動物児童文学作家のキム・ファンです!!
カテゴリ:出版物( 64 )

11/7/7 あこがれの平積み
 いつものことだが、韓国にいくと出版社のはしご。
 進行中の本の打ち合わせと、新しい企画のために3,4社を回る。
 ある出版社と、打ち合わせをしているときだ。
突然、携帯にメール受信の音。
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「たいへん、『シマリス』が平積みになってるよ!」
一緒に韓国にきていた家人からのメールが。
  家人は娘から頼まれた「少女時代」のDVDを買うために教保文庫にいっていた。ご存じ、教保文庫は韓国最大の書店だ。

 家人は韓国に行くたびに、ぼくの本の売れ行きもチェックする。
しかしいつも、「店員に聞かないとわからないころに置いてあったわ」と厳しい。
 「科学読みもものとかは、真中でなく、はしっこの方にあるものなの!」
 いつもそういって言い訳してきたのに…
 何と! あこがれの平積みだと?! 

いったい、どんな様子なんだろう?
「写真を撮っておいて!」と返信したが、落ち着かない。
 やっぱ、自分の目で確認したい。
 打ち合わせが終わるやいなや、地下鉄に乗って光化門へ。

 どこにあるのか? 
 おおっ! 
広い児童書コーナーのど真ん中のワゴンに、『シマリス』がいた。やった!
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07年、韓国版『サクラ』が発売されたときに、地方の書店で平積みになっていたのを見たことがあるが、教保文庫のそれは格がちがう。
 ひと目もはばからず、自分の携帯で写真をパチリ。

次の日、版元の編集長と会う用事があったのでその写真を見せた。
「なかなか平積みにはしてくれませんよ。いや~うれしいですね。それに『シマリス』が一番減ってませんか? こんなになくなっている」
 みんな、えこひいき。自分たちの創った本が一番かわいい。

みんなで創った本―。
みんなでよろこぼう!

大手インターネット書店が、夏休みのイベント本に選んでくれた。ありがたい。

インターネット教保文庫 「夏休み 本と贈りもののパーティー」

インターパーク「7月 逃してはいけない新刊」と「2億ウォン差し上げます」。さらには「ウリ教育ブランド選」。
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by kimfang | 2011-07-13 15:02 | 出版物
11/6/25 シマリス、新聞で紹介される
 いつものことだが、本がでると土曜日がこわい^^
 韓国では毎週、土曜日の新聞に書評が載る。
 まずはそこで取り上げてもらえるかどうか? そこがヒットへのひとつのハードル。
 それでも、これまで韓国でだした9冊うち、全集にはいった1冊と、絵本『トキ』以外はみな、載せてもらってきた。
 掲載率87.5%! (なかなかの高打率でしょ)
 
 さてさて、先週でた10冊目の『シマリス』はどうなのか?
 おそるおそるパソコンを開く。
 あった。ふぅ~
 「世界日報」が小さいながら載せてくれた。  掲載率も88.88...%にあがった。
 
 韓国がありがたいのは、科学読み物も、ちゃんと児童文学として扱ってくれること。
 むずかしい科学知識をわかりやすく子どもに伝えられるなんて、すごい!
 と、創作童話よりも、むしろ高く評価してくれる。

 日本では、科学読み物や学習読み物は児童文学として扱われない。(なんで? 勉強モノだから? 日本の科学読み物は世界一の水準だとぼくは勝手に思っている…すごいのにちゃんと評価しないって、ちょっとおかしいなぁ)

 そもそも児童文学自体、日本では新聞の書評では取り扱われない。
 取り上げられても「家庭らん」―。
 子どもの本を見下している? そんなことはないと思うが…

 教育が、大きな社会問題になっている昨今、
 新聞も子どもが読めるようにがんばって工夫している昨今、今こそ、書評を大人の本と「同列」に扱うべきでは。
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by kimfang | 2011-06-25 14:05 | 出版物
11/6/15 シマリス、発売される!
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 科学読み物、『シマリス』が発売された。シマリスは、韓国でもっとも身近で、もっとも愛されている野生動物だ。
 
