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動物児童文学作家のキム・ファンです!!
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09/7/27 味噌とんぼ
 トンボに関心のない人も、必ず見たことのあるトンボがいる。
 夏の甲子園なんか見ていると、テレビの画面にもよくでるオレンジ色のトンボ。夏なら、四条河原町の真ん中でも飛んでいるのがウスバキトンボだ。

 夏に群れ飛ぶこのトンボは、遠い南の国から風に乗ってやってくる。卵を産むと、わずか4日でヤゴになり、一か月でトンボになって次世代が飛び立つ。沖縄、九州から世代を重ねて北上し、ついには北海道までたどり着く不思議なトンボだ。
太鼓のむかしから、毎年、毎年…

 もちろん、朝鮮半島にも夏にやってくる。済州島から半島南部に上陸、北朝鮮まで北上していく。太鼓のむかしから、毎年、毎年…

 さて、このウスバキトンボを絵本の中に登場させたくて調べると、何と「된장잠자리」。直訳すると「味噌とんぼ」。ははは、まったく、唐辛子といい、味噌といい、韓国らしいネーミングだと笑っていた。

 ところが専門書を読んで、日本でも「味噌とんぼ」と呼ぶ地域がかなりあることを知った。出雲の「ミソトンボ」、加賀の「ミソカイ」など、日本海沿岸地方に伝承されている。
 さらには、佐渡や北陸、東北には、トンボの方言として「ダンプリ」「ザンプリ」が、広域的に分布するというではないか!
 トンボの韓国語は「チャムジャリ」で、済州島では「パンブリ」だ。そのむかし、渡来人が伝えた言葉がそのまま残ったとしか考えられないとあった。

 これだ! アキアカネとウスバキトンボが出会うシーンを創ろう。ウスバキトンボの写真に撮って、編集者に送ろう。これで心が「唐辛子とんぼ」に揺れることはあるまい。いっひひ。
カメラを持って毎日のように鴨川河川敷に出かけた。
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 しかしこれが…
あんなに群れ飛んでいるのに…
 ホント、うまくいかない。

 とほほ、とまってくれないのだ。写真がとれへーん ^^

 専門書には「とまらず」という異名があるとあった。
 そりゃあそうだろう。そうでないと、海を渡れまい。

 ぼくのような素人では無理だとあきらめた。
 時間をかえせ~
 (いい勉強に。決して無駄ではありませんでした)

 ※ 写真は「チョウトンボ」です。お間違いなく。
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by kimfang | 2009-07-28 19:18 | 取材ノート
09/7/26 赤とんぼ
 カワセミの原稿は無事、契約となった。ありがたいことに、友人(代理人)から「次も書いてほしい」という依頼があり、「赤とんぼはどう?」と打診したら「いい素材ね」となった。
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 「赤とんぼ」―日本に住むぼくは、当然、「秋に金色の稲穂の上を舞うアキアカネ-고추좀잠자리をイメージしていた。
 ところが、編集を担当する友人は、「真夏の池のほとりのショウジョウトンボ-고추잠자리」(写真)をイメージしていたのである。
 そう。日韓で「赤とんぼ」はちがったのだ。

 そもそも「赤とんぼ」という種類のトンボはいない。体が赤くなるトンボをひとまとめに「赤とんぼ」といってしまっているが、アキアカネ、ナツアカネ、ノシメトンボ、ミヤマアカネなどなど、たくさんいるのに「本当の名前」を知らない人がほとんどだ。

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韓国では、体が赤いトンボを何でも「唐辛子とんぼ-고추잠자리」といってしまう。日本で、体が赤いトンボをみな「赤とんぼ」というのと同じだ。「いわゆる赤とんぼ」というつもりで「고추잠자리」といってしまったぼくが一番悪いのだが、友人はガンとして譲らなかった。
 
 このトンボ、未成熟の頃は薄黄色の体だが、やがて(オスのみ)頭はもちろん、体全体が真っ赤になる美しいトンボだ。青トウガラシが熟すと真っ赤になる様子から「고추(唐辛子)잠자리(トンボ)」という名がついた。

 名前も姿も、いかにも韓国らしいトンボで、一番、その名を知られたトンボだ。それを絵本にしたいという友人の気持ちはわからない訳でもない。
 因みに日本名の「ショウジョウ」は、映画『もののけ姫』にも登場した真っ赤なサル―「猩猩」からきている。

 アキアカネか? ショウジョウトンボか? 「唐辛子とんぼ」を譲らなかった友人を翻意させたのは、アキアカネの「人生」だった。

 アキアカネは春に田んぼで生まれると初夏に羽化。暑さを嫌って高い山へいく。そして稲穂が黄金に稔る頃に帰ってくるのだ。つまり、「旅するトンボ」なのである。
 友人はそのことをまったく知らなかったようで、「旅するなんて、とてもドラマチックね。絵本にいいかも」と心が動きだした。
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 決定打は「『健康な田んぼ』が減っている。アキアカネを通じて田んぼを考えさせよう」のひと言。
 むかしむかしアキアカネたちは、人が田んぼを営みはじめると、それをよく研究し、田んぼに合わせた生活を営んできた。つまり、田んぼがないと生きられないトンボなのだ。

