韓国絵本紹介コラム33回目です。
韓国が育てた世界的画家 今年は韓国の絵本界にとって特別な年だったと思う。ボローニャ図書展において、韓国絵本が「ラガッツイ賞」5文門すべてで「優秀賞」を受賞するという快挙を成し遂げたからだ。 韓国絵本がボローニャではじめて賞を取ったのは2004年のこと。この受賞を機に、次つぎと国際的な賞を受賞してきた。しかし全部門で受賞したというニュースには正直ぼくも、「ついにここまできたか!」という感慨深いものがあった。 「優秀賞で満足していてはいけない。『大賞』をとらなくては!」と思っている方もいるだろう。実はすでに11年と13年に大賞を2度も受賞している。しかも、同じ画家が。 この画家は韓国ではよく「イボナ」と呼ばれている。「イ・ボナ」という韓国人のように聞こえるが、本名はイヴォナ・フミエレフスカ。ポーランドの画家だ。イヴォナは大賞を受賞したときの記者会見で、「韓国は作家としての私の人生がはじまった場所」と答えている。 ではどうしてポーランドの画家が、韓国で絵本をだすようになったのか? イヴォナの人生に転機が訪れたのは03年。自ら絵の束を胸に抱えてボローニャ図書展に乗り込んだ彼女は、企画者のイ・ジウォンと運命的な出会いをはたす。ポーランド語を学び留学経験もあったイはイヴォナの絵にほれこみ、ポーランででた絵本すべてを韓国でだそうと心に決めたのだ。 翌04年、最初の翻訳本が韓国でたとき、イヴォナは生まれて初めて韓国を訪問した。彼女が街のあちらこちらにあふれているハングルに興味を持ったことを知った相棒のイ・ジウォンは、写真のようにハングルの形をモチーフにした絵本、『考える ㄱㄴㄷ』(日本語版未刊)を企画した。 この絵本で大成功したイヴォナは、その後はポーランドでだした絵本の翻訳ではなく、韓国で企画された絵本を担当するようになっていく。そして07年『考える』の姉妹作である『考える ABC』(日本語版未刊)で、ブラティスラヴァ世界絵本原点(BIB)で「金のリンゴ賞」に。 11年に『こころの家』で「ボローニャ・ラガッツィ賞の大賞」を受賞し、何と13年にも『目』(日本語版未刊)でまた、大賞を受賞したのだ。 つまりイヴォナ・フミエレフスカは、韓国の出版界が発掘し育てた世界的な絵本画家なのである。 さて、今回紹介する『こころの家』(原題 마음의 집 )の内容だ。目には見えないけれど、だれにでも、こころはある。きみにも、ぼくにも。でも、こころってなんだろう。こころを家にたとえて語る詩的な文と、イマジネーション豊かなイヴォナの絵がよくマッチした絵本だ。 記事全文は、ここから読めます。
by kimfang
| 2015-12-14 19:41
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