 なのに、みんな、どれだけちゃんとシマリスのことを知っているのかなぁ?
 そんな問いかけをする、野心作だ。
 
 サブタイトルは、「私たちがしらない、本当のシマリス」―。
 
 例えば、シマリスはドングリだけを食べると思っている。
 冬眠前の秋にはドングリを食べるけれど、ドングリがないときには虫を食べたり、鳥の卵やひな、カエルまでも食べたりする雑食性だ。f0004331_22394710.jpg
 
 天敵のヘビにやられっぱなしのヨワムシでもない!
 弱ってるヘビなら噛みつくし、噛みくだいたものを身体じゅうに塗ってしまう。
 これでヘビに出会っても大丈夫。ヘビの臭いでカムフラージャ。もうヘビからは攻撃されない。
 可愛いふりして、なかなかしたたかなヤツだ。

 そもそもシマリスの名前にも問題がある。
 韓国語でシマリスは「다람쥐」。古い韓国語で「달리는 쥐」。つまりは「走る ネズミ」という意味。確かに地面を走っているけど、本当はそうじゃない。
 顎の筋肉の付き具合から、ネズミよりも先に世の中にうまれたことがわかっている。
 大先輩に、新参者のネズミを基準に名づけるなんて、何と、失礼な!
 それに、地上ばかりを走ってはいない。樹の上で寝たり、キツツキの巣を使ったりと、樹の上でも生活するもの。地上を走ってばかりじゃないや。
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 こんな風に、今まで知られていない彼らの生態をたのしく学ぶ本だ。
 かわいい絵もいいし、使われる写真もなかなか衝撃的だ。

 しかし、ここまでくるのに、本当にたいへんだったなぁ。
 生きものにまったく関心がない企画委員を何とか説得し、ようやく社長の前でプレゼンが実現。
 企画が通ったというのに、社長交代劇があり、原稿は宙ぶらりんに。

 もう、原稿を引き上げようか、と悩んだけれど、まだ、無名の頃に韓国ではじめての本をだしてくれた恩ある出版社だ。
 韓国の児童書界をリードしていたころの輝きを取り戻してくれると信じて、待った。
 まったかいあって、会社は新社長のもとで再スタート。

 ところが本格的に編集がはじまったというのに…今度は担当編集者が退職してしまって、またまた、受難…。

 はぁ~待たされたなぁ~
 記念すべき韓国で10冊目の本は、忘れられない一冊になりそうだ^^
 
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by kimfang | 2011-06-17 22:41 | 出版物
11/4/9 オオカミ、新聞で紹介される
 新刊をだすと、土曜日はドキドキする。
 紹介記事を書いてもらえるだろうか…と。

 ハンギョレ新聞が紹介してくれた。 大手だ。よかった。
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by kimfang | 2011-04-10 11:37 | 出版物
11/2/14 チョウセンオオカミ、もうすぐ
 書き上げて3年にもなる原稿が、ようやく本になろうとしている。
 1986年に北朝鮮から京都市動物園にやってきたチョウセンオオカミの家族の物語だ。2002年に最後の1頭、ウルップが死んで、もう日本にチョウセンオオカミはいない。

f0004331_18274218.jpg 2007年に、この動物園の人気スター、ハート模様を持つアミメキリン「未来」の物語を書くために取材中、飼育員から韓国のテレビ局が2002年に北朝鮮からきたチョウセンオオカミを取材した事実を知った。

 なぜ、韓国のテレビ局が北朝鮮からきたオオカミを取材したのだろうか? 
 調べると調べるほど、思いもよらない事実がわかってきた。
 
 まずは韓国の動物園とオオカミたちの辛い生い立ちから話さなければいけないだろう。
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 1960年代の韓国が、世界でももっとも貧しい国のひとつだったことは、ここでも何度も話している。
 貧しい国では、動物園の動物を充実させるのは非常にむずかしい。動物を買ってくるお金がないのだからしょうがない。

 ならば交換するしかないのだが、交換できるような動物もいなかった。
 そんなおり、1964―1967年に慶尚北道栄洲で捕まえた5頭のオオカミから生れた子どもたちは、貧しい国の動物園を豊かにしていった―。
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 日韓国交正常化もまだなっていない63年、戦後、はじめて韓国から日本に送られたのはチョウセンオオカミだ。

