動物児童文学作家のキム・ファンです!!
カテゴリ:出版物( 59 )

11/2/3 進化した?
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 恐竜の絵本ができた。
「どうぞみなさん、韓国いったら書店にてお求めください!」
 と、いいたいところだが、この本は書店では買えない。
 才能教育の「幼児用専門読書プログラム―クッキーブック」に登録しないと配布されないのだ。

 クッキーブックは昨年2月のスタート以来、5万人(11月の時点で)を超える会員登録を記録した超人気プログラムだ。
 日本のみなさんには理解しにくいと思うが、韓国では児童書のおおよそ半分が書店に並ぶ「単行本」。残りの半分がこのような形態、もしくは「全集」と呼ばれるセットだ。
 これらは書店でなく訪問販売やインターネット注文という形で家庭に届く。

 つまり、韓国で本をだすということは、書店に並ばない本とも戦わなくてはいけないのだ。
 ふぅーっ。
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 当初ぼくは、書店に並ばない本に批判的だった。
 しかし実際に韓国で本をだしてみて考えが変わった。
 韓国では、本は値下げ自由の市場原理で動く商品だ。
(日本では小売りが価格を変えられない―再販制度)
 だからそれを追求するあまり、商業的に成功する本ばかりが優先的に作られていく。

 その点、「クッキーブック」のような形態となれば、例え子どもたちに人気がない内容でも、彼らにとって必要ならば本を作ってセットの中に入れられる。
 そのような本は日本では主に「図書館用」として作られることが多いが、韓国ではそれが「家庭用」に作られているということ。
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 さてさて、問題はモデルになった恐竜博士。
 才能教育を訪れたときに、『ペンギン』の本をプレゼントした。
 ご覧のように、ぼくがペンギンの話を展開していくスタイルだ。
 これが制作チームに大受けしていた。
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 もしかして…

「参考にしていいか?」て聞いてきたから、
 確かに、「どうぞどうぞ、大いにやって」といってしまった…… 

 まるでスーパーサイヤ人みたいに進化してるぅぅぅ^^
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by kimfang | 2011-02-10 23:12 | 出版物
07/8/10 韓国語版『サクラ』が発売
f0004331_13231657.jpg 2007年8月10日 韓国語版『サクラ』が、チャンピ(創作と批評社)から発売されました。

 韓国語版のタイトルは「ゾウのサクラ」。
 サブタイトルも少しかえて、「日本からやって来たソウル大公園の人気者、サクラの話」にしました。
 現に、サクラが韓国で暮らしていることもあり、発売されてすぐに、朝鮮日報、東亜日報、韓国日報などの全国紙や連合ニュースで大きく取り上げていただきました。

 朝鮮日報の記事の日本語訳
http://japanese.joins.com/forum/board/view.php?no=99279&page=3
 朝鮮日報の記事(ハングル)
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=13&articleid=2007081023055335834&newssetid=85
 東亜日報の記事(ハングル)
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=12&articleid=2007081103025441810&newssetid=82
 韓国日報の記事
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&articleid=2007081018431571007&newssetid=1352
 連合ニュース(ハングル)
http://www.yonhapnews.co.kr/culture/2007/08/07/0901000000AKR20070807164900005.HTML
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by kimfang | 2007-09-08 12:46 | 出版物
07/4 韓国で『コウノトリ』を出版しました
 4月上旬、韓国で『コウノトリ』を出版しました。

f0004331_3212423.jpg 母国での出版は長年の夢。執筆から3年もかかりましたが、多くの友人の奮闘によりようやく出版することができました。
 この本は、ウリ教育社の大型企画 -自然と共に生きる話シリーズ-の栄えある第1号として出ました。
 そしてなんと、韓国刊行物倫理委員会が選ぶ「6月の本」に選定されたのです!
 韓国には課題図書というようなものはなく、韓国刊行物倫理委員会が選ぶ「今月の推薦本」が全国の書店に並び、図書館が購入するといいます。

 各メディアもたくさん紹介記事を出しました。そのなかの一部です。
少年韓国日報 「6月の本にコウノトリ」 ハングル
オーマイニュース「在日同胞3世が書いた韓日コウノトリ野生復帰ドラマ」 ハングル

 日本のコウノトリ野生復帰への取り組みを、より多くの韓国の子どもたちに紹介できることでしょう。
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by kimfang | 2007-06-12 03:19 | 出版物
07/3 『サクラ-日本から韓国へと渡ったゾウたちの物語-』 発売!
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お待たせしました。
 『サクラ-日本から韓国へと渡ったゾウたちの物語-』が発売されました。

 全国の書店にて御購入ください。
 学研のホームページからも購入できます。

 【関連記事】
 第1回子どものための感動ノンフィクション大賞 最優秀作品賞を受賞しました!



