動物児童文学作家のキム・ファンです!!
15/4/8 音楽とコラボする絵本
韓国絵本紹介コラム14回目です。

 今年韓国は、「ボローニャ・ラガッツィ賞」の全5部門で優秀賞を受賞した。わずか30年あまりで、よくぞここまできたなぁと感慨深いものがある。
 30年ほど前は欧米の翻訳ものばかり。しかも「全集」というセットものが主流。書店で自分が好きな絵本を一冊だけ買う、それすらむずかしいというありさまだった。
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 そんな韓国の絵本界に、小さいけれども確かな光を灯したのが、1988年にリュウ・チェスウがだした『山になった巨人―白頭山ものがたり』。韓国ではじめて出版された本格的な絵本ということで、「韓国絵本のはじまり」と呼ばれている。
 日本語版は1990年に福音館からでた。当時は日本で韓国の絵本が翻訳出版されることは珍しいことだったこともあって、韓国と日本でとても話題になった。

 リュウ・チェスウの名は、韓日でよく知られるようになっていったが、世界に広く知られるようになったのはやはり、今回紹介する絵本『きいろいかさ』(原題 노란우산 )がでてからだろう。
 この絵本は、雨の日に子どもが登校するまでのことを抽象的に描いた、まるで雨音が聞こえくるかのようなすてきな絵だ。しかしこの絵本には文章がない。その代わりに音楽がついている。文字のない絵本はそれまでもあったが、絵と音楽のコラボレーション絵本は新しい試みだった。
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 そんな新感覚の絵本は2002年、国際児童図書評議会(IBBY)の「優秀図書」に選定、ニューヨーク・タイムズによる「世界の優れた絵本10選」に選ばれるなど、世界的に高い評価を得たのだ。
 実はこの絵本、企画を思いついたのは、自身の作品『うさぎのおるすばん』で、翌年のニューヨーク・タイムズの「優れた絵本」に選ばれたイ・ホベクだった。企画から完成に至るまで、5年もかかったという。
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 そして音楽を担当したのは、前回紹介した『しろいは うさぎ』の子ども向けコンサートの音楽と演出を担当した、シン・ドンイル。シンは、ソウル大学を卒業後にアメリカのニューヨーク大学大学院に進み、帰国後は精力的に音楽活動を展開している。

 さて、絵と音楽がコラボしたこの絵本を、どのように「読む」か? 
 表紙カバーの裏には、「絵本を読んだあと、音楽をきいてみてください。また、ちがった世界がひろがることでしょう」とある。
 わたしのお気に入りは、雨の日に、音楽に合わせて、ゆっくりとひとページずつめくっていくという「読み方」。みなさんも、それぞれにお好きな「読み方」でたのしんでほしい。

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by kimfang | 2015-04-08 19:56 | 連載