 このときは船が遭難して届かなかったが、68年に再度、大阪市天王寺動物園に1頭が送られるのをきっかけに、70年に山口県の徳山動物園に2頭、71年に静岡県の浜松市動物園に2頭、73年に大阪市天王寺動物園に1頭、74年に有竹鳥獣店に4頭が来日。

 これら10頭が、ペンギンをはじめとする動物たちと交換されて韓国へと渡っていったのだ。
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 しかし1996年、ソウル大公園で最後の1頭が死に、97年に捕獲された個体があったが残念なことに死に、韓国ではチョウセンオオカミが絶滅した。
 もしかして、日本で生き残っていないか…
子どもを産んでいないか…                 はく製になったウルップ→
 次第に日本へ送られた10頭のことが話題になっていったのである。

 2002年、韓国MBCテレビが、日本に送られたオオカミを探しにやってきたが、もうどこにも死んでいない。
 ところが、京都にはまだ1頭いるという情報を得る。そこにいたのは、韓国からのオオカミでなく、北朝鮮から来たオオカミだった。
 司会者のタレントと博士は、
「朝鮮半島のオオカミが日本にいるというのに、どうして韓国にいないんだ……」
 といって涙を流して、大きな反響を呼んだ。
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 しかしこの放送が流れる直前に、ウルップは死んでしまう。
 韓国の人たちは、もう天国にいってしまったウルップの姿を見たのである。
 
 その3年後の2005年に、ようやく北朝鮮から韓国へオオカミがやってきた。

 京都市動物園のチョウセンオオカミは、はじめてきたときから最後の1頭であるウルップが死ぬまでの16年間、ぼくはオオカミ家族を見守ってきた。
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 何とか、彼らの物語を残さないと! 
 原稿は2008年に書き上げた。
 しかしその後、南北関係は急激に冷えこんでいく。昨年は、「砲撃事件」などで、南北関係は最悪の状態だ。
 だから、もう、でないのかなぁと心配していたが、が、何と、今、だすとしいうではないか!

 戦争は最大の環境破壊。                   ソウルにきた北のオオカミ→
 平和的に統一へと向かってほしい。
 南北和解のためにも、一番、いいタイミングでてるものと信じたい。

 3月20日、発売予定です^^

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  どんな表紙になるのやら。
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by kimfang | 2011-02-14 18:36 | 出版物
11/2/3 進化した?
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 恐竜の絵本ができた。
「どうぞみなさん、韓国いったら書店にてお求めください!」
 と、いいたいところだが、この本は書店では買えない。
 才能教育の「幼児用専門読書プログラム―クッキーブック」に登録しないと配布されないのだ。

 クッキーブックは昨年2月のスタート以来、5万人(11月の時点で)を超える会員登録を記録した超人気プログラムだ。
 日本のみなさんには理解しにくいと思うが、韓国では児童書のおおよそ半分が書店に並ぶ「単行本」。残りの半分がこのような形態、もしくは「全集」と呼ばれるセットだ。
 これらは書店でなく訪問販売やインターネット注文という形で家庭に届く。

 つまり、韓国で本をだすということは、書店に並ばない本とも戦わなくてはいけないのだ。
 ふぅーっ。
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 当初ぼくは、書店に並ばない本に批判的だった。
 しかし実際に韓国で本をだしてみて考えが変わった。
 韓国では、本は値下げ自由の市場原理で動く商品だ。
(日本では小売りが価格を変えられない―再販制度)
 だからそれを追求するあまり、商業的に成功する本ばかりが優先的に作られていく。

 その点、「クッキーブック」のような形態となれば、例え子どもたちに人気がない内容でも、彼らにとって必要ならば本を作ってセットの中に入れられる。
 そのような本は日本では主に「図書館用」として作られることが多いが、韓国ではそれが「家庭用」に作られているということ。
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 さてさて、問題はモデルになった恐竜博士。
 才能教育を訪れたときに、『ペンギン』の本をプレゼントした。
 ご覧のように、ぼくがペンギンの話を展開していくスタイルだ。
 これが制作チームに大受けしていた。
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 もしかして…

