動物児童文学作家のキム・ファンです!!
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09/2/25 きた――!
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 2月22日は、今から598年前に韓国(朝鮮)初のゾウが来た日です。この日に合わせて日記を書こうと思っていたのに・・・
 こなくてもいいものが、ついに、きた――!
 花粉、花粉、大嫌いな花粉がきた――!

 今年の飛散は去年よりも早くて多いというではありませんか! ぼくの場合、スギもヒノキにもアレルギーが出る。だから5月の連休くらいまで、つらい日々が続く。あ゛ー いつもならば極力外出を避けるのだが、今年は、ありがたいことに講演の依頼がめっちゃ多い。NHKに出たおかげかな? 

 薬を飲んで、マスクもして、ヨーグルトも食べて、レンコンも積極的に食べて、花粉症にいいとされることはみんなやっているが、やっぱり、外に出ると防ぎようもない。まさか、マスクしてしゃべるわけにもいかないもんなぁ。
 そんなぼくが鼻水垂らして、眼をクキョクキョ @-@ 掻きながら話すのは、日本から韓国へやってきた――ゾウのお話です。
 朝鮮初のゾウは、何と、日本からやってきた――!というお話です。
 それを記念日に合わせて2月22日に報告しようと思っていのに・・・花粉のせいで、体ボロボロで、書くのが遅れた――!
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 『朝鮮王朝実録』太宗11(1411)年2月22日
 「源義持使いを遣わし象を献ず。象我国に未だかつてあらざる也。司僕に命じて之を養う。日に豆四斗を費やす」

 태종 21권, 11년( 1411 년) 2월 22일 계축 2번째기사
 「일본 국왕(日本國王) 원의지(源義持)가 사자(使者)를 보내어 코끼리를 바쳤으니, 코끼리는 우리 나라에 일찍이 없었던 것이다. 명하여 이것을 사복시(司僕寺)에서 기르게 하니, 날마다 콩 4·5두(斗)씩을 소비하였다.」

 写真は能勢町立歌垣小学校での講演です。
 参観授業の後、子どもたちと父母さんたちに「日本から韓国へと渡ったゾウたちの物語」という題でお話しました。
 ぼくの講演のためにわざわざ実物大のアジアゾウの絵を描いていただきました! 本当にありがとうございました。
 宝塚から韓国・ソウルへ渡った、「サクラ」がモデルですって。
 サクラ、よかったな!
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by kimfang | 2009-02-26 08:47
09/2/14 カニ食いてぇ~
 シリーズ絵本「더불어생명」(生きものと共に)の次回作を書いた。このご時勢だ。
いつシリーズを切られるかわからない。契約が済んだら、間髪を入れずに次回の契約を取らないと…ふー。
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 で、「シオマネキ 농게」の話を書いた。
 オスの片方のハサミが巨大化するのは、ずばり求愛のため。メスに向かって一心不乱?にハサミを振るオス。でも、求愛しながらも、小さいほうのハサミで食事しているヤツもいるというから、何とも微笑ましい。

 シオマネキには「右利き」と「左利き」がいる。その比率は、5:5。
 人間は90%が右利き。原始時代から戦いの日々を送っていた人類は、左胸に傷を負うと大量の出血で死ぬことを知り、左手で盾を持ち心臓をかばい、右手に武器を持った。それでほとんどが右利きになったという。

 左利きのぼくは、右と左が半分ずつの社会が羨ましい。
 最近、なにかと電車で出かけることが多くなったが、券売機も、改札も、(社会も)みんな右よりになっていて、生きづらい。

 さて、どうして右利きと左利きが半々か? それを説明せずにさりげなく描くのが今回の絵本の「味噌」(因みにカニ味噌はカニの肝臓に相当する)。小さな子ガニのときに、左右どちらかのハサミがぽろんと落ちる。どちらが落ちるかはまったくの偶然。5:5。
 カニは取れたハサミや足が「再生」するが、落ちた方のハサミは小さなハサミに。落ちなかった方は、より成長して巨大なハサミになる。
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 でも、大きなハサミでは食事はできない。メスは卵を産まなくてはいけないから、両方小さいハサミでせっせと食べる。ホンマ、うまいことできてまっ。

