作家になった人で、翻訳も含めると90冊近い著作がある。

 2008年に6月に彼女が会いに来てくれたとき、一緒にきた人たちにわからないようように自分が書いた絵本原稿をそっと手渡した。
「どうか、絵本の書き方を教えてください。これを読んで、ご指導願います」
 たとえ有名な作家とはいえ、自分よりも年下の人に教えを乞うのにはかなりの抵抗があるものだ。しかし絵本がだせなくなっていたスランプからどうしてもぬけだしたくて必死だった。

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 ところがこれが思わぬ方向へと進む。
 ひと月ほどして、ウンミさんから「3つの原稿のうちのひとつは、本にできる原稿でしたよ」とうれしい報せと共に、彼女の友人が書いた、あるコラムを送っていただいた。そこには、絵本を書くためのノウハウが散りばめてあって、絵本執筆のコツを会得した。

 いざ、出版社を紹介してもらうべく、ホ・ウンミさんに会いに韓国へ飛ぶと、6月に一緒に会っていた男性から、突然、電話がかかってきたのだ。
 彼がいうには、ウンミさんが出版社を紹介するというのを他人から伝え聞いた。ちょっと待ってほしいというではないか。とりあえず会うことに。
「ウンミ先生の紹介する出版社でなく、うちで出させてください!」
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 彼は한솔수북 ハンソルスブクという出版社の編集者。韓国で一番売れている大ヒット絵本『ふわふわくもパン』(日本語版は小学館)の出版社の人で、『ふわふわくもパン』の写真を担当した、これまたすごい人物だった。
 
 ウンミさんが新幹線や飛行機のなかでぼくの原稿を読んでいるとき、たまたま隣に座って読んでしまったらしい。そのときから、ぜひ、うちでだしたいと思っていたというのだ。
 そうした数々の幸運が重なって2009年にでたのが絵本『巣箱』。これの販売が好評だったことでシリーズ化され、5冊もだしてもらった。

 あのとき、勇気を振り絞ってウンミさんに原稿を渡してなければ、何もなかった話だ。
 だから彼女はぼくの「恩人」でもあり、南北統一を願う「同志」なのだ。

 ウンミさんとの縁で生まれたもうひとつの「特別な絵本」も、朝鮮学校の子どもたちにプレゼントした。


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 コンサートの第二部は歌。韓国からはソン・ビョンフィさん、ウリナラ、日本から大島優美子さんが出演された。
 もちろん司会は、「ヒョさま」こと、クォン・ヘヒョさん。
 会場を大いに盛り上げてくれた。

f0004331_17415938.jpg ところで、クォン・ヘヒョさんたちは、3.11の被害にあった在日同胞と子どもたちを助けたいと、昨年、「몽당연필 モンダンヨンピル (ちびたエンピツ)」を立ち上げた。
 一年限定で、チャリティコンサートを各地で実施し、その収益金を寄付しようと呼びかけたのだ。これに賛同し、ここに関わった韓国の芸能人は200名に上るという。

 今年の6月で一応活動は打ち切ったが、被災者たちの苦しみがなくなったわけではない。
 コンサートの最後にヘヒョさんはいった。
「『モンダンヨンピル』を再開します! また、お会いしましょう!」
 微力ながらぼくも、彼らの活動を応援したいと思う。

 もちろん、ホ・ウンミ著『달라도 친구 ちがってもともだち』とオム・ヘスク著『세탁소아저씨의 꿈クリーニングおじさんの夢』の売上金は、全額寄付される。
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by kimfang | 2012-09-08 14:55 | トピックス