「参考にしていいか?」て聞いてきたから、
 確かに、「どうぞどうぞ、大いにやって」といってしまった…… 

 まるでスーパーサイヤ人みたいに進化してるぅぅぅ^^
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by kimfang | 2011-02-10 23:12 | 出版物
07/8/10 韓国語版『サクラ』が発売
f0004331_13231657.jpg 2007年8月10日 韓国語版『サクラ』が、チャンピ(創作と批評社)から発売されました。

 韓国語版のタイトルは「ゾウのサクラ」。
 サブタイトルも少しかえて、「日本からやって来たソウル大公園の人気者、サクラの話」にしました。
 現に、サクラが韓国で暮らしていることもあり、発売されてすぐに、朝鮮日報、東亜日報、韓国日報などの全国紙や連合ニュースで大きく取り上げていただきました。

 朝鮮日報の記事の日本語訳
http://japanese.joins.com/forum/board/view.php?no=99279&page=3
 朝鮮日報の記事(ハングル)
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=13&articleid=2007081023055335834&newssetid=85
 東亜日報の記事(ハングル)
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=12&articleid=2007081103025441810&newssetid=82
 韓国日報の記事
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&articleid=2007081018431571007&newssetid=1352
 連合ニュース(ハングル)
http://www.yonhapnews.co.kr/culture/2007/08/07/0901000000AKR20070807164900005.HTML
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by kimfang | 2007-09-08 12:46 | 出版物
07/4 韓国で『コウノトリ』を出版しました
 4月上旬、韓国で『コウノトリ』を出版しました。

f0004331_3212423.jpg 母国での出版は長年の夢。執筆から3年もかかりましたが、多くの友人の奮闘によりようやく出版することができました。
 この本は、ウリ教育社の大型企画 -自然と共に生きる話シリーズ-の栄えある第1号として出ました。
 そしてなんと、韓国刊行物倫理委員会が選ぶ「6月の本」に選定されたのです!
 韓国には課題図書というようなものはなく、韓国刊行物倫理委員会が選ぶ「今月の推薦本」が全国の書店に並び、図書館が購入するといいます。

 各メディアもたくさん紹介記事を出しました。そのなかの一部です。
少年韓国日報 「6月の本にコウノトリ」 ハングル
オーマイニュース「在日同胞3世が書いた韓日コウノトリ野生復帰ドラマ」 ハングル

 日本のコウノトリ野生復帰への取り組みを、より多くの韓国の子どもたちに紹介できることでしょう。
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by kimfang | 2007-06-12 03:19 | 出版物
07/3 『サクラ-日本から韓国へと渡ったゾウたちの物語-』 発売!
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お待たせしました。
 『サクラ-日本から韓国へと渡ったゾウたちの物語-』が発売されました。

 全国の書店にて御購入ください。
 学研のホームページからも購入できます。

 【関連記事】
 第1回子どものための感動ノンフィクション大賞 最優秀作品賞を受賞しました!



 【リンク】 林 あゆ美 さんがサクラの紹介記事を書いてくださいました。
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by kimfang | 2007-03-24 19:26 | 出版物
絵本『くちばしのおれたコウノトリ』
f0004331_1146082.gif絵本・ちきゅうのともだちシリーズ

今度はノンフィクション(実話)!
絶滅したコウノトリを 再び大空へ
そんな熱い想いを絵本にしました!

キム・ファン 文 / あらた ひとむ 絵
素人(そじん)社
2003年11月発売 1500円(税別)

ストーリー
 1970年12月。
 福井県武生(たけふ)に一羽のトリがまいおりると、町は大さわぎになりました。
 それもそのはず、そのトリは日本に二羽しか残っていない特別天然記念物―コウノトリだったからです。
f0004331_11474262.gif ところが、大さわぎの原因は、それだけではありませんでした。
まいおりたコウノトリのくちばしが、約八センチもおれていたからです。
 町は白山(しらやま)小学校のせいとに、コウノトリを見守るようたのみました。
せいとたちはコウノトリを「コウちゃん」と名づけ、エサ場を作ったりフナを集めたりして見守りました。
 けれども、コウちゃんは日に日にやつれていきました。・・・・・・

