今朝の読売新聞の社会欄に「コウノトリ 豊岡 ▶ 済州島 800キロの旅」という見出しの記事が掲載された。 2014年3月に韓国の慶尚南道金海市で見つかったJ0051(韓国ではポンスニという愛称で呼ばれている。今も韓国で暮らしている)に続き、今度は済州島で日本(豊岡市)生まれのコウノトリが見つかったというビッグニュースだ。 ぼくはこの記事を書いた記者さんからコメントを求められたのだが、その理由は、単にコウノトリが韓国へと渡ったからではない。今回渡ったJ0092とぼくは、少なからぬ縁があってのことなのだ。 ぼくがコウノトリと係わるきっかけとなったのは、2003年にだした絵本『くちばしのおれたコウノトリ』(素人社)だ。地方の小さな出版社からでたが長く愛され、のちに紙芝居やノンフィクションの題材にもなり、韓国で初めてとなる本も、この絵本にまつわるエピソードが中心となっている。 絵本の内容だ。1970年の暮れに福井県武生市(現 越前市)発見されたコウノトリは下くちばしが8㎝もおれていた。コウノトリの観察を依頼された白山小学校の子どもたちはコウちゃんと名づけ、えさ場を作ったり保護を訴える立札を立てたりしたが、コウちゃんは日に日にやつれていった。 そこで捕獲され、豊岡市のコウノトリ飼育場(のちのコウノトリ保護増殖センター)で飼育されることになった。 メスのコウちゃんにはヒナ誕生が期待されたが、くちばしがおれていてうまく話せない(クラッターリング)コウちゃんと「結婚」するコウノトリは現れなかった。 長い月日がたち、ようやくやさしいオスと結ばれたコウちゃんは、23年目にしてたった一羽だけ娘を残す。それが「ムラサキ」だ。 絵本はここで終わっているが、紙芝居『とんだとんだ! コウノトリ』(童心社)では、ムラサキが産んだ4羽のヒナのうち、2羽が大空へ帰ったことを書いた。ノンフィクション『きみの町にコウノトリがやってくる』(くもん出版)では、4羽の孫のうちの一羽である「唐子」が餓死した(コウノトリが暮らせる環境が整っていない)悲しい事実にも触れた。 今回、自然に帰った孫から生まれたのがJ0092なのだ。そう。とても貴重な(遺伝的にも)コウちゃんのひ孫だ。韓国へ渡ったのがコウちゃんの血を引くコウノトリと聞いておどろきと感激でいっぱいになった。 「コウノトリを通じた日韓の民間交流を活発化させたい」とコメントした。
by kimfang
| 2015-02-10 17:08
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