動物児童文学作家のキム・ファンです!!
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13/6/25 紙芝居の韓国語訳に変化あり
 以前、このブログで韓国では紙芝居のことを「종이 인형극」―「紙の人形劇」というと書いた。 これは紙芝居自体が日本の独自文化であり、韓国にそれを指すものがなくて、似たような(あまり似ていないのだが)「ペープサート」を指す「紙の人形劇」と呼ばれているということを報告した。

 先日、韓国で紙芝居を演じる際に、もう一度、紙芝居について韓国の検索サイトを入念に調べてみた。すると、以前の「종이 인형극」は影を潜めて「그림 영극」―「絵の演劇」という言葉に変化していることを知った。

 「그림 영극―「紙の人形劇」は、まったく新しい言葉ではない。以前も紙芝居を指す言葉としても存在していた。しかし有名な劇団の名前がこれまたまったく同じ「그림 영극」だった。これと混同されても困る。それでぼくも当時はより一般的だった「종이 인형극」―「紙の人形劇」の方を使っていた。

 人形が出てこないのに人形劇というのはかなり抵抗があったので、大歓迎だ。
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 さらに調べていくと、どうやらこういう動きになったのには、2010年に「日本ドキュメンタリー映画祭」でグランプリを受賞した、日本のドキュメンタリー映画、『出張紙芝居』が韓国でも公開されたことが影響しているようだ。
 映画は韓国でも高い評価を得て、ネットで販売もされている。

 さて、訳者は、『出張紙芝居』をどのように訳したのだろうか?
 『길 위 그림 연극』―。直訳すると、『路上紙芝居』。
 この映画の広がりとともに、日本の紙芝居文化が韓国で知られるようになっていき、紙芝居を指すより正確な韓国語が市民権を得てきているようだ。
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by kimfang | 2013-06-26 08:57 | トピックス
13/6/14 ムダンケグリは何ガエル?
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 午後は、湊組と古谷組に分かれて、田んぼでの生きもの調査。
 やっぱ、フィールドはたのしい! 
 ここでも通訳の仕事があったが、午前に講演という重責を果たしたので通訳は「免除」。心からたのしめた。
 けれども、古谷先生の通訳のハ・ジョンフィさんは、生きものについてそんなに詳しくない。だからしっかりと、彼女の通訳をサポートしなくてはいけなかった。
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 でも…^^
 講演が無事に終わった解放感も手伝って、通訳の仕事をほったらかして田んぼの生きもの調査にのめり込んでしまった。
 ようっし、みんなが探せない珍しい生きものを探してやろうと、田んぼの中に入りっぱなし。
最初の発見者はホワイトボードに生きものの名前が載るので、ついつい必死になってしまった。そのかいあって、タイコウチとヒメゲンゴロウという、水棲昆虫(むかしは当たり前のようにいた)をゲットして、ふたつも名前が載った。えっへん。

 ところが、「通訳のプロ」らしからぬ失敗もやらかしてしまった。
 生きものの名前に詳しいから仕事をもらっているのに、韓国の人たちが「ムダンケグリ」と呼ぶ、ふつうに見られるカエルの日本名がわからなかった。
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 古谷先生が、日本では見たことのないこの派手なカエルが気になってしかたない。しきりに写真を撮っている。手に乗せて触るとひりひりしたというから、毒があるようだ。
 あ゛~こんなときのためのサポート役なのに……。
 結局、ホワイトボードに 2 ムダンケグリ(日本名不明?)と書かざるを得ない事態になってしまった。すんません。
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 この失態は、講演の準備に集中するあまり、過去の生きもの調査をまとめた「秘密手帳」を持ってくるのを、すっかり忘れてしまったからだ。

 生きもの調査が終わると、それをまとめた「生きものマップ」をみんなで作った。
 参加者で、記念撮影!
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 さて、例の「ムダンケグリ」――。
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 帰国後に日本名を調べると、「チョウセンスズガエル」だということがわかった。やはり毒があるカエルだった。

 この日の講演からフィールドワークまで、韓国のMBC放送局がみっちりと取材をしていた。

 慶尚南道のテレビとラジオで報道されたという。
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by kimfang | 2013-06-20 22:54 | 取材ノート
13/6/14 紙芝居って、絵のうしろに文章が書いてあるんです
 シンポジウム初日(13日)は、日韓の自治体の取り組みの報告だ。日本側からは、佐渡市、大崎市、豊岡市が報告。韓国側からは、昌寧(チャンニョン)郡、固城(コソン)郡、昌原(チャンウォン)市から報告があった。この日は、一日、通訳に専念した。
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 いよいよ2日目の14日。招待講師のトップバッターとして演台に立った。
「いつもは子どもたちを対象にしている話を、本日は、大人のみなさんにしますが、子どもになったつもりで楽しみましょう!」
 そういってはじめたが、みなさん、本気で^^子どもに戻ったように積極的に手をあけでくれて、投じた設問にもどんどん答えてくれて、とても盛りあがった。
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 さて、紙芝居だ。
日本では当たり前のように親しんできた紙芝居だが、これは日本独自の文化。外国にはない。もちろん、シンポジウムに参加した韓国の人たちもはじめて見る。
 コウノトリの紙芝居を演じた後に、絵本の読み聞かせとのちがいを簡単に説明した。

