動物児童文学作家のキム・ファンです!!
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11/4/1 日・中・韓共同企画 平和絵本が発売された
 日本、韓国、中国の絵本作家が共同で「平和」をテーマにした絵本を作り、それぞれの国で出そうという「平和絵本プロジェクト」がある。
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 提案したのは、日本の作家たち。

 04年に平和を願う絵本『世界中のこどもたちが 103』(講談社)を刊行したときに、もっと深く平和を考える絵本が作れないものか? 
 それも先の戦争で被害者となった韓国と中国の絵本作家たちと共につくれないものか? 

 05年にそんな想いを韓国と中国の作家たちに提案して快諾を得てスタートした壮大な企画だ。
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 しかし「平和」といっても、それぞれの国での捉え方はずいぶんとちがう。
 作家たちは「デモ作品」をお互いに見せあい、ときには厳しく指摘し合って絵本を創り上げていった。
 日本からは、田島征三、田畑精一、浜田桂子、和歌山静子、韓国からはチョン・スンガク、イ・オクベ、クォン・ユンドク、キム・ファンヨン、中国からは周翔、蔡皋、蕭翺子、姚紅、岑龍が参加。 出版社は、日本が童心社、韓国はサゲジョル、中国が訳林出版社と決まった。

 昨年、すでに韓国では発売がはじまったが、今年の4月1日、ついに日本でも全12巻のうち3巻が童心社から発売された。f0004331_1437394.jpg
 ここに収録されているイ・オクベの『非武装地帯に春がくると』は祖国の統一を願う絵本だ。 生きものたちの楽園となった非武装地帯の四季の移ろいを見つめ続ける、北に故郷があるハラボジの想いがこめられた絵本だ。
 自由を満喫する生きものたちの姿と対比させるように、非武装地帯に配属された軍隊の動きが絵かがれているところがとても印象的だ。

 この絵本は、昨年の6月25日に韓国で発売された。
 実はこの日は、6.25戦争(朝鮮戦争)がはじまって60年がたった記念日だった。
 まだ、この戦争は休戦状態にあるだけで、戦争は終わっていない! 
 この日に発売されたのには、そんな想いがこめられたのだろう。

 ぼくも非武装地帯の生きものたちを取材したくて、何度もここを訪れたが、「地雷注意」の標識などを見るたびに心が痛んだ。
 
 写真は、非武装地帯に設けられた野生動物病院だ。
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 親とはぐれてしまって、保護されたヤマネコの子ども。

 交通事故にあって尾っぽがなくなったキバノロ→
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 手術を受けているクロハゲワシ。
 など、多くの生きものたちに会った。

 野生に戻れないものは保養施設で飼われていた。
 
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 ぼく以外にも、日本から訪問した人がいて、うれしかった。
 戦争になれば、ここの生きものたちも巻き込まれてしまうのだ!

 戦争の真の姿。戦争を避けるためにはどうすればいいのか。
 「平和絵本」を読みながら子どもたちと話し合ってほしい。

 祖国の統一を願ったぼくの絵本『この地の王 オオカミ』も、無事、
 3月20日に韓国で発売された。 

ただ、まだ、日本に届いてなくて、手にしていない^^
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by kimfang | 2011-03-31 14:35 | トピックス
11/3/21 雨の日はチヂミ
 韓国からお客さんがきた。知り合いの留学生のお姉さん夫婦だ。留学生の卒業式(修士課程)に参加するために先週から日本にきていた。
 ぼくが韓国にいったときには、よく泊めてもらっている。京都にいらしたときくらいは御もてなしをしなくてはいけない。
 京都らしい雰囲気のある先斗町をぶらぶら歩いたあと、ちょっと小粋な創作日本料理店にいくという演出をした。

 会うなり、留学生のお姉さんがいった。
「先生(一応、そう呼ばれている)、飛行機から降りて入国手続きをしていたら、外国人のところに並んでいるのが私たち(夫婦)のほかにふたり、4人だけだったのでおどろきましたよ。いつもなら、飛行機の半分くらいは韓国人なのに」
 旦那も続けた。
「行く前にオモニムから電話がありましてね。日本は危険だから、どんなことしても息子を連れて帰ってきてって」

 そう。韓国では連日、日本の地震と原発の放射線漏れ事故がトップニュースで報じられている。
 実際、韓国に引き上げた人も多く、ひどい円高もあって観光客が激減している。
 それだけではない。例え産地が東北でなくても、「日本産」というだけで放射線汚染があると思われて、魚などが売れない被害がでている。
 
