動物児童文学作家のキム・ファンです!!
15/9/16 家族の健康願う「十長生」 
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韓国絵本紹介コラム26回目です。
家族の健康願う「十長生」   
 
 もうすぐ敬老の日。そこで今回は、ハラボジと孫の心のふれあいを描いた絵本、 『十長生をたずねて』(原題 십장생을 찾아서)を紹介しよう。

 ある日、大好きだったハラボジが病気になってしまった。孫の女の子が悲しみにくれていると、突然、ツル(鶴)が現れて、いう。
 「長生きしたり、病気にならない十のものを『十長生』というの。
 むかしの人びとは、家族の健康をいのって、 『十長生』のもようで家のなかのものをかざったわ」

 ツルがいう「十長生」(シプチャンセン)とは、太陽、松、ツル、シカ(鹿)、不老草(霊芝)、岩、水、カメ(亀)、山、雲などの10個。  右下の写真は屏風に描かれた「十長生図」

 ツルにいわれて女の子は、
「じゃあ、『十長生』を集めてもっていくのはどうかしら?」
 そう。「十長生」を集めていくのがこの絵本の一番の見どころだが、それをただ単に絵だけで表現していないところがこの絵本のすごさなのだ。
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 先ほどから登場しているツルは刺しゅうで、シカを集める場面では螺鈿を使っている。水を集める場面も「チョガッポ」という、韓国伝統のパッチワークで表現している。
 つまり、ただ絵で描くだけではなく、作者自らがししゅうを刺したり、伝統的な家具から飾りを取りはずして並べたり、実際にパッチワークを縫ったりしたものをコラージュして、それを写真に撮って絵をつくりあげているのだ。

 わたしはこの絵本を担当した編集者と一緒に本をつくったことがあり、彼女からこの絵本の創作秘話を聞くことができた。
 「作家さんは、女の子が山に登って雲を取るシーンを焼き物で表現するのに一番苦労されていました。
 焼き物はいくら正確に下絵をつけても、なかなかそのまま焼きあがらないものでしょ。下絵をつけては焼いて、焼き上がりに納得できなくてまた焼いて、何十枚も焼いて、ようやく絵本に使える一枚を得ました」

 女の子はついに「十長生」を集めてハラボジに届ける。果たしてハラボジは健康を取りもどすことができたのだろうか? 
 その答えは絵本を読んで確かめて。女の子の心の成長を知ることになるだろう。

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by kimfang | 2015-09-16 18:33 | 連載