「絵本の読み聞かせをしようとすれば、こんなふうに左手で持って、子どもたちに絵を見せながら、基本的に文章を覚えて読まなくっちゃいけないんですよ。
 でも、紙芝居は、こんな風に絵の後ろに文章が書いてあるから覚えなくてよくって…」

 そういった途端、どっと笑いが起こった。韓国の人たちは紙芝居の絵のうしろに文章が書いてあること、知らなかったんだ!
 つまりは、さっきぼくが紙芝居をしているとき、暗記してやっているのか、演台にカンニングペーパーがあると勘違いしていたんだな、とわかった^^
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 さらに、紙芝居で一番権威ある「高橋五山賞」を韓国のイ・スジン画家が2年連続で受賞していることを伝えると、
 おおっ!と歓声があがった。紙芝居に、関心を持ってもらえてうれしかった。

 多くの子どもたちと同時に物語を共有するならば、絵本よりも紙芝居が適している。
 近年、英語版やフランス語版ができて、国際化してきている紙芝居。その知名度アップは、まずは、お隣の韓国からはじめないとね。

 紙芝居のおかけで「前座」講演は大成功だった。

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  そして真打登場!
 『森のスケーター ヤマネ』などの著書で有名な湊 秋作先生と、
 NPO法人オリザネットの古谷愛子先生が、
 田んぼの環境教育について、多くの実践例をあげながら熱い講演をされた。

 午後からは、参加者みんなで、「学習の現場」である田んぼへと繰り出した!
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by kimfang | 2013-06-20 13:25 | トピックス
13/6/12 7年ぶりの「長生浦クジラ博物館」
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 せっかく韓国にいくのだから、講師や通訳の仕事以外のこともしたい。
 今、ちょうどイルカの原稿を書いている。シンポジウム前日に、韓国で唯一のクジラ・イルカ博物館である「長生浦クジラ博物館」と、実際に飼育しているイルカが見られる「クジラ生態体験館」を訪れることにした。
 ソウルから出版社の担当編集者も駆けつけてくれて、一緒に取材した。

 
 長生浦クジラ博物館は、韓国で初めてIWC・国際捕鯨委員会が開催されるのをきっかけに2005年にできた施設で、ぼくは2006年に一度、訪れている。だから7年ぶりの訪問だ。
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 7年前に会った、たったひとりの女性学芸員はまだいるのかな? 
 あのときに学芸員からもらった非売品の論文集が、出版社の企画を通すのにたいへんに役に立った。お礼もいわなくては。

 しかし現れたのは、ちがう学芸員。しかも7年経っても、やはり学芸員はひとりだけ(今回もやはり女性だった)。たったひとりの学芸員では、展示物の更新もむずかしい。いくら立派な箱を造っても、有効に使うためには複数の学芸員が必要なのだが……。

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 展示に大きな変化はなかったが、7年前にはなかった新しい展示があった。
 まさに、デジタル大国、韓国ならではの展示物。先史時代の先祖が書いた「반구대암각화 盤亀台岩刻画」(1971年発見、1995年に国宝指定)の絵のなかからボタンを押すと、押されたクジラの絵が泳ぎだして生態を説明する、この展示物は見事だった。

 そういえば7年前、この国宝の岩刻画が見たいといったら、学芸員から「今は水につかっていて見られないから、行ってもムダです」という信じられない答えが返ってきた。
「えっ! 何で国宝が水に浸かっているの?」
 ぼくが聞き返すと、学芸員が顔を曇らせて黙ってしまったことを、今でも鮮明に覚えている。
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 学芸員の代わりに年配の女性職員(これまたたったひとり)が、まだ、国宝が発見されていなかった1965年に工業用水確保のためのダムが建設されてしまって、1年のうちに3~4か月は水のなかに浸かってしまうようになったと説明してくれた。
 それでも国宝を守るためには、ダムを廃止するのが当たり前だと思うのだが、あれから7年経ったいまもまだ、国宝か? 経済か? という議論は今も続いていて結論はでていないという。f0004331_19141981.jpg

 
 もうひとつ、7年前になかったものを見つけた。子どもたちへの学習に粘土工作が導入されていたことだ。子どもの本に携わる者としては、これをやらないで帰るわけにはいかない。

