動物児童文学作家のキム・ファンです!!
15/12/28 絵本でパンソリをきく
韓国絵本紹介コラム34回目です。
絵本でパンソリをきく
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 今年はいい年だったかな? ぼくは自分の夢がひとつ実現した、いい年だった。
 今から10年前の2005年の9月。兵庫県豊岡市でコウノトリの放鳥式典があり、韓国の研究者の通訳として歴史的な瞬間に立ち会った。大空に帰っていったコウノトリを見ながら、いつか祖国の大空を舞うコウノトリを見たい! と思った。
 そして10年の月日が流れた今年の9月。今度は、忠清南道禮山郡で行われた放鳥式典に招かれた日本の方たちの通訳として参加することができた。

 ところで、その放鳥式典に先立つ記念公演で、もうひとつ貴重な体験をすることとなった。何と、生でパンソリを見るという幸運に恵まれたのだ。
 パンソリは韓国の伝統的な民俗芸能で、03年にユネスコの無形文化遺産に登録された。パンソリをテレビや映画で見たことがあったが、目の前で演じられるパンソリを見たのは生まれてはじめてで、とても興奮した。
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 通訳の仕事だ。パンソリのことをすぐに解説しなくてはいけない。が、シン・ヨンヒ名唱の熱演に魅了されてしまい、仕事を忘れて聞き入ってしまった。
 このとき、演じられたのは「興夫歌(フンブガ)」の一節。これは「フンブとノルブ」という、ツバメが登場する兄弟愛を描いた韓国のむかし話だ。
 シン名唱が「アニリ(語り)」の部分で、
 「おいおい、どうしてツバメなのじゃ? 今日はコウノトリのお祝いをする、めでたい席ではないか!」
 というと、参加者たちはどっと笑った。

 18世紀ごろに原型ができたと考えられているパンソリは、かつては12作品ほどがあった。しかし今日に完全な形で残っているのは、先の「興夫歌」のほかに、親孝行を描いた「沈清歌(シムチョンガ)」、男女の愛を描いた「春香歌(チュニャンガ)」、三国志の名場面である「赤壁歌(チョクピョクカ)」と、「ウサギとカメ」という韓国のむかし話である「水宮歌(スグンガ)」の5曲だけだ。
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 さて、今回紹介する絵本は、その5曲のなかのひとつである 『水宮歌』(原題 수궁가)。
 むかし海に住む竜王が病気になってなげいていたところ、天から神仙がおりてきて「ウサギの肝を食すればよくなるだろう」と教える。竜王はカメにウサギを連れてこいと命じ、言葉巧みなカメにだまされたウサギは、竜宮へやってきたとたんに捕らえられてしまう。
 ところがウサギは「肝は木にぶらさげてきて、腹にはない」と答え、悠々とカメの背中に乗って地上にもどるのである。

 この絵本には、小学6年生の男の子が唱者を務めたCDがついている。大人向けの絵本だ。

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by kimfang | 2015-12-28 10:32 | 連載