動物児童文学作家のキム・ファンです!!
2008/7/17 コウノトリが選定図書に選ばれました!
 昨年4月に韓国で出した『황새』(コウノトリ・ウリ教育社)が、国立オリニ青少年図書館主催の読書感想文コンクールの選定図書になりました。※オリニ=子ども 「第2回 全国オリニ青少年読書新聞・感想文コンクール」には、1 性、愛、友達の部門(30作)と、2 地球と環境の部門(25作)があります。 2 地球と環境の部門の小学生向け9作のうちのひとつに選ばれました。
 この本は、ぼくが韓国で出した初めての本。しかも『サクラ』のように日本で出した本の翻訳本ではなく、韓国の出版社が企画した本でした。
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 思えばこんなに苦労した本もありません。
 2000年11月に初めて豊岡にコウノトリの取材に行き、原稿は2004年末に書き上げていました。依頼を受けてからは何日も徹夜をして、わずか4か月で書き上げたのは、何とか2005年9月の放鳥式典までに間に合わせたかったからです。
 一度絶滅したコウノトリを40年かけて増やして、自然に帰す豊岡の挑戦を韓国に伝えたい。本を読んだ子どもたちが、放鳥を伝えるニュースを見たときに、それを身近に感じられるように頑張ったつもりでした。
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 ところが、2005年2月の「竹島の日」制定で日韓関係が悪化。8月の小泉首相の靖国神社参拝で泥沼化。日韓の交流事業は軒並み中止となりました。 放鳥式典には韓国からも市民が大勢参加する予定でしたが、コウノトリを研究する大学教授ひとりだけが参加するという悲しいものでした。(その通訳をぼくが務めた。)
 案の定、『황새』(コウノトリ)は、「日本と仲良くなんかできない」という批判を恐れて何度も出版が延期されたのでした。

 日韓関係改善の兆しが見えた2007年4月、ようやく出版に至りました。最初の取材から実に7年もかかったことになります。
 出版後には、韓国刊行物倫理委員会から「今月の本」、韓国文化体育観光部から「2007年の推薦図書」という高い評価をいただいたのに、正直、売上的にはパッとしませんでした。
 本には、ぼくがどうして生きものとの「共生」を書く児童文学作家になったのか。「在日」として生きてきた自らの半生も描きました。けれどもやはり、日本の先進的な取り組みを紹介するのはタブーだったのか…? と落ち込んでいました。

 なのに急に、売上が飛躍的に伸びはじめています。どうしてか?その理由をいくつか考えてみました。
 ひとつは豊岡の挑戦を多くの韓国人が知るようになり、豊岡を訪れる韓国の人が増えたことです。(ちょっとはぼくの本が寄与したか?)
2008.6.12 読売新聞の記事  
2008.4.21 読売新聞の記事

 さらには、今年の10月末に、韓国で初めての国際環境会議となる、「第10回 ラムサール条約締約国会議」が、慶尚南道 昌寧群 牛浦(우포 ウポ)沼で開催されることで関心が高まったこと。(新聞社の通訳としてぼくも参加します。)
 実は、8月末の胡錦濤主席の韓国訪問時に、韓中友好のシンボルとして朱鷺(따오기)の寄贈が決まりました。牛浦に飼育施設を設けて育て、野生復帰を目指すといいます。
そのようなことから、コウノトリを自然に帰した日本の経験を伝えたぼくの本が注目を浴びることになったと考えています。

 もちろん、今回の選定が大きかったのはいうまでもありません。
 日本の翻訳本で選ばれたものには、2 地球と環境の部門に 画像左・『水俣の赤い海』(原田正純)、1 性、愛、友達の部門に 画像中・『非・バランス』(魚住直子)、 画像右・『日本語題名不詳』(灰谷健次郎)、『からす たろう』(八島太郎)などがありました。
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 なのに…またまた悪夢の再来か。「独島・竹島問題」が再燃しています。
 ようやく韓国の人たちに注目されだした『コウノトリ』は、またもや「鳴かず飛ばず」となるのだろうか?
 日本のことを描いた本を韓国の子どもたちが「純粋な気持」で選んでくれるのだろうか?

 選定図書に選ばたものの、影響はかなりあると思います。

  けれども、「環境問題」という日韓共通の「宿題」は、それを乗り越えて共にやっていかなくてはいけない! 
  そんな感想文が現れてくれると信じています。


  ちょうど一年前の7月、国立オリニ青少年図書館でコウノトリの講演をしました。この本には「組立コウノトリ」がついています。参加者と一緒に作りました。
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by kimfang | 2008-07-23 15:25 | トピックス