動物児童文学作家のキム・ファンです!!
13/8/24 ネコな夏② 猫エイズに感染したヤマネコと出会う
f0004331_14224281.jpg
 ぼくが猫エイズに関心を持つようになったのは、2006年4月に長崎県の対馬にいったのがきっかけだった。地元では「ヤマネコセンター」と呼ばれている「対馬野生生物保護センター」で、もう、野生には戻ることのない「ツシ丸」に出会った。
f0004331_14232889.jpg
 展示が目的でない施設でツシ丸が公開されていたのは、彼が猫エイズにかかっていて、人に飼われているネコや野良ネコのエイズが、ヤマネコにとって深刻な問題となっていることを知らせるためだった。
 ※写真撮影禁止だったので、ツシ丸のポストカードをいただいた。

 ネコの祖先はヤマネコ(リビアヤマネコ)。人には感染しない猫エイズだが、野生のヤマネコには感染するのだ。絶滅が危惧されて、80~110頭といわれているツシマヤマネコにとって脅威なのである。
 
 それでもツシマヤマネコは狭い対馬にしかいないから、何とかできるはず。実際、すでに対策が取られている。

 もしも韓国で猫エイズが蔓延したなら、韓国全土にいるヤマネコがたいへんなことになるぞ……。

 ところが、韓国からの観光客が忘れていったハングルのパンフレットを拾って青ざめた。
 そこには、「野生動物保護センターに『サンコヤンイ』がいる!」と紹介されていたのだ。
 韓国語でヤマネコは「삵」という。日本語をそのまま直訳した、「サン(山)コヤンイ(猫)」と書いていてあって悲しかった。
 こっちは真剣にヤマネコのこと、心配しているのに、自国にいることすら知らないんなんて……。
 それで、2007年に猫エイズのキャリアーでるチャムの里親となった。

f0004331_14334732.jpg
 翌、2008年、読売新聞の記者を野生動物の棲むところへ案内する仕事があった。
 DMZ(非武装地帯)近くの鉄源にある「野生動物治療院」に連れていったのだが、そこで、まだ幼いヤマネコと出会った。
 母親の帰りをぎりぎりまで待ったが現れず、仕方なくここに待ちこまれたとのこと。当初は2頭保護されたが、1頭は死んでしまった。
f0004331_14343721.jpg
 病院の獣医師に、韓国の猫エイズの現状をたずねてみると、写真のこの子を指しながら、
「この子も、FIV(猫エイズ)キャリアーだよ」といった。
 こりゃあ、やばい!
 
 
 獣医師に、どんな対策がなされているのか? とたずねたが、猫エイズの存在すら知らないのが現状で、何の対策もないといった。

 日本に帰るとすぐに、チャムを主人公にした猫エイズ啓発絵本を書いた。
 しかしそれを出してくれる出版社は、とうとう、見つからなかった。
 子どもが対象の絵本なのに、テーマが重すぎたのだ。

 ところが書いてから5年も経った今年、ようやくチャンスがやってきた。
[PR]

by kimfang | 2013-08-24 14:27 | トピックス