動物児童文学作家のキム・ファンです!!
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15/11/27 韓国生まれのコウノトリ、日本へ飛来!
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 26日の朝、うれしいニュースが舞い込んできた。今年9月に韓国の忠清南道にある「禮山(イェサン)コウノトリ公園」から放たれたコウノトリのうち1羽が、日本の鹿児島県沖永良部島近くで採餌活動をしているのが確認されたというのだ。f0004331_11431749.jpg
 読売新聞の記者さんがこれを知り、記事を書くのを手伝ってほしいということでこの日は一日、この作業に追われた。
27日、無事に記事がでたのでここで報告だ。

 日本にやってきたのは「산황 サナァン」という愛称のK0008、オスだ。放鳥式典のときに6羽の成鳥は箱から放つハードリリースをされたが、今年生まれの2羽の幼鳥はケージの屋根を外す方法でソフトリリースされた。
 まさか幼鳥が、しかもオスが海を渡るとは、関係者はおどろいている。と、いうのも、日本では遠くに飛んでいくコウノトリの大半がメスで、オスは遠くへいかず、コウノトリの郷公園で展示用のコウノトリに与えられるえさをあてにしていたりしているからだ。

 昨年は日本から飛んでいった「ポンスニ」や「チェドン」、今年に飛んでいった「ウルサン」が韓国で大きな話題となった。
 今度は、韓国から飛んできた「サナァン」が日本で大きな話題になってくれることを願っている。

 しかし……。
 関係者によるとサナァンの背中に装着された発信器からの電波が受け取れない状態だという。
 心配だ。
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 読売新聞の記事

 連合ニュースの記事

 テジョン日報の記事

 ぼくが民団新聞に寄せたコウノトリ放鳥式典の記事
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by kimfang | 2015-11-28 11:46 | トピックス
15/11/14 力をつけてきた知識絵本 
韓国絵本紹介コラム31回目です。
力をつけてきた知識絵本 

 絵本は物語に絵がついたもの―という認識の方が、まだまだ多いようだ。ストーリーのある「物語絵本」よりもむしろ、子どもに知識をあたえる目的でつくられた「知識絵本」の方が多いのに。

 何を隠そうぼくは、知識絵本の書き手。知識絵本には物語絵本のような強いドラマ性がない。子どもたちに最後まで読んでもらうのはたいへんだ。逆にいうと、そのためにあれこれ工夫するのがたのしいのである。
そんなぼくが強くおすすめしたいのが、韓国を代表する知識絵本の書き手のひとりである、ホ・ウンミの絵本だ。
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 最初に紹介するのは『おかあさんの おっぱい』(原題 엄마 젖이 딱 좋아!)。
 「ブタのおっぱいはポヨンポヨン。乳首はブラブラ14個。ブタの赤ちゃんはいつも同じ乳首からお乳を飲みます」
 ブタの赤ちゃんにはそれぞれ自分専用の乳首があるって、知ってたかな? 

色んな動物の乳首がどこに何個あって、どのように飲むのか教える。そしてハ虫類である恐竜にはおっぱいがないことを話し、ほ乳類のことを理解させていくのだ。さらに人間のおっぱいの話へと続いていく。
 しかもこの絵本の絵は、韓国の絵本画家としてはじめて国際賞(04年・ボローニャ優秀賞)を受賞した、ユン・ミスクが担当しているのだ。


 もうひとつは、 『うんちのちから』(原題 똥은 참 대단해!)。
 「赤、黄色、縁、絵の具かな? ちがうちがう。これはカタツムリのうんち。カタツムリはえさによって、うんちの色がちがう」 
 カタツムリって、食べる花の色によって、うちんの色がちがうこと知っていたかな?
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 うんちを見れば、体が大きいとか、どこに棲んでいるとか、色んなことがわかる。それだけではない。カバのうんちは魚のえさになるように、だれかがしたうんちが虫たちのえさになって土になり、やがてその土から果物や野菜が育つことも教えてくれる。
 この絵本は娘さんが、自分がしたうんちを流しながら「バイバイ、またね!」とあいさつする姿を見てアイデアを得たという。

