動物児童文学作家のキム・ファンです!!
14/1/16 トマトの絵本、奮闘中 ― 韓国のトマトといえば?
 韓国で野菜の絵本を書くことになったと報告していたが、何の野菜なのか発表していなかった。世界で一番食べられている野菜である、トマトからはじめることになった。
 もちろん知識の絵本だから、科学的な内容がメインだが、トマトは16世紀にメキシコからヨーロッパに渡ったあとふつうに食用にされるまでに200年もかかったとか、アメリカで「野菜か? 果物か?」を巡って裁判があったとか、面白いエビソードがたくさんあって話題も豊富だ。
 でも、当然ながら韓国のトマト事情をよく知らなくては書けない。まずは、韓国のトマトといえば? そこからはじめた。
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 日本のトマトといえば? 何といってもタキイ種苗さんの「桃太郎トマト」! 
今やふつうに食べられているトマトのほとんどが(70%とか80%とかいわれている)桃太郎シリーズ(色々ある)だ。だから日本ならば絵本で紹介するときも、代表格である桃太郎トマトを描いておけば問題はないだろう。
 じゃあ、韓国のトマトといえば? ……で、かれこれ数か月も悩んでいる。それでも苦労して調べた甲斐あって色々なことがわかってきたので、その一部を紹介しよう。
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 韓国のトマトにどのような品種があるのか調べていたところ、「도태랑 トテラン」という品種がよく食べられていることを知った。
 (左上の写真は、おそらく桃太郎系)
 トテラントマトの写真などを見ると、色も形も日本で見ているトマトとそっくりだ。でも、「トテラン」という響きが、何だかヨーロッパとかアメリカの品種のような気がして、海外のトマト品種を一生懸命に調べたのだが、結局わからなかった。

 で、ある日、はっと気が付いた。「桃太郎」の漢字を韓国読みにすると「도태랑」! 
 そう、桃太郎トマトだったのだ。モモタロウと呼ばずに、漢字の韓国語読みで呼んでいたのである。
 スマップの草彅 剛さんを、「クサナギツヨシ」と呼ばずに漢字の韓国語読みである「초난강 チョナンカン」と呼ぶのと同じことだ。ああやっぱり、韓国でも日本同様、桃太郎トマトが圧倒的に支持されているんだなぁと思っていたら、ことはそんなには単純ではなかった。
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 韓国のトマトを語るのに外せないのが、プサンの金海国際空港がある江西区で作られている「대저 テジョトマト」だ。小ぶりだが、味が濃いので有名だ。
 このトマトを写真で見ると、お尻のところがちょっと尖がっている。ファーストトマト系ということがわかる。ファーストトマト系はむかし爆発的な人気を博したが、お尻が尖っているのでスーパーでは扱いがしづらいと嫌がられ、ついには忘れ去られてしまった品種だ。

 つまり「대저 テジョトマト」は、お尻の尖ってない桃太郎トマトではない。だからといってファーストそのものというには、ちと尖がりが少ない。ファースト系には間違いないが……。う~ん……どんな品種なんだろう?
 これを探るのに、またまたすご~く時間がかかってしまった^^ 
 そしてついに、韓国で有名な「대저 テジョトマト」は、「서광 ソガン」という品種だということが、(おそらく)わかったのだ。
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 「ソガン」、これは韓国の国産品種なのか? 
 またまたそんな疑問を解明すべく調べだした。しかし、同じ失敗はしない。ソガンは、きっと日本の品種だとあたりをつけた。ソガンを漢字にすると、だいたいは「曙光」。しかしそんな名前の品種はなかった。う~ん……やはり日本の品種じゃないのかな?
 これを探るのに、さらにと~っても時間がかかってしまった^^
 そしてついに、「서광 ソガン」は漢字で「瑞光」と書く、日本のサカタ種苗さんの往年のベストセラー品種だということがわかったのだ。もちろん、ファースト系だ。(右の写真は瑞光102)
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 さらに韓国では、ふつうのトマトに負けないくらい大人気なのがナツメ(대추)の形をしたミニトマト(방울도마토)である「대추방울도마토」。これも、おそらく前述のサカタ種苗さんの「アイコ」や「イエローアイコ」という品種であろう。
 先月も韓国のスーパーで取材をしたが、「대추방울도마토」はご覧のように山積みになっていた。

 さてさて、韓国のトマトで日本の品種が多いのには大きくふたつの理由がある。
ひとつは、韓国の多くの種苗会社が過去に海外の企業に買収されていることだ。今や、韓国でも大手の種苗会社となったノンウも、前身は韓国の会社を買収した「サカタ・コリア」なのだ。
「瑞光」や「アイコ」など、サカタの品種が多いのもこのような経緯があったのだ。

 もうひとつの理由は、日本の輸入トマトの36%(2012年 / 過去にはミニトマトが77%のときも)が韓国産ということ。
 日本で圧倒的なシェアを誇る「桃太郎トマト」を多く生産するのは、輸出用に作ったトマトを国内用にも卸すということで、ごく自然なことなのだ。

 やれやれ、これでようやく本腰入れて原稿と向き合える^^
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by kimfang | 2014-01-16 22:42 | トピックス