 ところが、韓国ではこの愛らしいシオマネキを「게장 ケジャン」にして食べるというではないか! 
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 人が食べているのに「더불어생명」(生きものと共に)はまずい。
(いやっ、「게장」はうまい! 特に子持ちのワタリガニの「게장」は)



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 そこで、赤くて大きくて見栄えがする「シオマネキ」をあきらめて、地味で小さな「ハクセンシオマネキ 흰발농게」を主人公にした。ま、仕方ないが、こちらの方は鳥のエサになっているのでストーリー的には書きやすかった。
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 しかし、調べみると、シオマネキを食べているのは韓国だけではなかった。
 日本でもちゃんと食べている。

 佐賀県に伝わる「がん漬け」はシオマネキの塩漬けを発酵させたものだ。

 
九州は半島と食文化が似ていることが多い。「がん漬け」と「게장」のルーツをたどるのも面白いネタだなぁ。


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 そんなことを考えていると、カニが無性に食べたくなった。
 もちろん「漬けものカニ」。そう「게장」。
 行きつけの韓国料理店にたずねると、ワタリガニは今、産卵期で手に入らないという。

 うーん、게장食いてぇ!

 ワタリガニの게장
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by kimfang | 2009-02-14 14:22 | トピックス
09/2/8 4大江殺し
 昨年11月に韓国で行われたラムサール締約国会議でのこと。 
 「ここでぼくが発表すると、政府を助けることになってしまいます。でも…世界の人たちと意見を交わしたくて…悩みに悩んだ末に、ここに立ちました」
 若き研究者が、ふーと大きく息をついたあと、声を震わせながら絞り出した言葉だ。私的な発言であったために、英語の通訳は行われなくて外国人には伝わらなかったが、多くの韓国人が彼に強いシンパシーを感じた。
 
 ご存じのとおり韓国は今、保守派のイ・ミョンバク政権だ。大統領は選挙公約に「韓半島大運河」を掲げて当選した。
 現代(ヒョンデ)建設の社長時代、ドイツのライン川運河を見て初めて構想したというその事業は、最終的には南北を貫く17本、3100キロの運河を造るという壮大な構想だ。工事で雇用を創出できるだけでなく、川底に蓄積した汚染物質も除去できる。まずはソウルを流れる漢江とプサンに注ぐ洛東江をつなぐ工事から始めると訴えた。
 ところが、環境破壊だ!という批判や、費用対効果を疑問視する声が上がった。与党・ハンナラ党(当時は野党)の中からも強い反対意見が出ていた。
 イ大統領は就任直後、早々に国土海洋部に大運河推進チーム組織し、計画を推進しようとしたが、国民の反対は想像よりも大きかった。6月のろうそくデモを受けて「国民が反対するなら推進しない」と事実上の白紙撤回を約束したのだった。 f0004331_9484987.jpg 
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    写真左 洛東江河口エコセンター                 写真右 河口が鳥の目線で観察できる
 
 なのに、世界経済危機が起こった11月、政府は「4大江整備事業」と題した政策を発表した。韓国を代表する大河である、漢江、洛東江、錦江、栄山江の四つの川を整備するというもので、約20万人の雇用を創出し、23兆ウォンの経済効果が期待できる?とした。
 「大運河」とはちがう事業だというが、誰がどう見ても「大運河の強行」としか思えない。ラムサール誘致に積極的に動いた環境団体の一部が、会議をボイコットすることで抗議した。冒頭の若い研究者の言葉は、このような背景の中から生まれたのである。
 結果、ラムサール会議は、韓国初の国際環境会議という輝かしいものになるはずだったのに、地道な運動をしてきた市民の参加は少なく、逆に、自らの活動を世界にアピールしようと乗り込んできた日本人で溢れ返ってしまった。
 「ラムサール会議は日本の祝祭?」とマスコミが皮肉くる始末。一方、日本人からは、ラムサール会議を誘致しておいて大規模開発をする韓国はけしからん!と非難が飛んだ。
 政府は「グリーンニューディール政策」として、あくまでも「4大江整備」を推し進める構えだ。姑息にも呼称を「4大江サルリギ(살리기 蘇生)」と替えたが、「4大江チュギギ(죽이기 殺し)」に他ならない。土木会社救済のために、江が殺されようとしている。
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                       洛東江エコセンターから見た洛東江河口の美しい夕日。
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by kimfang | 2009-02-08 09:46 | トピックス