「ほっ」と。キャンペーン
動物児童文学作家のキム・ファンです!!
<   2013年 03月 ( 9 )   > この月の画像一覧

13/3/28 FTA基金 トマト農家殺す
f0004331_1275923.jpg 
 昨秋、韓国で『ミツバチがいなくなると、イチゴが食べられなくなるの?』という科学読み物をだした。野菜や果物の花粉媒介が、いかにハチたちに頼っているのかを知らせる本だ。ミツバチの他にも、リンゴはマメコバチ、トマトはセイヨウオオマルハナバチ(左上)が利用されている。
 トマトにこのハチを使う方法は、1980年代にオランダで確立され、90年代からは日本でも行われている。韓国での利用状況も知りたくて、編者者と画家さんと一緒に、出版社近くのトマト農場取材をさせてもらった。

「これからはトマトだと思って、日本の和歌山で勉強したのさ。有り金を全部はたいて、この施設を建てた。小さな農場だけど、質はどこにも負けない」
f0004331_12101524.jpg
 80歳のハラボジは、ぼくが日本から来たと知って懐かしそうに話した。
 ぼくが質問をすると、「マイク、見せてあげな」と命令する。するとフィリピンからやって来た若者マイクが、ぼくよりも流暢な韓国語で説明してくれた。本の最後のページにはハラボジへの感謝の気持ちも込めて、いい顔の写真を載せた。(左下)
f0004331_1211432.jpg
 
 ところが先日、韓国の大手新聞に「大企業 トマト農事も村人も殺す」というショッキングな見出しが躍った。 前日、全国のトマト生産者の代表たちが世宗市(首都機能移転のために一部の役所がソウル市から移転)の農林水産食品部(日本の省にあたる)前や、全国の主要都市で、1,000名以上による抗議集会を開いた。
 
 記事によると、韓国大手の農業会社が京畿道のファウン干拓地に大規模な植物工場の建設をはじめたのに続いて、今後は、セマングム干拓地でも大規模な植物工場を建設し、トマトやパプリカを作ることになった。

 ところが問題なのは、この建設事業に政府が色々な名目でFTA支援基金から87億ウォン(約7.8億円)が拠出されたこと。本来この基金は、FTAに伴う個別農家の被害補償のために設けられたものなのに、だ。

 政府や農業会社の関係者は、「国内農業の国際競争力強化にも、この基金が使えることになっているので問題はない。それに、生産されたトマトの90%が輸出用だから国内の生産者を圧迫することもない」といっている。しかし国内の生産者を圧迫することは目に見えている。 
f0004331_12175071.jpg
 トマト農家の代表はいった。
「大企業である大手の農業会社が、先端技術と植物工場まで備え、生産、加工、包装、流通までして内需市場を蹂躙すれば、我々300万人の農民は、大企業の下請け農業労働者に転落せざるを得なくなる!」

 実に、日本が輸入するトマトの55%が韓国産トマトだ。韓国では農業を、半導体に次ぐ優良輸出産業に育てる政策が本格化している。大企業を育てるために巨額の資金が投じられ、弱い人たちが切り捨てられている。
 ハラボジの顔が目に浮かぶ。
[PR]

by kimfang | 2013-03-28 12:02 | トピックス
13/3/21 韓国で根づくか? 写真絵本
f0004331_1333373.jpg 

 星野道夫氏の写真絵本、『アラスカたんけん記』(福音館)の韓国語版『알래스카 이야기』(논장 ノンジャン)が好評だ。 <新聞書評 ハングル>
 この本は、韓国ノンジャン出版社の「知識は私の友だちシリーズ」の第5巻目として2月20日に発売された。ぼくのイヌの本は同じシリーズの第6巻で、星野氏の本から18日後に発売された。

 ほとんど同じような時期に発売された本ということもあって、恐れ多くも世界的な写真家である星野氏と同じように発売記念キャンペーンをしてもらっているが、市場の反応は大きくちがう。

 『アラスカ』はインターネットでも、読者からの絶賛の声が多く寄せられている。
 世界的な写真家であること、日本で「検定された」(韓国ではこういう表現をよく使う。すでに認められているという意味)本なのだから、当然といえば当然なのだが、ぼくはかなりの驚きをもって見守っている。

 
f0004331_13519100.jpgf0004331_1353131.jpg
 

 と、いうのは、日本の優れた写真絵本を韓国の出版社に紹介してきたが、どこも「写真絵本はねぇ…」と断られてきた経緯があるからだ。

 <過去の記事参照>

 この一枚の写真を取るために、写真家がどのような努力をしてきたかをいくら熱く説いても、
「わかりますよ。私たちだって出したいんですが、なんせ市場が受け入れないのだから、どうしょうもないんです」
と、いわれてしまうと黙るしかなかった。

 まだ発売からひと月だが、星野氏の絵本は今までとはちがう気がする。

 それは星野氏の本だからなのか? 