 編集者と一緒に作ってみた。
 編集者とは2005年以来の長い付き合いなのだが、彼が思いのほか手先が器用だという一面を新発見した。というか、ぼくがあまりにも不器用なのである。
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 こういうとき、ぼくは決まって左利きだつたのを右利きにしたから、と言い訳をするのだが、彼も左利きの人。言い訳にはならなかった^^

 一目瞭然。左のきれいなのが編集者が作ったもの。
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by kimfang | 2013-06-16 19:11 | 取材ノート
13/6/10 祝! 千葉県・野田市、コウノトリ誕生
 「コウノトリ・トキの舞う関東自治体フォーラム」で、最初にコウノトリの飼育に取り組んでいた千葉県・野田市で、念願のコウノトリのヒナが誕生した。 
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 福井県・越前市は無精卵ということで、惜しくも来年以降に持ち越しとなってしまったが、野田市は見事にヒナ誕生にこぎつけた。卵はまだある。続けて生まれそうだ。
 これを機に、関東でもコウノトリが広く知られるといいなぁ。

           毎日新聞            日本経済新聞

 
 写真は、兵庫県・豊岡市の「コウノトリの郷公園」で撮ったコウノトリ。
 関東でも、こうやって間近で見られるようになるんだね。(多摩動物公園にはたくさんいるが^^)
 本当に、よかった。
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by kimfang | 2013-06-11 18:10 | トピックス
13/6/5 そうだ、紙芝居しよう!
 昨年も参加した「日韓自治体ネットワーク会議を構築のためのシンポジウム」に「海外招待講師」(日本から3名)として呼ばれた。
 昨年は、大会を主催する韓国側から、「ぜひ、ご参加を!」と熱烈なラブコール受けたものの、日本からの参加者のなかで唯一の自腹参加者だった。該当自治体の公務員でも、該当自治体から推薦された民間人でもなく、もちろん招待講師でもなくて、飛行機代や日本国内移動費を支援してもらえなかった。

 韓国の友人たちも貧乏な作家を救おうと、お金が出るようにとしようとあれこれ動いてくれたが、結局、上述の三つの条件を満たしてないということで、大会本部から正式な支援は得られなかった。
 実は、この時、韓国のコウノトリ放鳥に黄色信号が灯るという、まことによろしくない事件が起きていた。微力ながら、それを何とかしようとの想いからの訪韓だったから、自腹も仕方ないなぁとあきらめていた。

 会議では、決して流暢ではないが、専門知識があるのでいい仕事をした。そんなことで、主催者側が雇った通訳でもないのに晩餐会では貴賓席に座らせられ(せっかくの料理を前にして、飲めない。食えない)、それが終わったあとの2次会でも、日韓交流のために黙々と仕事をこなした。あーしんど。
 そんなに多くの仕事をさせておいて自腹はかわいそうと、関係者の厚意で、何とか最終的に「通訳」という肩書がつけられて、飛行機代をまかなったという苦いエピソードがある。

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 主催者側も、昨年のぼくの働きを見て、何とかしなくてはいけない、と思ったのだろう。今年は、招待講師という破格の待遇で参加要請をしてくれた。やったー!

 招待講師として恥ずかしくない、いい講演をしなくては。さて、てどんなネタをしようかと考えていたら、ありゃりゃ。
 当初の講演時間の通訳を含めて50分が、次に送られてきた工程表では40分に短縮され、最終工程表ではさらに30分に短縮されているではないか!
 ほかの2名の講師の時間は、そのまま50分なのに、だ。

 しかも、工程表には、通訳の仕事がびっしり。おまけに晩餐会後の「個人時間」という欄に「通訳―キム・ファン」とたった一人だけ明記されている。うへっ!
 つまりは、「名ばかり招待講師」。本質は「今年も通訳」だったということだ。とほほ。

 それでも、たった30分だとしても、子どもの文学をしている者の根性とセンスを見せつけなくてはいけない! 印象に残る素晴らしい講演をして、次回の「待遇改善」につなげなければ! 
 うーん、どうしょうか……? 悩んだ末に、
 そうだ、紙芝居しよう! ということになった。

 とはいえ、16場面の『とんだとんだ! コウノトリ』をふつうに読むだけでも15分はかかる。韓国語と日本語の両方で読むと、それだけで30分になってしまって、他に何も話せない。
 紙芝居のダイジェスト版を作らなくてはいけなくなってしまった。ふぅ―。 
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 これが結構、時間がかかった。一場面に付き、数行ほどにまとめるのは至難の業。しかも韓国語に訳さなくてはいけない。1週間もかかって、ようやく本日、完成した。
 
 果たして、うまくいのやら……^^
 

 韓国のインターネット書店を見ていて、日本の紙芝居が売られているのを見つけた!
 『とんだとんだ! コウノトリ』は、「いきるちから わかば 全二巻」のなかのひとつ。
 ネット書店で売っているということは、買う人がいるんだ! 
 おどろいている。
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by kimfang | 2013-06-05 17:34 | トピックス