動物児童文学作家のキム・ファンです!!
13/4/20 老いる南北友好の象徴
  イヌの本を出してひと月が過ぎた。以前の記事でも触れたように、光栄にも韓国出版産業文化振興院の4月の青少年勧奨図書に選んでいただいた。ふつうは選ばれると、読書新聞をはじめとする多くのメディアが取り上げるのだが、4月の20日を過ぎても待ち望んだ記事は出なかった。いまさら今月の本もないだろうが、「本どころではない」ほど今回の戦争の危機が今までとはちがうレベルだったということだ。

 危機が去ったわけではないが、緊張緩和に向けた対話の動きもではじめている。それでも朝鮮戦争がはじまった6月25日や、休戦協定が結ばれた7月27日に向けて、新たな動きが必ずやあることだろう。
 何としても、戦争だけは避けてほしい。

 ところで南北には、殺しあった戦争の記念日だけではなく、友好の記念日だってあるのだ。みなの記憶から遠ざかろうとしているが、2000年6月13-15日に初めて南北の首脳が会って握手をした。
 そのときに交換されたのが、南の珍島犬(진돗개)と北の豊山犬(풍산개)だった。キム・ジョンイル国防委員長からキム・デジュン大統領に贈られた豊山犬は、しばらく青瓦台(大統領府)で育てられたが、その後はずうっとソウル大公園のオリニ公園で飼育されて、今も一般公開されている。

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 ぼくは韓国のイヌを長年取材してきたが、この「南北友好のイヌ」も、しっかりと取材させてもらっている。何と、2004年にはオスの「ウリ」を(写真上)、2005年にもメスの「トゥリ」を(写真下)散歩させてもらったことだってあるのだ。
 南北の首脳が交換したイヌ、大統領がもらったイヌにもしも何かあったらどうしょう?と、ドキドキした思い出は今も色あせない。

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 このイヌたちがそろそろ危ない―という噂を聞き、3月に会ってきた。
 上の写真のそれぞれ右端が、今のウリとトゥリだ。
 かつてのように「特別室」で暮らしてはいなかったが、それでも「南北首脳会談のイヌ」という看板はかかっていた。
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 オスのウリはよろよろとしか歩けず、メスのトゥリは耳がほとんど聞こえない状態と担当飼育員はいっていた。
 生まれて2か月半のときにやって来たというから、今年で13歳。中型犬だから80歳前後というところか。いつ逝ってもおかしくない。

 南北の動物交流は1999からはじまり、7度にわたり色々な動物が送られてきたが、2007年からは止まっている。
 朝鮮半島固有種の復元のためにも再開される日を待ち望んでいる。

 そういえば来年の4月に、人工飼育したコウノトリを放鳥する予定だ。かつての繁殖地の名前をつけて飛ばすのだが、北の繁殖地の名前もつけることになっている。

 できれば南北共同でこの事業をやりたいと関係者は望んでいるのだが……。
 あと1年、劇的な好転はあるのだろうか? 
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by kimfang | 2013-04-20 13:36 | 取材ノート