 先月、近所の田んぼから羽化したアキアカネは山へと旅立っていった。

 友人の心が変わらぬうちに、書きあげなくては ^^

(トンボを撮っていたら、あんなに探していたカワセミが…必死で追いかけているときは、あんまり出てきてくれなかったのに・・・そんなもんです。人生なんて ^^)
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by kimfang | 2009-07-26 12:24 | 取材ノート
09/7/15 絵本『巣箱』、まもなく
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 한솔수북(ハンソルスブク出版社)から「더불어생명(生きものと共に)」というシリーズ 絵本がでる。

 第一弾は『사람이 만든 새들의 집 둥지상자(人がつくった鳥の家 巣箱)』
 若手実力画家、イ・スンウォンさんが絵を描いてくれることになった。

 彼女は2006年の「ボローニャ国際児童展」にて、今年のイラストレーターに選ばれたすごい人。
 3月に会ってスケッチを見た時は驚いた。

 ボローニャに出品した『경복궁』(景福宮)という絵本は、色鉛筆を用いて繊細かつ力強く描いた作品だった。今回も同じような画法で描いてくるものと思ったら、絵具を使った斬新な絵だったからだ。

 しかし5月完成予定が…伸びて伸びて…スタッフをヤキモキさせた。当然、それだけ『巣箱』に情熱をかたむけて描いてくれたからなんだけど、実は、結婚式を控えていたからたいへんだった。

 今月初旬。とうとう、式の前日となった。やはり、式が済んで落ち着くまでは絵本は出ないんだな、とあきらめていたら、突然、編集者から国際電話があり、絵本のゲラがメールで送られてきた。

果たして絵は、どんな出来か? 

 大容量の画像を送ることのできる便利なシステムだが、パソコンが全部読み上げるまでには20分くらいかかってしまう。
 あーぁ、絵が気になるぅー。

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 ようやく、画面に表示された絵を見て、またまた驚いた! すばらしい出来!

 何と、発売日が7月20日と書いてあった。

 内容は、巣箱を考えついたドイツのベルレプシュ男爵の活躍と、コウモリやペンギン用の巣箱があることを知らせるもの。

 巣箱文化がまだまだ定着していない韓国を、何とかしたいと思って書いた。

 ついに来週発売!
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by kimfang | 2009-07-16 08:20 | トピックス
09/7/6  「京庫連だより」に載りました
 京都家庭文庫地域文庫連絡会が発行する「京庫連だより」に、「平和文庫訪問」の記事が載りました。

 平和文庫に
 児童図書研究家のイ・ヘヨンさんと
 作家のキム・ファンさんが見学にこられました。
                                                 後藤由美子   

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 6月27,28と京都女子大学で開催された「絵本学会」にこられた韓国の児童図書研究家イ・ヘヨンさんが、京都にお住まいの作家キム・ファンさんの案内で平和文庫を見学にこられました。

 どういうきっかけで平和文庫を作ったのか、本はどんなものがあるのか、資金はどうしたの、どのように子どもたちに手渡しているのか…などたくさんの質問をされました。

 それはこのような文庫に共鳴されていたからで、韓国ではまだまだ平和に関する本というものが多いとは言えないが、やはりこういう活動がのちの子どもたちのために必要と感じておられるからでした。本を集め巡回する活動も始まっているそうです。

 韓国での翻訳本の出版状況などを聞くと、日本であらゆる国の本が翻訳されて読むことができる今の状況というものが、世界的にもいかに恵まれ奇跡に近いことなのか、そのことがいろいろな障壁を待たない子どもたちを育てているだろうという思いを持ちました。
 
 児童文学者の中でも、和歌山静子さん達はじめいろいろな方が中国・韓国の作家とのコラボレーションをなさってその面からの本当の友好の土壌作りをなさっています。この辺のお話、いつかキムさんとの機会を持ってみなさんと学びあいたいと思いました。
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by kimfang | 2009-07-09 14:10
09/7/5 ETC 開閉扉は開いたのに・・・
 ETCつけて初めてのドライブ。ウミガメの飼育で有名な名古屋港水族館へいってきた。
 ちゃんと、扉が開くのか? ちょっと緊張したが、バッチシ。順調に高速を走った。
 「一宮IC」から名古屋高速へ。ところが…
 
 カーナビがぐるぐる自分の位置を探して、答えられなくて、やがて一般道の画面になり、やれっ右に曲がれ!だの、やれっ左にいけ!など、うるさくてたまらない。パニくりだした。そう。ナビに名古屋高速が入っていなかったのだ。
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 一番、パニックに陥ったのは、ほかでもなく、ぼくだ。
 ETCばかりが気になっていて、道順をまったく調べていなかったのだ。どうしょう!

 名古屋高速はややこしい。何と、1号から11号線まである。ナビが連れていってくれるものと信じていたので、どの道をいくのか、まったくわからない。

しかも、高速だ、止まれない! 減速もできない、オーマイゴット!

