動物児童文学作家のキム・ファンです!!
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09/10/30 『ハクサイ』の塩漬け
 野菜嫌いだ。鍋にハクサイなどが入っていても、絶対に自分からは食べない。それをよく知っている家人が無理やりに皿に入れる。そんなぼくが柄にもなく野菜の絵本を書くことになった。

 「新人の画家のために、身近な植物の話を書いてくれないかしら」
 お世話になっている友人のフリー編集者の、たっての頼みだから断れない。
 植物ねぇ…韓国の子どもたちに身近な植物なぁ…おおっ、あれしかないわ!
 韓国といえばキムチ! キムチといえばハクサイ! 素材はハクサイに決めた。友人のリクエストは「画家の精密画が際立つよう、成長過程の物語にしてね」。
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 ちょうど都合よく近所の畑でハクサイが栽培された。3-4日に一度は畑を訪れて携帯カメラでパチリ。成長過程をつぶさに観察していた。
 外葉が出て大きくなると、葉が立ち出す。そして次々と葉が巻いていく。まったくもって不思議だ。そういえばキャベツも葉を巻いている。何で?

 調べてみると何とキャベツも、葉が巻かないケール(青汁の原料)を改良して人間が創りだしたものだった。ハクサイも葉を巻かないパクチョイとカブが中国の揚州あたりで自然交雑。その後、人がより多くの葉を巻くものを選んで創りだした野菜だと知る。
 しかも日本に伝わったのが明治時代で、広がったのは大正時代に入ってから。日清・日露戦争で大陸に浸出した兵隊が、中国からタネを持ち帰ったという逸話もある。案外と新しい野菜だったんだなぁ。
 ところが日本でハクサイを育てると葉がちゃんと巻かない。ちゃんと葉の巻く「結球ハクサイ」ができるまでにはたいへんな苦労があったのだ。

 そのことを分かり易く解説してくれるのが、←この本。お勧めです。

 さてさて、ではでは、朝鮮半島へはいつ伝わったのか? 
 現在のような※キムチには結球ハクサイが不可欠。
 だって、葉の間あいだにヤンニョム(薬味)をこすりつけなくては美味いキムチはできないんだもの。
 (※トウガラシもヤンニョムも入っていないキムチは三国時代以前からある)

 ところが、これがよくわからない。朝鮮王朝中期以後という説もあり、日本で栽培に成功したものが朝鮮へと渡ったという説まである。
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  ←ポサムキムチ。↑ 韓国の伝統野菜である、半結球ハクサイ。
 
 完全に葉が巻かない「半結結球ハクサイ」はすでに半島にあって、高麗の王宮ではケソン(開城)ハクサイという品種を使った宮廷キムチ―ポサムキムチが作られていた。(当時はまだ唐辛子は伝来していない。写真は現在風のポサムキムチ)
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 そんなこんな、ハクサイの改良やらキムチの歴史が面白くて楽しくて、すらすらと原稿は出来上がった。自分でも結構いい出来だと思っていた。

 しかし…友人からはOKが出なかった。       キムチのことならこの絵本→
 「ハクサイの歴史を描いたお話は面白いんだけどねぇ…完全な成長過程の物語じゃないから…」
 結局、『ハクサイ』原稿は「塩漬け」となってしまった。とほほ。
 塩漬けしてもしてもいつかは腐る。そうなる前に、「キムチ(絵本)」にしてやぁ~

 で、原稿を書き上げてからは、ハクサイを積極的に食べている。
 より多くの葉が巻くように努力したら先人たちのを思うと、食べずにはいられない。
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by kimfang | 2009-10-30 21:55 | 取材ノート
09/10/24 京都自由大学で講演しました。
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 10月24日(土)。「絵本がつなぐ日韓」というタイトルで講演をした。


 せっかくの機会だから韓国絵本をたくさん見てもらおうと車でいったのだが、講演会場を探すのにちょっと苦労した。
 事前に事務局の方から、醒泉小学校の東側と聞いていたが、それでも建物がなかなか見つからない。

 やっとたどり着いたら、思わず笑ってしまった。
 それもそのはず、京都自由大学は、古い町屋を改装した家のなかだったのだ。

 
 展示用に持っていった50冊の韓国絵本をどのように飾ろうか? 
 たたみの上にそのまま並べてみた。
 でも、これがとってもよかった。落ち着いた雰囲気の中で絵本をじっくりと読んでもらえた。 
 
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 講演の中で、韓国の名作『こいぬのうんち』と、ぼくの新作『巣箱』を読み聞かせした。
 参加者のみなさん、来てくださってカムサハムニダ。

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by kimfang | 2009-10-25 14:52 | トピックス
09/10/22 講演のお知らせ
 急に決まったことですが・・・

 10月24日(土)に京都自由大学にて、「絵本がつなぐ日韓」というタイトルで講演をすることになりました。
 日韓で絵本を出版しているぼくなりの視点で、絵本を通じた日韓の交流と、絵本の読み聞かせの現場である子ども図書館の交流を語ります。ご期待ください!  