 それまで韓国には質の高い知識絵本が少なく、多くが日本をはじめとする外国の翻訳本だった。韓国の知識絵本を豊かにしたくて、ぼくは韓国で仕事をはじめた。しかし今では、韓国の知識絵本がどんどん海外で翻訳出版されるまでに成長したのだ。

 記事全文は、ここから読めます。

 写真のサインは2008年に日本での取材を手伝ったときにもらったもの。
「キム・ファン先生 いい作品をこつこつだしてくださいよ」と書いてある^^
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by kimfang | 2015-11-15 19:08 | 連載
15/11/7 図書館探訪 -大阪、京都編
 先日、韓国の図書館関係者の東京研修(10月26-30日)のコーディネートをしたことはすでにお話した。東京に旅立つ直前になって、今度は韓国の京畿道高陽(コヤン)市の図書館関係者から大阪、京都の図書館を案内してほしいという依頼が舞い込んだ。

 みなさんよくご存じのとおり、ぼくは図書館の専門家ではない^^ 今回もまた、前回同様に過去に講演をした子ども図書館の館長さんからの縁による依頼なのだ。しかも今回の依頼者は、2007年に開館した「注葉(チュヨプ)子ども図書館」(高陽市)の元館長さんで、この図書館が開会後に初めて行ったイベントが、何と、ぼくの講演会だったのだ。
 いま彼女は高陽市の花井(ファジョン)図書館の幹部として働いているが、懐かしい縁を頼って依頼してきたものを断るわけにもいかなかった。

 とはいえ、 図書館の見学の申請は基本的には2週間前だ。今回の大阪、京都研修は11月6日と9日。もうすでに2週間は切っていた。それも約一週間の東京出張中に予約を入れるというあわただしさ。うまくコーディネートできるのか? とても心配だった。それにも関わらず、今から紹介する図書館のみなさんは快く見学に応じてくださった。本当にありがたかった。

 まずは「大阪府立中央図書館」にいった。ここへ案内したのは何といって、「大阪国際児童文学館」があるからだ。書庫にも案内していただいたが、その広さにおどろいた。書庫には自転車が数台あった。縦約100m、横も約100m。自転車に乗らないと本が探せないのである。すごい数の蔵書のなかには、今回訪れた6人の方たちが幼い時に読んでいた韓国の少年少女雑誌もあって、また、おどろかされた。
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 次に訪れたのは「豊中市立岡町図書館」。東京の図書館を案内したおりに親地連(親子読書地域文庫全国連絡会)の方たちと交流会をした。そのときに元東京の公立図書館の司書さんが、「豊中の公立図書館はとっても頑張っているから、ぜひ、見学にいきなさい!」と薦めてもらったのだ。実は、来月、豊中市の岡町図書館でぼくの講演が予定されている^^ 迷わず、岡町図書館にお願いした。

 岡町図書館を選んだ理由はほかにもある。高陽(コヤン)市は、大都市ソウル市と隣接する都市。豊中市も大都市大阪市と隣接しているというところがとても似ている。同じような立地条件同士、交流会をして公立図書館が持つ使命や悩みを話し合った。
 岡町図書館には「世界の子どもの本の部屋」があり、韓国語で書かれた本も多数あった。
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 最後は京都市の「京都市立右京中央図書館」を訪れた。いつもお世話になっている京庫連(京都家庭文庫地域文庫連絡会)のみなさんに相談したところ、この図書館が一番新しく充実しているということで見学の申し込みをしていただき、一緒に見学した。
 今回の依頼者の職場である「花井図書館」はここと同じくらいの規模の図書館だというが、ここには16人の司書がいるが韓国では2人と聞いて、今度は日本のみなさんがおどろいた。しかも11時まで開いていると聞いてさらにおどろかれた。