 写真絵本に対する抵抗がなくなりつつある兆しなのか? 

 いずれにしても写真絵本に対する偏見がなくなることは大歓迎だ。
 ノンフィクション児童文学も、そうなってほしいものだ。
[PR]

by kimfang | 2013-03-21 13:09 | 出版物
13/3/11 コウちゃんの物語が教材に
f0004331_1393450.jpg
 ぼくが2011年に出した紙芝居『とんだとんだ! コウノトリ』(童心社)の主人公、コウノトリの「コウちゃん」の物語が小学校の教材になった。
 <詳しくは福井新聞の記事をご覧ください>

f0004331_1345890.jpg
 教科書の出版社としてよく知られている東京書籍が出す、福井県の道徳の副読本にコウちゃんの物語が載ったのだ。

 本来は2014年度からの予定であったが、福井県・越前市で進めているコウノトリを呼び戻す取り組みの盛り上がりを受けて、急きょ2013年度の道徳副読本に別紙で差し込む形で実現した。

 紙芝居を参考にさせてくださいと連絡があったが、こんなに早く実現するとは思わなかった。

 このような嬉しい報せが届くたびに、実話、ノンフィクションの魅力を再認識する。

 紙芝居をだして、本当によかった。物語のもっと詳しい内容は、ノンフィクション『きみの町にコウノトリがやってくる』(くもん出版)の中に書いた。
 
 福井新聞では、紙芝居の貸し出しもしてくださっている。
 <その記事はこちらを!>
[PR]

by kimfang | 2013-03-11 13:05 | トピックス
13/3/10 原画のプレゼント
f0004331_22455398.jpg
 『イヌ』の本には、またまたぼくの似顔絵が登場した。どうもキャラクターにしやすい、いやっ、キャラクターしたくなる顔のようだ。しかし今回の似顔絵はたいへん気に入っている。
 ただ単に雰囲気が似ているだけでなく、取材をしていたり、書くのに苦労していたり、悩んでいたりと、絵に動きがあるところが気に入った。
f0004331_2246481.jpg
絵をつけたくれたキム・ウンジュさんに、名刺に使いたいと話したら、サインが入った原画をプレゼントしてくれた。

 
 似顔絵以外にも、一枚だけプレゼントしてくれるときき、どれにしようかと随分なやんだ。それで決めたのが、この盲導犬の絵。やはり、韓国の盲導犬育成施設に取材にいったから。

 写真ではわかりづらいが、彼女の絵は「立体」仕立てだ。イヌや人物の絵をまず描いてからカッターで切り取り、背景が描かれた絵に貼るという手法だ。
f0004331_2256869.jpg

 原画はそれがとてもよくわかる。
 また、絵を描いてほしいなぁ。
[PR]

by kimfang | 2013-03-10 22:49 | トピックス
13/3/8 チェドリに会った
f0004331_1210091.jpgf0004331_12143872.jpg 
 今回の訪韓の目的のひとつが、イルカのチェドリに会うこと。

 チェドリは違法に捕獲されたイルカで、しかも韓国では114頭しか確認されていないミナミハンドウイルカということがわかり、海に帰すことが決まったイルカだ。
 これを機に韓国では動物園や水族館のあり方が国民的な話題となり、イルカに過度な負担をかけるイルカショーは廃止されることになった。
 そしてチェドリは、韓国版「フリー・ウィリー」を目指すことになったのだ。

 映画『フリー・ウィリー』は、水族館でシューをしていたシャチが海に帰る話だ。この映画に出演した「ケイコ」が病気になっていることを知った子どもたちが、映画のように生まれ故郷のアイスランドの海に戻したいと願い、大人たちが立ち上がった。
 ケイコは海に戻ったのだが……。詳しいことは、右の本をはじめとする辺見 栄さんの本を読んでほしい。

 にわかにチェドリが国民的な話題となったものの、イルカに対する基礎知識はまだまだ低い。イルカのことが書かれた「国産」の科学読み物がまだないのだ。それを何とかしようと、イルカの本を書くために取材を続けている。