 場所/ 京都自由大学 アクセス 
 時間/14時~16時

 ※ 駐車場はありません。公共交通機関をご利用ください。
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by kimfang | 2009-10-22 21:09 | トピックス
09/10/14 新型インフルエンザ
 生きものと共にシリーズ第1弾『巣箱』は、なかなかいいスタートを切れたようだ。今、話題になっている間に早く第二巻を。

 第2巻は『둥지 짓는 멧밭쥐 巣を作るカヤネズミ』。かや原に棲む、親指ほどのカヤネズミの物語だ。これまで韓国にはカヤネズミの本はなく、出版されれば最初の本になる。
 何とか、カヤネズミの存在を知らせるいいきっかけにしたい。

 さて、その進捗状況は?と代理人に連絡すると、と~んでもない返信が返ってきた。

 ナント、画家さんが新型インフルエンザにかかって療養中だというではないか!
 おー大丈夫かぁ。
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 絵を描いてくれるクォン・ジョンソン画家の技法は韓国画。

 カヤネズミの繊細な毛並みを表現するために、シルクの布に筆で描くことにしたが、これがまた、絵具が乾くのに時間がかかり、なかなか進まない。根気のいる作業となった。

 ただでさえ大変なのに、インフルエンザで、体力的にピンチ! 
 からだは快方に向かっているというが、まぁ、気長に回復を待つしかないわ (笑)

 
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by kimfang | 2009-10-14 22:10
秋夕 추석 チュソク 
 中秋の名月、十五夜こそは、韓国では秋夕(추석 チュソク)の日。

 韓国では、秋夕は民族の一大イベント。まるで、日本の盆と正月を合わせたような民族の大移動が起きる。正月は元日だけ休むだけなのだが、秋夕はちゃんと連休だもの。
 でも、秋夕なのに、親戚や幼なじみに会えない人たちがいる。そう。日本に留学中の人たちだ。
 留学生といっても、普通の学生じゃない。すでに韓国の大学を出て社会で活躍していた人たちが、スキルアップのために留学している。
 日本で出会った彼ら彼女たちがつないでくれた縁で、ぼくは韓国で仕事ができるのだ。
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 さて、そんな40代のフリーランス編集者、チョ・ウンスクさんから電話があった。
 「留学も今年で終わり。帰国します。秋夕にお世話になった人たちを呼んで、お礼がしたいの。遊びにきてくだい。伝統料理をご馳走するから」

 3日はお世話になった日本のみなさんを招待。ぼくは4日に、他の留学生たちと共に招待された。

 前日に日本の友人にオモテナシしたから、もう、簡単なものが出るかと思いきや、かなり本格的な料理がでた。

 まずは、호두곶감말이。
 クルミ(호두)を干し柿(곶감)で包んだ(말이)もの。
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  お茶も伝統茶오미자차 (チョウセンゴミシ茶)。
 この、オミジャ茶が気管の弱い人にはとてもいい。
 ぼくも幼いころに親に無理やり飲まされた記憶があって、懐かしかった。でも、薬として飲んでいたのとは大違い。酸味・苦味・甘味・辛味・塩味の五つの味がするという伝統茶の深い味わいに思わずため息がでた。
 大人になったんやね~。

 次は화전。
 花を乗せた、小麦粉のころもをかぶせた焼き物。今回は花でなく、대추(ナツメ)の実。


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 さらに궁중떡볶이と산적。

 普通の赤いトッポッキじゃなく、궁중(宮中)というだけあって上品な味。
 元々は宮中で食べられていたものが、宮外に伝わって唐辛子が入るようになったんだって。へぇ~。

 산적は「散炙」と書いて、串焼きのこと。串が見えるでしょ。
 驚いたのは、カニかまぼこが入っていたことだ。

 いよいよ、구절판。
 宮廷料理といえば、やはり九折板。八角形の器に八つの料理が並び、真中に皮。

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 卵を黄身と白身に分けて焼いていた。「松の実」が乗っているだけで美味。ちなみに「松の実」は잣나무、チョウセンゴヨウの実です。
 
 겨자(マスタード。 本国のからしがなくて和がらし)ソースで食べるというのが、今までに経験がなく新鮮だった。

 箸を縦に置くのが、韓国流。

 この後、伝統料理の焼き肉やらイカ(大好物)やら、いろいろ出てビールをたくさん飲んで、しゃべくりまくったせいで、写真が撮れず、すみません ^^

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f0004331_141314100.jpg それでも、最後のデザートは何とか撮った。
 카스테라경단。
 お団子にカステラをまぶしたもの。

チョ・ウンスクさんは前列真ん中の人。日本で学んだこと活かして頑張ってね。
 잘 먹었습니다. ご馳走様でした。
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by kimfang | 2009-10-07 13:59 | トピックス