韓国絵本紹介コラム35回目です。
泣く子も黙るこわい干し柿 韓国の人たちが好んで食べる果物の代表格といえば、柿。もちろん干し柿も、お正月や秋夕などの名節やチェサには欠かせない。 干し柿といえばやはりこのお話だ。むかし話絵本 『とらとほしがき』を紹介しよう。 むかしむかし、山奥に大きなトラが住んでいた。ある日、昼寝から覚めたトラは山をおりていく。山のふもとに着いたときには、もうすっかり真っ暗。ウシ小屋のある小さな家を見つけた。 「ようし、あのウシを食ってやろう」 トラがウシに近づくと、部屋ではお母さんが、泣いている赤ん坊をあやしていた。 「泣くのはおよし。坊やの泣き声を聞いて、オオカミがくるわよ」 でも、赤ん坊は泣きやまない。トラは赤ん坊がオオカミをこわがっていないと思った。 お母さんは、また、いう。 「泣くのはおよし。坊やの泣き声を聞いて、クマがくるわよ」 でも、赤ん坊は泣きやまない。トラは赤ん坊がクマもこわがっていないと思った。 お母さんは、また、いった。 「泣くのはおよし。坊やの泣き声を聞いて、トラがくるわよ」 でも、赤ん坊は泣きやまない。トラは「わしが少しもこわくないようだ」とがっかり。 そのときお母さんが、赤ん坊に何かをあげた。 「泣くのはおよし。さあ、干し柿よ」 赤ん坊が泣きやんだのをみて、トラは考えた。 「いったい、干し柿とはどんなヤツなのか。あの赤ん坊が泣きやんだということは、わしより強くておそろしいヤツにちがいない」 トラは干し柿がくる前に山に帰ろうとする。ちょうどそのとき、ウシを盗もうと泥棒がしのびこんできた。泥棒はトラをウシとかんちがいして、さっと背中に飛び乗る。 「干し柿が、わしを食おうとしている!」 トラは必死に逃げた。うしろをふり返ることもなく走り続け、二度と村へはおりてこなかったというお話だ。 この絵本をつくったパク・ジェヒョンは、大学のフランス文学科を卒業したあとカナダに渡り、このお話でデビューした。 実はこの絵本は、原題が「THE TIGER AND DRIED PERSHIMMON」というカナダで出版された絵本なのだ。 干し柿といえば、このむかし話のほかに、もうひとつ頭に浮かぶものがある。そう。干し柿の入った、生姜とシナモンがスパイシーな韓国の伝統茶、「スジョングァガ(水正果)」! スジョンガは、暑いときに冷やして飲むものという印象があるが、実はお正月にもよく飲まれるものだ。 新年のあいさつに訪れた人のためにたくさん用意しふるまわれる、おもてなしのお茶なのである。 記事全文は、ここから読めます。
by kimfang
| 2016-01-03 09:50
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