「あとがき」より
f0004331_11501081.jpg 20世紀、人類は126種で145の野生復帰計画をおこないました。しかし、成功と呼べるものは、15種の16計画だけです。コウノトリの野生復帰計画も、まだ、成功してはいません。それほど自然は繊細で壊れやすく、一度失うと、容易には元に戻らないのです。けれども、コウノトリは、どんなに時間がかかっても、人間の手で自然に帰してやらねばなりません。なぜなら、彼らはわれわれの身代わりになって自然の大切さを教えてくれたのですから。
f0004331_115148.jpg  この物語を書くにあたって、こころよく取材に協力してくださった、松島興治郎飼育長、佐藤稔主任飼育員、佐竹節夫「コウノトリ文化館」館長、つたない文章にあたたかい助言をくださった梓加依先生(京都学園大学)、そしてすてきな絵をつけてくださった、あらたひとむさんにお礼を申し上げます。
 動物児童文学作家 キム・ファン)

豊岡市立コウノトリ文化館・コウノピア
館長 佐竹節夫さんのメッセージ

f0004331_11532351.jpg みなさん、こんにちは。私たちは、兵庫県の日本海側にある豊岡市で、コウノトリをもう一度自然の中に帰し、大空で自由に羽ばたかせてやる事業に取り組んでいる者です。
 先ほど、金先生からお話しがあったように、コウノトリは30年も前に日本の空から姿を消してしまいました。今では、たまに日本のどこかに大陸から渡ってくるだけです。それも冬の間だけで、大体が仲間とはぐれた1羽だけです。なぜ、コウノトリは日本からいなくなってしまったのでしょう。なぜ、大陸からたくさんのコウノトリが日本に来て、定着してくれないのでしょう。
 コウノトリが家の屋根に巣をかけている写真を見たことがありますか。そう、コウノトリは人間が暮らしているところが好きなのです。言い方を変えれば、コウノトリは、もともと人間と一緒に暮らさなければ生きていけない鳥なのです。それをかつての人々は、人間に都合のいいことだけを考えて、コウノトリのことは考えませんでした。だから、コウノトリは居場所がなくなり、追い出されて、とうとう滅んでしまったのです。そしてこれは、昔の話しだけではありません。今でも日本にはコウノトリを快く迎えてくれる場所がないので、やっぱり定着できずにすぐ大陸に帰ってしまいます。
 最近になって人々は、コウノトリが暮らせないような環境は、自分たち人間にとってもいい環境ではないことが分かってきました。公害問題が起こったり、自然が少なくなって災害が起こったりするからです。そこで、自然保護や動物のことを考え、守っていく人々が増えています。金先生は、特に熱心な方だと思います。
 豊岡市では、36年前からコウノトリを人工飼育しており、今では71羽にまで増えてきました。今年も赤ちゃんが生まれそうです。たくさんの数になったので、かつてコウノトリが暮らしていた同じ場所に放してやる計画をしています。また過去と同じように人間が追い出したら、今度こそコウノトリは全滅してしまいます。そして日本全体が人間も住みづらい国になってしまうでしょう。だから、コウノトリが帰ってきても安心して暮らせるように、一生懸命に環境づくりに取り組んでいるところです。だけども、それには長い年月がかかります。大人の人だけではとても時間が足りませんので、次の世代の人にバトンタッチしていかなければなりません。
f0004331_11573275.jpg そうです。
 みなさんの手にかかっているのです。今日の金先生の話しを思い出して、みなさんの近くにいる動物、たとえば小鳥やカエルに興味がでてきたら私たちもうれしいです。
 できたら彼ら、生きものの様子を観察してください。きっといろんな発見ができると思います。同じように、友達のことも外国の人のことも少しよく見ると、今までと違った面が分かるかもしれません。私たちはそれを、「共生」への第1歩と考えています。
 もし機会があれば、コウノトリ文化館にお越しください。コウノトリと一緒に歓迎します。
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by kimfang | 2003-11-17 11:25 | 出版物