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動物児童文学作家のキム・ファンです!!
14/10/11 ポンスニがいる花浦川湿地に立つ
 11日午後、「ポンスニ」が留まっている金海(キメ)市の「花浦川(ファポチョン)生態公園」にいった。会いたかったポンスニに、ようやく会える! ガイド兼通訳が本来の仕事なので、興奮する心を静まらせるのに苦労した。
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 と、いうのも、豊岡で野生復帰したコウノトリが海外へまで飛んで行ったのはポンスニが初のケースだったし、その「大スクープ」(読売新聞)に、現地の人たちとの取材や確認の連絡役として関わったのが他でもなく自分だからだ。

 少し、復習しよう。ポンスニとは、豊岡生まれのメスの2歳のコウノトリで、はるばる600キロを飛んで慶尚南道・金海市の花浦川湿地で見つかったあと、そのままずっとそこに留まっているコウノトリだ。
 日本では「J0051」と呼ばれていたが、韓国では「ポンスニ」という名で親しまれている。

 今年3月18日のことだった。花浦川生態館(写真右上)で会議をしていたカァク・スングク館長をはじめとするスタッフは、窓の向こうに今まで見たことのない大きな白い鳥がいることを目撃。会議をやめて外に飛び出した。

 もしかするとコウノトリかも知れない。写真を撮って知人のイ・チャヌ博士に問い合わせた。博士はこの鳥の足環に注目。日本の豊岡で生まれた「J0051」だとわかったのだ。
 一連の動きを知った知人の読売新聞記者からの依頼で、クァク館長とイ博士にインタビューや写真の提供をお願いしたのがぼくで、それが3月20日にスクープ記事としてでたのだった。

 スクープに関わったものの、ぼくは花浦川生態館にも、ここの湿地にもいったことがない。そして何よりも、ポンスニに会っていない。それが実現するのだから、興奮するのも理解できるでしょ^^

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 生態館へと入っていく手前の坂道には、「ポンスニの話」というコナーが設けられ、写真パネルでいままでのことがわかりやすく解説されていた(上段の左)。
 発見されたときの写真(上段真ん中)。館長やイ博士、ポンスニの名付け親の和尚が7月に豊岡で開催された国際会議に参加したこと。ぼくが撮った写真^^も(上段右)。そしてつい先日、ポンスニがSBSスペシャルの「アンニョン! ポンスニ!」という番組で放映されたこと(下段)などなど。

 「アンニョン! ポンスニ!」の予告編はここから見られます。最初少しCMがあります^^
 ※日本の豊岡市の女の子と、韓国の金海市の男の子が、それぞれの視点でポンスニとかかわっていくドキメンタリーです。ぼくは幸運にも、韓国滞在中に生で観ました。

 ポンスニが列車の鉄塔などで寝ていることを心配した人たちが寄付金を集めて立てた、人工巣塔にもいった。
 日本(12m)のそれよりも随分と高い(20m)のは、彼女の行動範囲である花浦川(ファポチョン)湿地と峰下(ポンファ)村の田んぼの両方を全部見渡せるようにとの配慮からという説明も受けた。
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 が……。
 肝心のポンスニは、数日前からまた行方不明になっているという。8月中旬から9月中旬にかけて、ひと月も見つからないこともあったが、広い湿地のなかで暮らしていたことはまちがいない、と関係者は自身ありげにいった。
 今回は会えなかったけれど、必ずここのどこかにいるとぼくも確信した。
 それほど花浦川湿地は、大型の鳥であるコウノトリも暮らしていける素晴らしい湿地だった。

 クァク館長は新しい展望も語ってくれた。
「韓国コウノトリ生態研究院(元 韓国コウノトリ復元研究センター)」と共同研究として、ここに新たにコウノトリのケージを設置してソフトリリースをする計画もあるんですよ。わたしたちはここのラムサール湿地登録も目指しています」

 忠清南道のイェサン(禮山)郡と慶尚南道の金海(キメ)市――。
 韓国のコウノトリ復活に向けて、ふたつの拠点ができつつある。

by kimfang | 2014-10-19 11:52 | トピックス