絵本・ちきゅうのともだちシリーズ
沖縄の海でくりひろげられる
心やさしいヤンじいさんと、
ジュゴンのザンのお話
キム・ファン 文 / あらた ひとむ 絵
素人(そじん)社
2001年7月発売 1500円(税別)
ストーリー
ザンは沖縄に住むジュゴン。ある日、船でやって来た人たちが、沖縄の海に「しま」を作りました。「しま」はジュゴンを捕まえるワナ。そうとは知らず近づいたザンは捕らえられてしまいました。ジュゴンの肉を食べれば八百年も生きられる。お金持ちは大金を積んでジュゴンの肉を手に入れようとしていたのです。あやうく殺されそうになったザンを、やんばるの森に住む、やんじいさんが助けてくれました。
数日後、沖縄に津波が来ることを知ったザンは、かあさんジュゴンが止めるのも聞かず、やんじいさんにしらせに向かいます。ところが……
「あとがき」
この物語は、沖縄に伝わる民話を元に書きました。
だれもが知っている「ツルの恩返し」のように、沖縄に伝わるこの民話も、より多くの人に知って欲しかったのです。
それは今、沖縄に住むジュゴンが悲しみのなみだにくれているからです。
海の汚染。基地の建設。網による事故死。
ザンの前に現われた「しま」がまた、沖縄の海に現われようとしています。
「悲しなみだ」にくれている沖縄のジュゴンたちのなみだが、「うれしなみだ」にかわるよう、多くの人がやんじいさんになってくださることを願っています。
この絵本を書くため、資料収集に奔走してくださった山川義保、吉崎恵美子さん、つたない文章にあたたかい助言をくださった梓加依さん、すてきな絵をつけてくださった、あらたひとむさんにお礼を申し上げます。
巻末の言葉
宮城康博氏より、とってもわかりやすい言葉をいただきました。ありがとうございます。 (
宮城康博 なごなぐ雑記)