「ほっ」と。キャンペーン
動物児童文学作家のキム・ファンです!!
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14/2/24 「児童文学カフェ」のご案内
 2011年からはじまった児文協・関西センターの「読書会」ですが、今後は「児童文学カフェ」として再スタートします。
 もっと自由に! もっと気軽に! もっと楽しく! まるでカフェで、仲のいい友人とぺちゃくちゃおしゃべりしているように、好きな本の話をしようということで、「児童文学カフェ」と名付けました。
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 モデルチェンジ第1回目の「話題」は〈障害を扱った絵本を語ろう〉。

 『はせがわくんきらいや』『さっちゃんのまほうのて』『わたしたちのトビアス』など、「障害」をテーマにしながらも、子どもたちにわかり易く伝えた名作絵本があります。

 子どもに読み聞かせしたり、学校などで紹介されたりして、特に印象に残っている国内・海外の絵本を持ち寄って、存分に語り合いましょう。

 どなたさまでも参加でき、本がなくても参加できます。

● 2014年3月9(日曜日) 
 (株)ダイヤ本社(大阪市生野区新今里2-13-8)2F会議室にて <地図参照> 
● 14:00~16:00
● 参加費 500円 (コーヒー代込み)
● もし、お勧めの絵本があればみなさんに紹介してください!
● ナビゲーター キム・ファン

 参加ご希望の方は、メール(kimfang@nifty.com)にてお知らせください。 
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by kimfang | 2014-02-24 22:10 | トピックス
14/2/9 大ベストセラー『カバンを持ってあげる子』
 今春に出版予定の絵本『동물의 대이동 動物の大移動』の絵は、백남원 ペク・ナムォンさんが担当する。絵本は絵が命。とても有名な画家さんと組めるなんて、本当に夢のようだ。
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 ペク・ナモォンさんを語る上で、大ベストセラー児童書『가방 들어 주는 아이 カバンを持ってあげる子』は外せない。彼はこの本の挿絵を担当したからだ。

 この本は、幼いころの病で自らも足に障がいがある고정욱 コ・ジョンウクさんが書いた障がいを考える本だ。この本がほかの似たような本とちがうところは、障がい者の苦痛に焦点をあてるのではなく、障がい者の周囲の人たちに焦点をあてたところだ。

 ある日、足に障がいがある転校生、ヨンテクがやってくる。たまたま転校生の近くに住んでいたソグは、毎朝、カバンを持ってあげるよう先生からいわれる。クラスメイトからいじめられるヨンテク。カバンを持ってあげているという理由だけで同じようにからかわれるソグ。
 ヨンテクとソグの間で起こる様々な事件と、葛藤。そして…友情を描いている。

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 この本以外にも、백남원 ペク・ナムォンさんはロングセラー本『三国志』や『フランダースの犬』の絵も担当している有名画家だ。
 絵本や挿絵の他にも、『彩色の技術』など、絵画の専門書もだしている「絵の先生」だ。実際に芸術系大学の講師も務めている。

 絵本『動物の大移動』のミーティングで3度も会ったが、絵に対する姿勢はすごかった。1日中会議して、進むのは1,2ページほど。深く細やかなところにまで神経を注いで描いてくれていることに感激した。
 
 そりゃあ、3年もかかるわ^^ 納得。
 こうご期待!
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by kimfang | 2014-02-09 11:46 | トピックス
14/2/8 「宿題」の絵本
 2001年のことだ。クロツラヘラサギ研究者からこの鳥の絵本を書いてくれないかと頼まれた。
 しかし当時のぼくは田舎の小さな出版社から本をだした程度のひよっこ作家、この鳥の背景ある大きなものを描ける実力もなく、「いつか必ず出しますから、待っていてください」というしかなかった。研究者は、「じゃあ、宿題だね」といった。
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 当時(2002年)、969羽しかいなかったクロツラヘラサギは、絶滅に一番近い鳥として書くのに十分な素材であり、その生態もたいへん面白く、それだけでも絵本にはなった。   
 しかしぼくには、簡単に書ける素材ではなかった。それは北朝鮮へと渡った多くの親戚がいて、一歩間違うと自分も帰国船に乗って北朝鮮で暮らしていたかもしれないという生い立ちがあるからだ。

 ほとんどのクロツラヘラサギは、南北が対峙する海の無人島で繁殖する。ぼくにとってクロツラヘラサギは、南北の和解と統一を願う鳥である。統一や平和をテーマにする以上、何十年にもわたって読み継がれる秀作を書かなくてはいけない、という自らに課せられた宿題でもあった。

 依頼から4年がたった2005年1月のことだった。韓国で初めてとなる本、『コウノトリ』の出版が決まり、韓国のコウノトリ研究の第一人者、パク・シリョン教授に会いに韓国教員大学にいったときのことだ。
 パク教授への取材が終わると、一緒にいった編集者が会わせたい人がいると隣の部屋へ連れていった。するとそこには、クロツラヘラサギの大きなパネルが飾ってあり、韓国ではじめてでたクロツラヘラサギの本が積んであったのだ。
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 その人こそは、本の著者であり、韓国のクロツラヘラサギ研究の第一人者であるキム・スイル教授だったのである! (写真の左側)
 もちろん、キム教授とぼくは、クロツラヘラサギの話で盛り上がった。
 教授は、どんどん他の人もクロツラヘラサギのことを書いてほしいといい、子どもの本こそ必要だと協力を惜しまないと約束してくれた。

 よしっ、コウノトリの次はクロツラヘラサギだ! 
 うれしい想いを持って日本に戻ったが、悲しいことに半年ほどたった8月、キム教授は病に倒れ、帰らぬ人となってしまったのである。
 またひとつ、キム教授からも大きな宿題をいただいたような気持ちになった。

 クロツラヘラサギという素材を、どのように展開すればいいのだろう……。宿題の絵本の事を忘れた日はなかった。
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 そんな2010年のある日のことだった。過去にスクラップしていた新聞記事が偶然に目にとまった。
 ヨーロッパのコウノトリ、シュバシコウが、原発事故のあったチェルノブイリから争いが絶えない中東へと渡り、そして環境破壊や貧困で苦しむアフリカへと渡っているという記事だ。
 
 そうだった! 思わず叫んだ。何かを訴えるように飛ぶ、鳥の移動を絵本にしたいとずっと思っていたじゃないか! 
 クロツラヘラサギを南北だけで見るのではなく、彼らが移動する、南北コリア、日本、台湾、中国、ベトナムなど、アジア全体を見よう。
 そうだ! いっそのこと、クロツラヘラサギだけでなく、記事にあるコウノトリの渡りも描こう。いやいや、ホッキョクグマもことも、コククジラのことも……。

 絵本は、大移動する動物たちの姿を次々と描き、その最後にクロツラヘラサギを登場させるとこで、彼らに強いインパクトを残すという展開にした。
 タイトルはすばり、『動物の大移動』。

 クロツラヘラサギの研究者二人と、自分自身から宿題をもらってから(構想から)10年、2011年に原稿を書きあげ、出版社に持ち込んだところ、出版社もこの大きなテーマを描くのに十分な画家に絵を依頼してくれた。

 そして、絵を待つこと3年。
 いよいよ絵が完成に近づいているという。春にはだしたいなぁ。

 2012年の世界一斉個体数調査で、クロツラヘラサギの個体数は2,697羽ということがわかりました。
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by kimfang | 2014-02-08 15:08 | トピックス