動物児童文学作家のキム・ファンです!!
15/10/20  『アキアカネ』ブッククラブに選ばれる
 韓国の出版社と仕事をして、今年で10年になる。当初は日本とのちがいに戸惑うことが多かったが、ようやくそれにも慣れてきた。
 ここでも何度か取り上げたが、韓国の児童書は「全集」を抜きにしては語れない。簡単にいうと、書店で購入できる本が「単行本」であり、それと同じくらいの数の本が「全集」として訪問販売やネットで売られているのだ。
 つまり、書店で見られる韓国の児童書は、大げさにいうと半分だけ。残り半分は、書店で買うことのできない、全集である。

 全集のいいところは、とにかく安いことだ。1960年代、韓国が世界最貧国のひとつであったころ、国は図書館を立てる力もなく、市民は本を買う余裕もなかった。そんななか、安い全集は手軽な価格で、それなりのレベルの本が買えるという利点があった。
 ただし、書店で流通しないので、質が第三者によって客観的に「検証」されることがない。全集のなかの何冊かをド素人に書かせても、チェックが効かないのである。
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 しばしば、世界的に有名な海外の絵本や、世界で高い評価を得た国内(韓国)の絵本が、全集の一部ということもある。そう。「この絵本がほしければ、全集をすべて買いなさい」といわんばかりのものもある。

 例えば日本では単行本で販売されたユン・ミスクの『あずきがゆばあさんとトラ』は、韓国初の国際賞(ボローニャ・優秀賞)受賞作にも関わらず、全集のなかのひとつであったがために、韓国の本なのに、韓国の人たちは単行本で購入することはできないのである。
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 そんななか、画期的?^^な「全集?」が登場した。ピリョンソの「ブッククラブ ビーバー」である。今月、ソウルで行われた「ソウル国際図書展」でもかなりの注目を浴びた。
 ピリョンソは自分の出版社でだした単行本を、全集のような値段で、毎月、セット販売するというので、だ。

 10月号は、世界で活躍するスージー・リーの『動物園』も、「ブッククラブ ビーバー」のなかのひとつに入った。同じ10月号のちがう年代のセットには、ぼくの『アキアカネ 高く高く』も入った^^

 しかし……。
本のつくりは、本来の単行本とは少しちがうようだ。表紙もソフトカバーになっている。
 さて、購入者の反応はどうか? 今後が気になる。
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by kimfang | 2015-10-30 20:57 | トピックス