 いよいよ今回は、チェドリに会う取材。済州島の海に戻る前に、チェドリとの思い出を作るプログラムがソウル大公園で行われていると聞き、訪れた。
 チェドリが飼育されている海洋館も「チェドリのお話館」(写真中央)と名前が変わり、そこへ向かう道(写真左)にも、チェドリのことが書かれた説明書きが展示してあった。まさにチェドリ一色。

f0004331_12321836.jpgf0004331_12323829.jpgf0004331_1233148.jpg

 入口には寄せ書きが書けるコーナー(写真右)があり、ぼくも一筆。

 

 
f0004331_1234164.jpg 
f0004331_12365584.jpg

 
 さて、ぼくはここで過去に2度、イルカショーを見ている。今回見た演目は、人をよろこばす派手なショーではなく、イルカとチェドリのことを科学的に知るような内容に変わっていた。

 
 チェドリ以外のほかの2頭(写真右)が中心的に行い、野生に帰る訓練をしているチェドリ(写真左)は必要最小限の参加にとどめながらも、ジャンプなどのパフォーマンスで、子どもたちとの思い出つくりをしていた。

 実際に会いにいき、ますます急がなければと感じた。
[PR]

by kimfang | 2013-03-10 12:21 | 取材ノート
13/3/7 『ミツバチ』の講演に『イヌ』が間に合った^^
f0004331_21423463.jpgf0004331_21444329.jpg
 
 昨年10月に出した『ミツバチ』の本の発売を記念して、ソウル市マポ(마포 麻布)区の子ども図書館、「夢をかなえる小さな図書館 꿈을 이루는 작은 도서관」で講演をした。

 ぼくが韓国に取材と打ち合わせでいくとことを知った知人の図書館関係者が、急きょ組んでくれた講演だ。

 

f0004331_2148230.jpg
 せっかくいくのだから『イヌ』も間に合えばいいのになぁといっていたら、何と、10日発売予定のところを印刷所に必死に頼んで間に合わせたというではないか!
f0004331_2148279.jpg
 前日(6日)の夜に韓国についたら、本が出来ていて、明日発売だと聞いて驚いた。
 で、イヌの話と、ミツバチの話を半分ずつさせてもらった。

 ミツバチの本に絵とマンガを描いてくれたのは、マンガを学ぶために京都精華大学に留学したチェ・ヒョンジョンさん。わざわざ講演に駆けつけてくれて、子どもたちに素敵なサインまでしてくれた。

f0004331_21492398.jpg
 
 韓国の児童書関係者を紹介したのはぼくだけれど、今ではすっかり人気画家になったヒョンジョンさん。
 忙しい中、遠くからきてくれてありがとう。

 
[PR]

by kimfang | 2013-03-08 21:43 | トピックス
13/3/7 『人間の古くからの友だち イヌ』 発売される
f0004331_8473390.jpg
 イヌの科学読み物『人間の古くからの友だちイヌ 인간의 오랜친구 개』(ノンジャン)が韓国で発売された。 (正式な発売日は10日)

 今回、絵を担当してくれたのはイタリアに長く留学していたキム・ウンジュさん。はじめて組んだ画家さんだ。出版社から彼女が担当した作品を見せてもらったときは、「すごく切れのある絵だなあ」という印象を受けていた。
 ところがラフがあがってくると、意外や意外。まるでギャグマンガのようなソフトなタッチでおどろいた。

 本人曰く。「わたしはマンガがとっても好き。いつか、マンガのようなイラストを描きたいと思っていたの」。
 マンガのような、という意味は、イラストの中の風船に言葉を入れているところ。どんなギャグを入れようか、楽しくて仕方なかったという。
f0004331_8484458.jpgf0004331_8492489.jpg