 京庫連のみなさんと昼食を食べながら交流会をした。そこで韓国の方たちがいったふたつの発言が印象に残った。

 ひとつは「日本は基本に忠実に仕事をしている」という発言。
これは、本を集め選び所蔵する―という基本的なことをしっかりとしているという意味だ。逆にいうと、韓国では図書館の意義を知ってもらうために連日のようにイベントをして人を集めるのに忙しすぎるということだ。
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 もうひとつは「韓国の図書館は今が絶頂期で、これからはゆっくりと下っていくと思う」という発言。
これは図書館をつくると公約すれば選挙で勝つというような流行が、もうそろそろ終わるのだろうということ。事実、奇跡の図書館はテレビが火付け役となり、民間の寄付でできた図書館だ。政治家たちはそんな図書館ブームを利用してきたが、ようやく韓国も図書館の数もそれなりに充実してきたということだ。

 日本と韓国、それぞれの図書館が抱える問題はちがうが、お互いの実情を知っていい刺激になったと思う。
 お世話になった方々にこの場を借りて感謝したい。
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by kimfang | 2015-11-15 15:00 | トピックス
15/11/7 イヌは外、ネコは内 なぜ? 
韓国絵本紹介コラム30回目です。
イヌは外、ネコは内 なぜ?   
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 飼われているイヌやネコは多くの場合、イヌは外で、ネコは室内で飼われている。なぜ、そうなのか? その訳がおもしろく語られているむかし話絵本、『いぬとねこ』(原題 개와 고양이 )を紹介しよう。

 むかしむかし、おばあさんがイヌとネコと暮らしていた。スッポンを助けたおばあさんは竜宮にいくことに。何とスッポンは竜王の息子だったのだ。竜宮でたのしく暮らしたが、家に帰る日がきた。竜王がみやげをあげるというと、おばあさんは竜王の息子に教えられたとおり「竜王さまのつえに埋めこまれている、そのたまをください」といった。

 それは魔法のたま。心で思っただけで大きな屋敷やきれいな着物が現れる。おかけでおばあさんの暮らしは、見ちがえるほど豊かになった。
 ところが、うわさを聞きつけた川向うのよくばりばあさんがやってきて、言葉巧みにたまを偽物とすり替えて逃げ帰る。おばあさんの暮らしはもとどおり。元気をなくしたおばあさんを見て、イヌとネコは魔法のたまを取り返しにいくことに。

 ネコは泳げないがイヌは上手に泳げる。イヌはネコをおぶって川を渡った。よくばりばあさんの家はとても立派な屋敷になっていたのですぐにわかった。屋敷に入ったネコはネズミたちを脅して、魔法のたまを取り返すことに成功するのだ。
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 あとは川を渡っておばあさんに届けるだけ。帰りもイヌがネコをおぶって川を渡るのだが、泳ぎながらイヌが聞く。
 「おい、ねこさん。たまはあるかい?」
 「……」
 「おい、ねこさんよ! たまはあるかと、聞いているじゃないか!」
 腹を立てたネコが、「口のなかにあるともさ!」と、いった瞬間、たまは川にポチャン。

 イヌはそそくさと帰ってしまうが、ネコは川辺に打ちあげられたお腹の膨らんだ魚を見つける。ネコがガブリとかぶりつくと、魔法のたまがあるではないか! 
 手柄を立てたネコは家の中で飼われ、イヌは家の外で飼われるようになったとさ、というお話だ。

 実は日本にも、これとそっくりの『いぬとねことふしぎなたま』というむかし話がある。助けるのが白ヘビ、金の粒をだすたまというところが少しちがうところ。イヌとネコが川を渡り、ネズミを脅してたまを取り返すのも、ネコがしくじって川にたまを落とすのも一緒。けれども、韓国のお話とまったくちがうのは最後の最後。イネとネコが仲良く一緒にたまを届けるところだ。