 【リンク】 林 あゆ美 さんがサクラの紹介記事を書いてくださいました。
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by kimfang | 2007-03-24 19:26 | 出版物
絵本『くちばしのおれたコウノトリ』
f0004331_1146082.gif絵本・ちきゅうのともだちシリーズ

今度はノンフィクション(実話)!
絶滅したコウノトリを 再び大空へ
そんな熱い想いを絵本にしました!

キム・ファン 文 / あらた ひとむ 絵
素人(そじん)社
2003年11月発売 1500円(税別)

ストーリー
 1970年12月。
 福井県武生(たけふ)に一羽のトリがまいおりると、町は大さわぎになりました。
 それもそのはず、そのトリは日本に二羽しか残っていない特別天然記念物―コウノトリだったからです。
f0004331_11474262.gif ところが、大さわぎの原因は、それだけではありませんでした。
まいおりたコウノトリのくちばしが、約八センチもおれていたからです。
 町は白山(しらやま)小学校のせいとに、コウノトリを見守るようたのみました。
せいとたちはコウノトリを「コウちゃん」と名づけ、エサ場を作ったりフナを集めたりして見守りました。
 けれども、コウちゃんは日に日にやつれていきました。・・・・・・

「あとがき」より
f0004331_11501081.jpg 20世紀、人類は126種で145の野生復帰計画をおこないました。しかし、成功と呼べるものは、15種の16計画だけです。コウノトリの野生復帰計画も、まだ、成功してはいません。それほど自然は繊細で壊れやすく、一度失うと、容易には元に戻らないのです。けれども、コウノトリは、どんなに時間がかかっても、人間の手で自然に帰してやらねばなりません。なぜなら、彼らはわれわれの身代わりになって自然の大切さを教えてくれたのですから。
f0004331_115148.jpg  この物語を書くにあたって、こころよく取材に協力してくださった、松島興治郎飼育長、佐藤稔主任飼育員、佐竹節夫「コウノトリ文化館」館長、つたない文章にあたたかい助言をくださった梓加依先生(京都学園大学)、そしてすてきな絵をつけてくださった、あらたひとむさんにお礼を申し上げます。
 動物児童文学作家 キム・ファン)

豊岡市立コウノトリ文化館・コウノピア
館長 佐竹節夫さんのメッセージ

f0004331_11532351.jpg みなさん、こんにちは。私たちは、兵庫県の日本海側にある豊岡市で、コウノトリをもう一度自然の中に帰し、大空で自由に羽ばたかせてやる事業に取り組んでいる者です。
 先ほど、金先生からお話しがあったように、コウノトリは30年も前に日本の空から姿を消してしまいました。今では、たまに日本のどこかに大陸から渡ってくるだけです。それも冬の間だけで、大体が仲間とはぐれた1羽だけです。なぜ、コウノトリは日本からいなくなってしまったのでしょう。なぜ、大陸からたくさんのコウノトリが日本に来て、定着してくれないのでしょう。
 コウノトリが家の屋根に巣をかけている写真を見たことがありますか。そう、コウノトリは人間が暮らしているところが好きなのです。言い方を変えれば、コウノトリは、もともと人間と一緒に暮らさなければ生きていけない鳥なのです。それをかつての人々は、人間に都合のいいことだけを考えて、コウノトリのことは考えませんでした。だから、コウノトリは居場所がなくなり、追い出されて、とうとう滅んでしまったのです。そしてこれは、昔の話しだけではありません。今でも日本にはコウノトリを快く迎えてくれる場所がないので、やっぱり定着できずにすぐ大陸に帰ってしまいます。
 最近になって人々は、コウノトリが暮らせないような環境は、自分たち人間にとってもいい環境ではないことが分かってきました。公害問題が起こったり、自然が少なくなって災害が起こったりするからです。そこで、自然保護や動物のことを考え、守っていく人々が増えています。金先生は、特に熱心な方だと思います。
 豊岡市では、36年前からコウノトリを人工飼育しており、今では71羽にまで増えてきました。今年も赤ちゃんが生まれそうです。たくさんの数になったので、かつてコウノトリが暮らしていた同じ場所に放してやる計画をしています。また過去と同じように人間が追い出したら、今度こそコウノトリは全滅してしまいます。そして日本全体が人間も住みづらい国になってしまうでしょう。だから、コウノトリが帰ってきても安心して暮らせるように、一生懸命に環境づくりに取り組んでいるところです。だけども、それには長い年月がかかります。大人の人だけではとても時間が足りませんので、次の世代の人にバトンタッチしていかなければなりません。
f0004331_11573275.jpg そうです。
 みなさんの手にかかっているのです。今日の金先生の話しを思い出して、みなさんの近くにいる動物、たとえば小鳥やカエルに興味がでてきたら私たちもうれしいです。
 できたら彼ら、生きものの様子を観察してください。きっといろんな発見ができると思います。同じように、友達のことも外国の人のことも少しよく見ると、今までと違った面が分かるかもしれません。私たちはそれを、「共生」への第1歩と考えています。
 もし機会があれば、コウノトリ文化館にお越しください。コウノトリと一緒に歓迎します。
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by kimfang | 2003-11-17 11:25 | 出版物
絵本『のんたとスナメリの海』
f0004331_14272787.gif絵本・ちきゅうのともだちシリーズ