 さて、京都によくきている夫婦だが、先斗町ははじめてだったようで、ことのほか、よろこんでもらった。
 創作日本料理店も好評で、チーズのかかった珍しいチヂミを美味しそうに食べた。

 2次会も、ばっちり計算済みだ。
 本国の韓国人たちも舌を巻く、うまい韓国料理店がすぐそばにある。同胞が営む店だから、気軽に韓国語で話せるのもいいだろうと連れいった。
 お姉さんは席に着くなり、すぐにまた、チヂミを注文した。
 ぼくが、「さっきも食べたのに、ほんと、お姉さんはチヂミが好きなんですね」というと、
「だって、今日は雨ですから。雨の日は、やっぱり、チヂミでしょ」と笑った。
「…?」
 ポカンとしているぼくを見て、旦那が解説してくれた。韓国では雨の日にはチヂミを食べる習慣があるという。f0004331_22342768.jpg
 これには
 ―夏になると雨の日が続き、農作業ができない。ちょうど、ニラ、ねぎ、かぼちゃなどが旬であふれている。それでチチミを作ってマッコリ呑んで暇をつぶしたという説。
 ―雨の音がチヂミを焼く音に似ているので、チヂミを食べたくなっていつしか雨の日の定番になったという説などがあるという。

 するとお姉さんが、うなづきながら話した。
「最近、科学的にも証明されたのよ。雨の日は気持ちが落ち込むじゃない。小麦粉に含まれているアミノ酸やビタミンが、憂鬱感を取り除いてくれて、いいんだって」
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 へぇ~知らなかったなぁ。
 家に帰ってこれを家人に話すと、「それって、メニューに悩まなくていいわねぇ」と妙に感心していた。
 次の雨の日は、我が家もチヂミになりそうだ。


 お土産にもらった韓国のお菓子。
 ビスケットのなかにお餅が入っていた。さすが、お餅大国。
 これがメッチャ美味かった。

 ご夫婦が、日本の正しい現状を韓国の人たちに伝えてくださることを切に願っている。
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by kimfang | 2011-03-22 22:36 | トピックス
11/3/19 倉敷で、一席二鳥(コウノトリ)
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 今回の震災により被害を受けられたみなさまに、心よりお見舞いを申し上げます。
 
 コウノトリを求めて倉敷市にいった。

 放鳥されたコウノトリの子ども2羽がここに滞在中だ。
 「倉敷コウノトリの会」では、このままコウノトリに棲みついてもらおう。コウノトリとともに暮らせる倉敷にしようと、頑張っている。

 そのためには、もっともっと多くの人たちにコウノトリを知ってもらわなくてはいけない。

 19日に開催された第4段「いきもの茶屋」のテーマは、すばりコウノトリだ!

 昨今、科学者が自分の研究を市民にわかりやすく伝える「サイエンス・カフェ」が全国で広まっている。
元もとはイギリスやフランスではじめられたものだが、日本では、2004年に京都ではじまったという。
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 コウノトリとともに暮らす町、豊岡でも、3年前から毎月行われている。
 「鶴見カフェ」という。
 そのむかしコウノトリは「鶴」と呼ばれていたので、鶴を「見る」、つまり、コウノトリや豊岡にまつわるエトセトラを、地元の美味しいお菓子を食べ、コーヒーや紅茶を飲みながら気軽に語り合おうというお茶会だ。

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 研究者に直接、コウノトリのことをきいてみよう→
              
 (1)誰でも参加できる。(2)誰でも発言できる。(3)発言を否定しない。

こんな原則でやっていて、今回は倉敷市のサイエンス・カフェ、「いきもの茶屋」とのコラボだ。

 この「席」に参加するだけで、倉敷のコウノトリのことも取材できて、コウノトリを研究している最前線の研究者からも貴重な話が聞ける。 
 まさに「一席二鳥(コウノトリ)」(実際に二羽きている^^)!

