動物児童文学作家のキム・ファンです!!
14/12/26 BIBグランプリの絵本、日本でも翻訳賞
韓国絵本紹介コラムの5回目です。
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 今年も押し迫ってきた。そこで今年を締めくくるのにふさわしい『はしれ、トト!』(原題 달려 토토)を紹介しよう。みなさん、今年はウマ年だったでしょ^^ でも、この絵本にでてくるウマは、ぬいぐるみのウマと、競馬場にいる競走馬なのだ。

 女の子のお気に入りは、「トト」という名前のウマのぬいぐるみ。日曜日の朝、おじいちゃんが競馬場に連れていってくれる。
 「本物のウマってどんなかな? 胸がドキドキしてきました……」
 そんな女の子が競馬場で見たのは、何かをじっと見ている人、何かを書いている人、何かを考えている人、すごく大きなスクリーンを見ている人――。
 「一等になるウマを当てたら、お金がたくさんもらえるんだって」
 競走馬のなかに、トトそっくりのウマがいたので女の子はそのウマが勝つと予想するが、おじいちゃんはちがうウマの馬券を買う。
 いよいよレースがはじまる。女の子の応援するトトは……。
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 この絵本のおもしろいところは、幼い女の子の目線で、競馬場にくる大人たちをシュールに観察しているところ。そしてそれを色々な技法の絵で、的確に描いたところだ。
 子どもの目の鋭さに、思わずはっとさせられるこの作品は、2011年の「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」(BIB)で、グランプリに輝いた! 
この賞は、スロバキアの首都であるブラティスラヴァで、2年に一度開催され、 「国際アンデルセン賞」と並ぶ、児童書分野の権威ある賞だ。絵本のイラストレーターに与えられる国際賞のなかで、もっとも古いもののひとつである。

 さて、冒頭で今年を代表する韓国絵本だといったのは、単に今年がウマ年だったという理由だけはない。実は、この絵本の日本語版が、今年の「日本絵本賞」の「翻訳賞」を受賞したのだ。
 わたしはこの絵本にでてくる大人たちの、哀愁に満ちた表情が大好きだ。なかでもおじいちゃんは最高だ。『はしれ、トト!』は、フランスで発売されたあとに韓国ででた。子どもだけでなく、大人にもたのしんでもらいたい絵本である。

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by kimfang | 2014-12-26 14:17 | 連載