瀬戸内の漁師 のんた と スナメリ との物語
いつまでも 人間とスナメリが
共生できることを願って

キム・ファン 文 / 藤井広野 絵
素人(そじん)社
2002年5月発売 1500円(税別)

ストーリー
f0004331_14291627.jpg むかしむかし瀬戸内の三角島に、のんたという漁師が住んでいた。のんたは貧しくて網も買えなかったが、のんびり暮らせて幸せだった。ある日、村のおかしらが一匹のスナメリの目を砕いてからというもの、三角島の海ではタイやスズキが釣れなくなった。焦った村人は、きたうら(日本海側)がクジラ漁で潤っていると聞くや、自分たちの網をつないでクジラをとることにする。ところが、やって来た大クジラは村人の網を全部持って行ってしまう。途方に暮れる村人を救うべく立ち上がったのんたは、やがて、「スナメリ網代漁(あじろりょう)」を思いつく!

「あとがき」より
f0004331_14295112.jpg 瀬戸内海にうかぶ阿波島には、スナメリをまつった祠があります。漁師さんたちのスナメリへの感謝の気持ちの印です。ぼくは祠の写真を見ながら、「スナメリ網代漁」を最初に思いついた人はいったいどんな人だったんだろう? と考えました。きっと、人にもスナメリにもやさしい、とても心のゆたかな人のはず。そんな漁師さんやスナメリに会いたいなぁと思い、瀬戸内海へでかけました。
 けれども、祠のある天然記念物に指定されている広島県竹原の海には、スナメリはおろか、漁師さんの姿さえありませんでした。今、瀬戸内海のスナメリは、長島や祝島がある山口県の上関地区に残っているだけで、ほかの地域ではほとんど見られなくなっています。なのに、この上関の長島に、原子力発電所が建設されようとしているのです。もしも原子力発電所が建設されれば、わずかに残ったスナメリにも大きな影響がでることにまちがいありません。人の手におえない原子力発電所という「大クジラ」を追いかけるのではなく、「小さなクジラ」スナメリと暮らしてきたことを、この物語を読んで思いだしてほしいと願っています。
 ぼくにこの物語を書くことをすすめてくださった「長島の自然を守る会」のみなさま、貴重なスナメリのお話を聞かせてくださった祝島をはじめとする瀬戸内の漁師のみなさま、広島県での取材に協力してくださった吉田徳成さん、竹原市立図書館館長の玉田静男さん、つたない文章にあたたかい助言をくださった京都学園大学の梓加依先生、立派な解説文を寄稿してくださった帝京科学大学の粕谷俊雄先生、そしてすてきな絵を描いてくださった藤井広野さんにお礼を申しあげます。
   2002年3月 動物児童文学作家 キム・ファン