 韓国は「モノ」を創るとき、特にデザインにこだわる。
 日本の本にはデザイン担当者の名前(大概は事務所の名前)は載らないが、韓国の本は編集者の名前が載らないのに、デザイン担当者の名前がドンと載っていることがある。
 それほど、デザインを重要視するのだ。
 多くのネット書店が、購入者からの本の評価を10段階で表しているが、内容が5で、編者とデザインが5。「中身はよかったのに…デザインが、もうひとつね」、というような厳しい評価を受けたりもする。

f0004331_852626.jpgf0004331_8523290.jpg
 
 今回のイヌの本は、ドイツで長く経験を積んできた敏腕フリーランスデザイナー、チェ・ナムジュさんへの外注デだった。

 本人曰く。「小タイトルのところ、気に入った書体が見つからなかったので自分が作ったのよ」。というこだわりよう。

 もちろん、編集を担当したキム・スンミさんも一緒に取材にいってくれるなど、たいへんお世話になった。

 つまり、今回の本は、日本(文)、韓国(編集)、イタリア(絵)、ドイツ(デザイン)の香りがする、ちょっとインターナショナルな本になった。  
 また、このチームで仕事がしたいなぁ。
[PR]

by kimfang | 2013-03-07 08:53 | 出版物
13/3/4  『きみの町に』が、福井県と栃木県の「優良推奨図書」に選ばれました!
 昨年1月に出した『きみの町にコウノトリがやってくる』(くもん出版)が福井県と栃木県の「優良推奨図書」に選ばれました。

f0004331_21295764.jpg
 詳しくは、福井県のホームページ「福井県優良推奨図書」から「平成24年度12月分」のファイルをご覧ください。

〈推薦文より〉
 コウノトリという鳥がなぜ少なくなったのか、そしてそれをいかに復活させていくのか、という問題を様々な人の活動を通して、有意義に学ばせてくれます。
 また、福井県と越前市(武生)での活動も紹介されており、子どもたちにも親しみやすく、読みやすい作品です。
 環境についても学ぶことができ、小学生にはぜひ読んでほしいです。


 栃木県の「栃木県優良推奨図書」(平成25年度)のウェブ公開は、4月からです。
[PR]

by kimfang | 2013-03-04 21:30 | 出版物
13/2/28 イヌの本、もうすぐ
 今月5日からはじまったイヌの本の校正が一昨日にようやく終わり、昨日、原稿は印刷所にいった。予定通りだと、3月10に発売という。ふぅ~。

 さて、今回の本の特徴は絵だ。(もちろん、画家さんの絵が素晴らしいのだが、それではなくて)イヌの科学読み物なのに「名画」が随所に出てくることだろう。

 今回、本を出す「논장 ノンジャン出版社」は、海外の翻訳物に定評のある老舗出版社だ。『シートン動物記』や、アンソニー・ブラウンの『動物園』を出している。ぼくはイヌの絵本を出したくて原稿を持ってここを訪れたのだが、結局、絵本の企画はボツ。
 けれども、イヌのことを熱く語った話の方が面白かったということで、今、話したことを科学読み物にしてくれないかということになった。
 書きたいモノと書けるモノはちがう―。偉そうに後輩にいっているが、結局は自分もそうで、最近、絵本の原稿が科学読み物になるというこのパターンが多い^^ 
 (実は、昨年の10月にでたミツバチも、最初は絵本の原稿を持ち込んだのに科学読み物にしてくれといわれちゃった。絵本もだしてくれぇ~)
f0004331_16474852.jpgf0004331_16481968.jpg
 そこで企画書と大まかな内容を書いたのを送ると、イヌが登場する名画を紹介してはどうか?という提案があった。
 いいよ、軽く返事をしたら、あらま? 写真のような絵が送られてきた。 
 
 動物のことばかり書いていて、絵のことはあまりよくわからない。
 なんじゃこれは? 

 腕組みして絵を眺めていたら、芸術系大学に通う娘が、「あっ、その絵、教科書に出ていた!」というではないか。そんな有名な絵も知らないでどうする…。

 写真左の絵は、アレクサンドレ・フランソワ・デポルトの「バラの花の陰で獲物を見守る犬」。デポルトは動物の絵を得意としたため、王族や貴族から自分の猟犬を描いて欲しいと頼まれて、猟犬の絵をたくさん描いた。

 右の絵は、ヤン・ファン・エイクの「アルノルフィーニの結婚」。中央下に描かれたイヌは忠誠をあらわしている。

f0004331_1813589.jpgf0004331_18212597.jpg

もちろん、韓国のイヌの名画も紹介している。右は王族の一員だったイ・アムの「母犬図」。
 左は韓国ドラマ「風の絵師」でも有名な、キム・ホンドの「母狗養子図」。

 そういえば、韓国のイヌの絵を観るために美術館にもいったよなぁ~。
 とまあ、こんな風に、イヌの本を書くのに、随分と名画の勉強をしたというのが正直なところだ。

 発売まで、あともう少し。
[PR]

by kimfang | 2013-03-01 16:49 | 出版物