買わなきゃあたらないよ!
これは宝くじ販売の殺し文句。そう、くじを買わなきゃ当たらないし、コンテストだって応募しなくちゃ賞はとれない。 先週の訪韓中、いくつかの出版社数社と打ち合わせをした。2015年の「韓国出版文化賞」に選定された『ひとがつくった動物の道』をだしたノンジャン出版社からは、とてもうれしい報告を受けた。 何と、『ひとがつくった動物の道』が、この春に開催される「ボローニャ国際児童図書展」に出品されることが決まったというのだ。 ボローニャは世界最大の児童書の国際見本市。ぼくは自分の書いた本が、いつかボローニャで展示されることを長年夢見てきたが、その夢がようやくかなうのだ。 誤解がないように捕捉する。 ボローニャに出品されるのに「国内予選」みたいなものはない。申請さえすれば、どこの国の、どこの出版社でもブースがだせるのだが、ボローニャの「ラガッツイ賞」は、ボローニャに参加した出版社の申請した本でないと受賞対象とはならない。 こんなへぼ作家のぼくでも、日韓ですでに12冊の絵本をだしている。しかしボローニャに出品された絵本はいままでにひとつもなかった。 理由は簡単だ。ボローニャは国際見本市。海外への版権輸出を目指す作品でないとダメなのである。 ところで、ぼくの『ひとがつくった動物の道』がボローニャにいくようになったいきさつを、ノンジャン出版社の編集者はつぎのように語ってくれた。 昨年末に、韓国のある大手出版社が、ボローニャで2度も大賞を受賞しているポーランド人の世界的な絵本画家、イヴォナ・フミエレフスカ(写真)を韓国に呼んで講演会を開催した(イヴォナは、韓国でだした本で国際的な賞を受賞している)。ノンジャン出版社は、イヴォナが韓国デビューを果たした出版社であり、彼女の※出世作もそこからでた。義理堅い彼女は出版社にあいさつにきたという。 そこでぼくの絵本を見たイヴォナが、 「ロードキルというような重いテーマで絵本がつくれるんだ!」 と絶賛し、ぼくの本をポーランドの仲間に見せたいと持ち帰ったというのだ。 ノンジャン出版社は韓国の老舗児童書専門出版社だが、大手ではない。毎年、ボローニャにブースをだせる出版社ではないのだ。 この、イヴォナのエピソードもあり、今年のブース出店を決断したという。 応募しなきゃ賞はとれない! ラガッツイ賞の出場切符だけは手に入れた^^ 〈おまけ〉 イヴォナのとなりに座った女の子が持っているのが、イヴォナの出世作※『考えるㄱㄴㄷ』(イヴォナのすぐとなりで正面を向いている女の子が持っている本)。ハングルをモチーフした絵本で、韓国の教科書にも採用されている。 イヴォナを発掘し、育てあげたのが、企画者イ・ジウォン。彼女の妹イ・スンウォンはぼくの『すばこ』という絵本の絵を担当。4月に日本語訳が、ほるぷ出版からでる。
by kimfang
| 2016-01-26 19:38
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