解説文
 粕谷俊雄 教授 (帝京科学大学アニマルサイエンス学科) より解説文を寄稿していただきました。
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by kimfang | 2002-05-17 14:15 | 出版物
スナメリの生物学
スナメリの生物学(せいぶつがく)  帝京(ていきょう)科学(かがく)大学(だいがく)アニマルサイエンス学科(がっか) 粕谷(かすや)俊雄(としお)

 スナメリはクジラでしょうか? それともイルカでしょうか? 動物学的(どうぶつがくてき)にはクジラもイルカもクジラ(もく)というグループにふくまれます。クジラ(もく)はさらにハクジラ亜目(あもく)とヒゲクジラ亜目(あもく)()けられ、()わせて70-80(しゅ)()られています。そのなかで(からだ)(おお)きく雄大(ゆうだい)(しゅ)をクジラと()び、小さくてすばしこい(しゅ)をイルカと()習慣(しゅうかん)世界(せかい)国々(くにぐに)にあります。クジラとイルカの()(かた)は、動物学的(どうぶつがくてき)分類(ぶんるい)とは関係(かんけい)がなく、その境目(さかいめ)(おお)きさもあいまいで、コマッコウのようにどちらに()けるべきかよくわからない(しゅ)もあります。
 物語(ものがたり)登場(とうじょう)するスナメリは、ハクジラ亜目(あもく)ネズミイルカ()の1(しゅ)です。日本(にほん)()られるクジラ(もく)(なか)では1(ばん)(ちい)さく、世界中(せかいじゅう)でも(ちい)さい(ほう)から1-2(ばん)(おお)きさです。おとなのスナメリは体長(たいちょう)1.5-1.8m、体重(たいじゅう)60kg、(ひと)ほどの(おお)きさです。()ビレがなく、全身(ぜんしん)灰色(はいいろ)(あたま)がまるく、かわいい(かお)をしています。(あたま)のてっぺんに(はな)(あな)がひとつあり、ヒフの(した)左右(さゆう)()かれてのどに()かっています。()(うし)ろにエンピツの(さき)()いたような(ちい)さなくぼみがありますが、これが(みみ)(あな)です。 (くち)には(ちい)さな()上下(じょうげ)左右(さゆう)15-20(ぽん)はえています。
その分布(ぶんぷ)は、西(にし)はペルシャ(わん)からインド・東南(とうなん)アジア・黄海(こうかい)をへて、日本(にほん)仙台湾(せんだいわん)山陰(さんいん)沿岸(えんがん)にまで(ひろ)がっています。本来(ほんらい)(あたた)かくて50mより(あさ)(うみ)(この)むのですが、(きた)仲間(なかま)(さむ)さにも適応(てきおう)して、(ふゆ)水温(すいおん)が5℃以下(いか)にさがる黄海(こうかい)日本(にほん)近海(きんかい)にも生活(せいかつ)するようになりました。また、中国(ちゅうごく)揚子江(ようすこう)では河口(かこう)から2000km上流(じょうりゅう)にまで分布(ぶんぷ)(ひろ)げ、一生(いっしょう)をそこで()ごす仲間(なかま)もいます。5-6 (さい)大人(おとな)になると、2(ねん)に1()、1(とう)()どもを()みます。寿命(じゅみょう)は15-20(ねん)です。
 ところでスナメリは回遊(かいゆう)をしないので(とお)くの仲間(なかま)とあまり()がまざらないことから、産地(さんち)ごとの(ちが)いが()られています。日本(にほん)では九州(きゅうしゅう)西海岸(にしかいがん)大村湾(おおむらわん)有明海(ありあけかい)の2つのグループは(あき)()どもを()みますが、瀬戸内海(せとないかい)伊勢湾(いせわん)三河湾(みかわわん)東京湾(とうきょうわん)から仙台湾(せんだいわん)までの3つのグループは初夏(しょか)()どもを()みます。(あたま)(ほね)遺伝子(いでんし)にも産地(さんち)ごとに微妙(びみょう)特徴(とくちょう)があります。これらのグループを個体群(こたいぐん)()びますが、研究(けんきゅう)がすすめば日本(にほん)のスナメリに6番目(ばんめ)個体群(こたいぐん)()つかるかもしれません。