 倉敷コウノトリの会の人たちが造ったビオトープ。
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 観察小屋に入ってみた。

 惜しくもコウノトリには会えなかったけれど、コウノトリを守り、育もうとする、大勢のコウノトリを愛する人たちと会えて、本当によかった。

 関係者のみなさん、とてもたのしい会でした!
 ありがとうございました。
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by kimfang | 2011-03-20 11:03 | 取材ノート
11/3/5-6 コウノトリの絵本、紙芝居に!
 みなさまに愛してもらった『くちばしのおれたコウノトリ』が、童心社さんから新しい絵で紙芝居化されることになった。

 これまでも読み聞かせをされている方から、紙芝居にして上演してもいいですか?というありがたい申し出が2度ほどあった。
「コウノトリのことを知ってもらえるならどうぞ」と、版元である素人社さんのご厚意もあって上演された。

 まさか、紙芝居の老舗、童心社さんからだしてもらえるとは思わなかった。嬉しい限りだ。

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 うれしい報せは、直接、豊岡の人たちに報告しなければと、3月5、6日に豊岡へでかけた。

 遠路はるばる、コウノトリに会いに来たというのに…
  
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 鳥インフルエンザの影響で展示されているコウノトリたちは隔離されて見られない。(3/15から展示再開予定)
 せっかく豊岡にまできて、見られないのは寂しいと思っていたら、前方から大型の鳥が飛んでくるではないか!
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 おーっ、あれは放鳥コウノトリ! 

 ぼくを歓迎するかのように、
 ぐるり、ぐるりと旋回してくれた。

「ありがとう。おかげでいい写真が撮れたよ」。

  『くちばし』は、当時の福井県武生市(現在は越前市)に舞い降りたくちばしのおれたコウノトリ―コウちゃんを見守った白山小学校の子どもたちに、「おじさんに任せて。いつか大空へかえしてあげるから」と約束した、「コウノトリ飼育場」(現在のコウノトリ保護増殖センター)の飼育員、松島興治郎さんの物語だ。
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 日本のコウノトリの保護増殖のすべてを見てきた松島さんが、24年目にしてようやくコウノトリの繁殖に成功し、ついにはコウちゃんも23年目にして待望のヒナをかえすという実話である。

 コウノトリの郷公園にある「コウノピア」に入ると、これまた驚き!
 以前は一般公開されていない研究棟にあった、コウちゃんとタマのはく製が展示してあったのだ。
 ※ 豊岡では「武生」と呼ばれた。

 それも、ぼくの絵本つきで。
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 久しぶりに松島さんにお会いして、懐かしいコウちゃんの話をたっぷりと聞かせてもらった。
 ロシアから贈られたコウノトリで1989年にはじめて繁殖に成功したけれど、コウちゃんとタマのペアは、また、別格。

 増殖センターでむかしから暮らしていたコウノトリによる初のヒナ誕生だもの。
 1971年に武生市での捕獲のあと、急行列車で豊岡に運んだ松島さんにとっても、忘れることのできない特別なコウノトリなのだ。

 
 童心社からでる紙芝居で、これまでよりもっともっと、多くの子どもたちに語り継がれていくことだろう。
 
 どんな、絵になるのかなぁ?

 8月の発売予定です。
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by kimfang | 2011-03-09 15:14
11/3/3 プルガサリ
 またひとつ、韓国の有名なむかし話が日本に紹介された。
 鉄を食う怪物―『プルガサリ』(岩崎書店)の絵本だ。
 大先輩の翻訳家、ピョン・キジャ先生が訳されて先月末に出版された。
 これまでも先輩は『ソルビム』(セーラー出版)など、本をだされるたびに贈ってくださっている。
 今回も忘れずに贈ってくださった。カムサハムニダ。
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 ページをめくると、大迫力の絵に感動。
 落とし穴に落として、油をかけて火をつけても死なないプルガサリ。
 なのに、ハルモニがうちわで、ぱんぱんとたたいただけで、
 もとのあかのかたまりにもどるところなんて^^
 なんとも滑稽、おもしろい!
 そこが、韓国らしい。
 そう、韓国の人たちは滑稽が大好きなのだ。

 さて、プルガサリ(불가사리)は漢字で書くと「不可殺」。
 殺せない化け物という意味だ。

 しかし海のいるヒトデも、韓国では「불가사리」という。
 そりゃあ、サンゴも食べるし、ウニも食べるからにくまれ者だけど、
 だからといって、化け物と同じ名前をつけるのはあまりもかわいそうだ。
 待てよ。
 語源が気になってしらべてみると、
 こちらは漢字でなく、古い固有語からきたという。
 赤い色を意味する「プルグン 붉은」と、魚を意味する「サリ 사리」(因みにメダカはソンサリ)が合わさって、赤い魚 → プルガサリ になったという説があるようだ。

『プルガサリ』をぜひ、書店でお求めを!
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by kimfang | 2011-03-03 13:45 | トピックス