 各国のむかし話は似ているけれど、どこかちがう。ちがうから、おもしろいのである。

 記事全文は、ここから読めます。
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by kimfang | 2015-11-09 20:21 | 連載
15/11/3 図書館探訪 -東京編
 10月最後の週、知人からのたっての頼みということで、東京の図書館見学ツアーをコーディネートすることになった。やってきたのは韓国の全羅南道順天(スンチョン)市の図書館関係者たち。

 韓国の子ども図書館の大きな流れはふたつ。「ヌティナム図書館」と「奇跡の図書館」だ。
 ぼくはヌティナムがまだ、小さなアパートの地下室を借りて運営していたころに訪れて何度か講演もした。また、ヌティナムが新しい図書館を建てる際には参考になりそうな日本の図書館を案内した。今ではヌティナムは地上3階、地下1階の立派な図書館になり、子ども図書館でなく、一般の人たちも広く利用できる私立の公共図書館へと発展した。そして、勲章までもらった^^
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 もうひとつの流れは奇跡の図書館だ。テレビ番組が公募したプロジェクトでできという、名前のとおり「奇跡的な」図書館だ。その記念すべき第1号館が順天奇跡の図書館であり、何を隠そう今回のツァーの依頼者であり、知人が、そこの館長さんなのである。
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 最初の日は「東京国際子ども図書館」と「東京子ども図書館」を案内した。
 上野の東京国際子ども図書館は改修工事が行われていたが、それは外側だけで図書館内の見学にはまったく支障はなかった。ちょうど「日本の子ども文学」という展示会が開催されていて、日本の児童文学の歩みを説明するのにうってつけだった。

 東京子ども図書館では、職員の方たちとお弁当食べながら交流会もした。私立の図書館なので本の販売もしていたのだが、何と、図書館がつくった本もあっておどろいた。そのなかでも、まつおか きょうこ さく・え『うれしいさん かなしいさん』がとても気に入った。
「よしっ、これを韓国の出版社に紹介しよう!」と思ったら、すでに韓国で出版することになっていて、ほとんど完成段階だという。

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 二日目は、韓国側から、ぜひ、ツアーのなかに入れてほしいと要望があった「ちひろ美術館」と「浦安市立中央図書館」を訪ねた。

 ちひろ美術館は韓国の絵本画家の原画も収集していることなどから、韓国でもよく知られていることは知っていたが……なんで、浦安市の図書館なの? と疑問に思いながらツアーを組んだ。浦安市は東京ではないし、図書館にいくためにはバスに乗らなくてはいけない。「ちょっと、日程上むずかしいから外そうよ」と提案したら、「ほかの図書館を外してでもここは必ずいきたわ」いというではないか。
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 今回、一緒に訪ねてその理由がわかった。日本有数の利用率を誇る理由がそこにあった。
奇跡の図書館の館長は、浦安図書館のことが書かれた『図書館の街 浦安』(竹内紀吉 / 未来社 韓国語版は2011年に翻訳出版された)という本を読み、いつか必ずここを訪ねようと思ったのである。
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 最後の日は「武蔵野プレイス」を訪ねた。そして、過去にヌティナム図書館の館長を日本に招待したこともある、親地連(親子読書地域文庫全国連絡会)の方たちと交流会をした。

 交流会は自分たちが気になっていることを質問するというやり方だったが、あっという間に2時間が過ぎた。たま、武蔵野プレイスの施設があまりにも素晴らしかったので、もう、ほかの図書館訪問はキャンセルして、じっくりと見ることになった。

 ところで、図書館を巡りながらちょっと心配したのは自分の本があるかどうか^^ 浦安にも武蔵野にもちゃんとあって、ほっとした。

 今回のツアーをコーディネートしているさなかに、別の韓国の図書館関係者からまた、大阪と京都の図書館を案内してほしいという依頼があった^^
 うーん、どこいこうか? 
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by kimfang | 2015-11-04 20:33 | トピックス