 それぞれの個体群(こたいぐん)安全(あんぜん)()きられよう(ねが)っていますが、現在(げんざい)わかっている生息数(せいそくすう)はさまざまで、大村湾(おおむらわん)個体群(こたいぐん)は500(とう)以下(いか)、その()個体群(こたいぐん)ではどれも数千頭(すうせんとう)といわれています。(わたし)は1976年、仲間(なかま)二人(ふたり)でフェリーボートを()りついで、瀬戸内海(せとないかい)のスナメリの分布(ぶんぷ)(かず)三年(さんねん)がかりで調(しら)べました。そのころの瀬戸内海(せとないかい)は、工場(こうじょう)はい(すい)下水(げすい)汚染(おせん)(すす)んでいて、漁師(りょうし)さんの(あみ)奇形(きけい)(さかな)がかかり新聞(しんぶん)話題(わだい)になったり、赤潮(あかしお)発生(はっせい)(さかな)()(こと)もしばしばありました。スナメリはその(うみ)小魚(こざかな)やエビ、イカなどを()べて生活(せいかつ)していましたので、きっと(わる)影響(えいきょう)がでるに(ちが)いない、(いま)のうちにかれらの生態(せいたい)()ておく必要(ひつよう)があると(かんが)えたのです。それでも当時(とうじ)は、4-5(がつ)になると瀬戸内海(せとないかい)のどこにも()まれたばかりで(くろ)っぽい(いろ)(あか)ちゃんスナメリがあらわれ、灰色(はいいろ)のお(かあ)さんと(およ)いでいるのが(あき)まで()られました。()どもは(ふゆ)までにはひとり()ちをするらしく、エサの()(まえ)をもらおうとして、カモメなどの海鳥(うみどり)がスナメリの(うえ)()っていました。
 ところが前回(ぜんかい)調査(ちょうさ)から23(ねん)がすぎた今回(こんかい)心配(しんぱい)していた(こと)現実(げんじつ)となってしまいました。1999(ねん)から2(ねん)をかけて(むかし)(おな)航路(こうろ)をとおって瀬戸内海(せとないかい)のスナメリを調(しら)べてみたところ、スナメリは、どこでも前回(ぜんかい)よりも(すく)なくなっていたのです。発見数(はっけんすう)周防灘(すおうなだ)では7-8(わり)でしたが、(ほか)(うみ)では1(わり)以下(いか)というおそろしい結果(けっか)でした。(むかし)から広島(ひろしま)県竹原(けんたけはら)(おき)にはスナメリが(おお)く、タイ()りの漁師(りょうし)さんに協力(きょうりょく)するといわれ、1930 (ねん)にその海面(かいめん)天然(てんねん)記念物(きねんぶつ)指定(してい)されました。ここは前回(ぜんかい)調査(ちょうさ)ではスナメリがいつもたくさん()られた場所(ばしょ)でしたが、今回(こんかい)調査(ちょうさ)では何度(なんど)おとずれても1(とう)()つからなかったのです。
 瀬戸内海(せとないかい)のスナメリはなぜへったのでしょうか? ()めたてや、砂利(じゃり)()ることで、スナメリのすみかがこわされてきたからです。漁師(りょうし)さんの(あみ)にかかって()事故(じこ)(すく)なくありません。それだけではなく、汚染(おせん)された(さかな)()べるので、体内(たいない)にDDT、PCB、有機(ゆうき)スズなどの(ひと)が作った毒物(どくぶつ)がたくさんたまってしまい、(よわ)(あか)ちゃんが()まれたり、寿命(じゅみょう)(みじか)くなってしまったことも原因(げんいん)でしょう。(わたし)はこれらのことが(かさ)なり()ってスナメリがへったと(かんが)えています。 
 残念(ざんねん)なことに、このようなことは瀬戸内海(せとないかい)のスナメリだけでなく、日本(にほん)国内(こくない)(べつ)個体群(こたいぐん)もおなじ危険(きけん)にさらされているのです。また、スナメリだけでなく、汚染(おせん)された(さかな)()べる人間(にんげん)にも(わる)影響(えいきょう)がでるかもしれません。
 スナメリを(まも)ることは人間(にんげん)(まも)ることにもつながっているのです。
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by kimfang | 2002-05-17 12:50 | 出版物
絵本『ジュゴンのなみだ』
f0004331_22224590.gif絵本・ちきゅうのともだちシリーズ

沖縄の海でくりひろげられる
心やさしいヤンじいさんと、
ジュゴンのザンのお話

キム・ファン 文 / あらた ひとむ 絵
素人(そじん)社
2001年7月発売 1500円(税別)