 となりで座っていた家人に「何とかして」といっても、どうなるわけもない。一般道をいこうとしたら、

 「そうよ、近くに新空港があったわ。ガイドブックの地図に空港が載ってた」といった。
 もう、それを信じるしかない。とにかく空港に向かうことに。相変わらず、ナビは、右だ! 左だ!と叫んでいた。

 そんな時、パニクっていたナビの画面に忽然と高速道路が現れた。「明道町JCT」を超えたら、復活。つまり、「一宮IC」から「明道町JCT」は、最近できた道だったのである。いやいやっ、道が新しいのでなく、うちのナビがかなり古いのだ^^

 とにかく、無事に到着。ウミガメを観察していたが、ペンギン水槽で南極のペンギンたちを観ると、ずうーと、ペンギンばかり観てしまった。これじゃあ、次の原稿が書けない。早く、ペンギンの呪縛から抜け出さないといけないのに…

 有意義な?取材を終えて帰るつもりが、たはは、帰りのETC専用レーンでは扉が開かなかった。

 あちゃー、ETCカード入れ忘れてたー。へへへ。後の車、ごめんなさい。

 ↓ ぼくの大好きなペンギン、ジェンツーペンギン。
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                                                            泳ぐ、アゴヒゲペンギン  → 
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by kimfang | 2009-07-08 14:15 | 取材ノート
09/7/4 群盲、ゾウをなでた!
 「群盲、ゾウをなでる」という言葉がある。元々は仏典に出てくる寓話からできた成語だ。

 目の見えぬ人たちにゾウを触らせたところ、キバを触った人は『ゾウは大根のようです』といい、耳を触った人は『ちがう、うちわのようだ』といい、足を触った人は『いやいや、臼のようだ』と、おのおのの狭い意見に固執して譲らず、最後には殴りあいの争いになるという話。
 つまり、「全体を知らずに、自分の知っている一部分だけにこだわること」の喩えである。
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 この「寓話」を逆手に取って、社会にメッセージを送ろうとする韓国の画家、オム・ジョンスンさんから、うれしい便りをいただいた。手紙の一部を紹介したい。
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 ―私は1997年から視覚障害を持つ子どもたちの美術プログラムをやっています。
 「2009 仁川世界都市博覧会」で、視覚障害の子どもたちの美術ワークショップと展示を任され、3月から作業をしているところです。
 
 ワークショップにおいて、「群盲、ゾウをなでる、を創ろう」プロジェクトを企画し、資料を探していたところ、先生の『サクラ(韓国語版)と出会いました。

 本に感動した私は、5月にソウル大公園へ行き、ゾウの担当飼育員と会いました。そして、サクラにも触ることができたのです。本の内容がオーバーラップして、とても胸が熱くなりました。

 この感動を、ぜひ、子どもたちにも! と、お願いしたのですが、危険を伴うということで実現には至りませんでした。その代わり、飼育員さんが盲学校へ来てくださり、サクラのことを話してくださいました。
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 私たちのプロジェクトは、「群盲、ゾウをなでる」という言葉に込められた社会的な偏見を、子どもたちとイラストレーターの創意と芸術性で解きほぐすというものです。
 
 そしてその作業の出発は、やはり、視覚障害者が実際にゾウをなでることなのです。

 韓国で、ゾウに直接触れられる施設はたったふたつ。済州島の「ゾウランド」と光州動物園の「体験場」だけでした。

 3か月間のいろんな挑戦と挫折の末、ついに、6月25日、光州動物園にて、30名の視覚障害の子どもたちが、ゾウをなでて、エサをあげて、背中にも乗ったのです!
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 子どもたちは驚きながらも楽しい体験をしました。その体験を元に、子どもたちとイラストレーターたちが力を合わせて、いろんなコンセプトでゾウを創ります。
 それが9月5日に、仁川・芸術会館に展示されるのです―

 まさか『サクラ』が、こんな素敵な挑戦のきっかけになろうとは。

 ノンフィクション児童文学には、『ハリー・ポッター』のような「魔法の力」はないが、挑戦する人を「応援する力」があるようだ。

 さて、子どもたちはどんなゾウを創りだすのだろうか。完成が楽しみだ。

オム。ジョンスンさんは韓国初のユニバーサルデザイン絵本(視覚障害者と健常者が一緒に楽しめる絵本)『점이 모여 모여』を出している。
 「サクラ」と同じ出版社なのに知らなかった^^
 日本の点字絵本の情報を伝えることで、お手伝いしたいと考えている。
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by kimfang | 2009-07-04 13:52 | トピックス
09/7/1 月刊「朝の読書新聞」が「ペンギン」を紹介
 
 社団法人「幸せな朝の読書」が出している月刊誌「朝の読書新聞」が、「ペンギンが気になる」というタイトルで『世の中 すべてのペンギンの話』を取り上げてくださいました。

 書評を書いてくださったのは代表作「流れ星おばさんが話す宇宙のお話」で有名なイ・チユさん。多くの科学読み物や翻訳本を出しているすごい作家さんです。すばらしい書評、カムサハムニダ。
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by kimfang | 2009-07-02 13:34