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動物児童文学作家のキム・ファンです!!
15/10/10 モモンガよ、森を奪ってごめんなさい
 今日の東亜日報で、ぼくが書いた絵本『生態通路 ― ひとがつくった動物の道』(絵 アン・ウンジン / 出版社 ノンジャン)が大きく取りあげられた。その記事を訳す。
15/10/10 モモンガよ、森を奪ってごめんなさい_f0004331_14493723.jpg 長いチュソク(秋夕)連休のおかけで、ゆったりと故郷に帰れた人も多かったことでしょう。どのような交通手段を利用されましたか? 電車と自動車のための道をつくりはじめて以後、人の移動時間はどんどん短縮されてきました。道路と線路をつくるためには山を削らなくてはいけないし、森を切らなくてはいけません。岩に穴をあけ、川をふさぎ、海を埋めたてたりもします。しかしその仕事をする人たちも、その道を通う人たちも、最初はまったく気にかけなかったことがあります。それはこの道の主人が、ほかにいるという事実です。

 韓国の道路が建設されはじめたのは100余年前なのに、生態通路がつくられはじめられたのは1995年、たった20年しかたちません。生態通路は、山、川、海の本来の主人である動植物たちのための道なのです。80年の間に何をどれだけ失くしたのか? だれも正確にはわかりません。ただ、食物連鎖が壊れ、生態系のある部分が変化してしまったという結果だけが残りました。

 この本は、動物たちにつくられた新しい道に対するお話です。動物たちは、猛スピードで走る車輪と冷たいセメントの床が、自分たちをどのように死に追いやるのかを知りません。いつも通っていた道を、いつもどおりにいこうとしただけです。そこで彼らの道を別につくってあげたのです。木と木の間を飛んで暮らすモモンガには、そのような大きな木を、今すぐにあたえてやれないのが惜しいのですが。
15/10/10 モモンガよ、森を奪ってごめんなさい_f0004331_14503293.jpg15/10/10 モモンガよ、森を奪ってごめんなさい_f0004331_14504951.jpg 本を閉じると、人間のための道で数多く死んでいった動物たちに心からごめんなさいと思う気になります。瞬く間に切り倒された数十年も生きた木に謝罪し、今からでも決して遅くないから、小さな木と草が生い茂るようにしなくていけないと決心させてくれます。前表紙の見返しで車に乗っていた子どもが、後ろ表紙の見返しでは木を植えているように、読者もまた、そのような気持ちをもってくださり、今すぐに木を植えてくださるようお願いします。

                                             子どもの本評論家 キム・ヘジン

 東亜日報の記事は、ここから読めます。




by kimfang | 2015-10-10 14:52 | 出版物