ストーリー
f0004331_22231136.jpg ザンは沖縄に住むジュゴン。ある日、船でやって来た人たちが、沖縄の海に「しま」を作りました。「しま」はジュゴンを捕まえるワナ。そうとは知らず近づいたザンは捕らえられてしまいました。ジュゴンの肉を食べれば八百年も生きられる。お金持ちは大金を積んでジュゴンの肉を手に入れようとしていたのです。あやうく殺されそうになったザンを、やんばるの森に住む、やんじいさんが助けてくれました。
 数日後、沖縄に津波が来ることを知ったザンは、かあさんジュゴンが止めるのも聞かず、やんじいさんにしらせに向かいます。ところが……

「あとがき」
 この物語は、沖縄に伝わる民話を元に書きました。
だれもが知っている「ツルの恩返し」のように、沖縄に伝わるこの民話も、より多くの人に知って欲しかったのです。
それは今、沖縄に住むジュゴンが悲しみのなみだにくれているからです。
海の汚染。基地の建設。網による事故死。
ザンの前に現われた「しま」がまた、沖縄の海に現われようとしています。
 「悲しなみだ」にくれている沖縄のジュゴンたちのなみだが、「うれしなみだ」にかわるよう、多くの人がやんじいさんになってくださることを願っています。 
 この絵本を書くため、資料収集に奔走してくださった山川義保、吉崎恵美子さん、つたない文章にあたたかい助言をくださった梓加依さん、すてきな絵をつけてくださった、あらたひとむさんにお礼を申し上げます。

巻末の言葉
f0004331_2227421.jpg 宮城康博氏より、とってもわかりやすい言葉をいただきました。ありがとうございます。 (宮城康博 なごなぐ雑記

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by kimfang | 2001-07-20 22:17 | 出版物
児童文学『ニジクジラは海の虹』
f0004331_484841.jpg丹後半島の青い海を舞台に、
日本と朝鮮半島のダブルネ-ム
を持つ少女とニジクジラの物語

キム・ファン 文 / あらた ひとむ 絵
遊タイム出版
2000年11月発売 1200円(税別)

第1回健友館文学賞入賞作品
清水寺貫主・森清範さん推せん。
今までなかったスケ-ルの大きな動物児童文学!
 【小学校高学年以上向き】

f0004331_4114475.jpgストーリー
 古代(こだい)・両(りゃん)・友)は、日本と朝鮮半島の友好のために贈られてきた国際保護動物ニジクジラに会いに水族館へ。 
そこで、伝説の主クジラを追う少年と出会うが・・・。
 誤解を越えて生まれた友情が、丹後半島の青い海から国の境を越えて広がる。
 
寄せられた感想&反響
淡路島・安乎中学校の子どもたちから、うれしい感想が寄せられました

2000.12.14 京都新聞 複合姓を持つ少女の物語
 重いテーマを心温まるファンタジーに

2000.12.24 朝日新聞 国籍とらわれぬ生き方を
 虹色クジラが主人公 教師ら後押しで出版               

2001.2.8 毎日新聞 二つのルーツを受け入れる少女
 国籍の違い越え共生を 「タブル」正面から描く

2001. 1 ウィクリー出版情報(日販図書館サービス)
 「この本が読みたい」重い「思い」を届ける
 「作者に動物と人間の融和という普遍的なものを描こうという姿勢がうかがえるし、いかに重い『思い』をたのしい童話作品に昇華させようかという努力がうかがえて好ましい」 かわの たかし氏

日本児童文学者協会 事務局長 藤田のぼる氏
 「在日の方たちの問題は、これまでは日朝・日韓の関係にささったトゲのように意識されてきたと思いますが(日本人としては、そのトゲの痛みをきちんと認識していくことが大切と思いますが)今度の御作では、ダブルネームに象徴されるように、むしろそれが日朝・日韓の橋渡しとなっていることを、うれしく思いました」            

日本児童文学者協会 国際部長 中尾 明氏
 「日本と朝鮮・韓国の歴史や交流を踏まえたスケールの大きな童話です。日朝(ダブル)の少女とニジクジラの物語は、ファンタスティックで、子どもたちの心を打つにちがいありません」
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by kimfang | 2001-01-11 04:05 | 出版物