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動物児童文学作家のキム・ファンです!!
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15/12/28 「アニマルパスウェイ」 韓国出版文化賞選定
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 今日、韓国の出版社からいい知らせがきた。9月にだした絵本『アニマルパイスェイ』が、韓国日報が主催する「第56回 韓国出版文化賞」の児童書・ヤングアダルト分野で選定されたという知らせだ。
 この賞は、韓国で一番古く、もっとも権威ある賞といわれている。

 惜しくも賞は逃したものの、今年を代表する児童書10冊のうちのひとつに選んでもらったのはたいへん栄誉なことだ。

 ロードキルについて、より多くの人が関心を持ってくれることを願っている。

 選定作と受賞作については、ここをクリック。
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by kimfang | 2015-12-28 20:55 | トピックス
15/12/28 絵本でパンソリをきく
韓国絵本紹介コラム34回目です。
絵本でパンソリをきく
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 今年はいい年だったかな? ぼくは自分の夢がひとつ実現した、いい年だった。
 今から10年前の2005年の9月。兵庫県豊岡市でコウノトリの放鳥式典があり、韓国の研究者の通訳として歴史的な瞬間に立ち会った。大空に帰っていったコウノトリを見ながら、いつか祖国の大空を舞うコウノトリを見たい! と思った。
 そして10年の月日が流れた今年の9月。今度は、忠清南道禮山郡で行われた放鳥式典に招かれた日本の方たちの通訳として参加することができた。

 ところで、その放鳥式典に先立つ記念公演で、もうひとつ貴重な体験をすることとなった。何と、生でパンソリを見るという幸運に恵まれたのだ。
 パンソリは韓国の伝統的な民俗芸能で、03年にユネスコの無形文化遺産に登録された。パンソリをテレビや映画で見たことがあったが、目の前で演じられるパンソリを見たのは生まれてはじめてで、とても興奮した。
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 通訳の仕事だ。パンソリのことをすぐに解説しなくてはいけない。が、シン・ヨンヒ名唱の熱演に魅了されてしまい、仕事を忘れて聞き入ってしまった。
 このとき、演じられたのは「興夫歌(フンブガ)」の一節。これは「フンブとノルブ」という、ツバメが登場する兄弟愛を描いた韓国のむかし話だ。
 シン名唱が「アニリ(語り)」の部分で、
 「おいおい、どうしてツバメなのじゃ? 今日はコウノトリのお祝いをする、めでたい席ではないか!」
 というと、参加者たちはどっと笑った。

 18世紀ごろに原型ができたと考えられているパンソリは、かつては12作品ほどがあった。しかし今日に完全な形で残っているのは、先の「興夫歌」のほかに、親孝行を描いた「沈清歌(シムチョンガ)」、男女の愛を描いた「春香歌(チュニャンガ)」、三国志の名場面である「赤壁歌(チョクピョクカ)」と、「ウサギとカメ」という韓国のむかし話である「水宮歌(スグンガ)」の5曲だけだ。
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 さて、今回紹介する絵本は、その5曲のなかのひとつである 『水宮歌』(原題 수궁가)。
 むかし海に住む竜王が病気になってなげいていたところ、天から神仙がおりてきて「ウサギの肝を食すればよくなるだろう」と教える。竜王はカメにウサギを連れてこいと命じ、言葉巧みなカメにだまされたウサギは、竜宮へやってきたとたんに捕らえられてしまう。
 ところがウサギは「肝は木にぶらさげてきて、腹にはない」と答え、悠々とカメの背中に乗って地上にもどるのである。

 この絵本には、小学6年生の男の子が唱者を務めたCDがついている。大人向けの絵本だ。

 記事全文は、ここから読めます。
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by kimfang | 2015-12-28 10:32 | 連載
15/12/20 「きせきの海」が佐賀県の読書感想文コンクールの課題図書に
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 昨年、童心社からだした『きせきの海をうめたてないで!』が、佐賀県が実施する「第51回新春読書感想文コンクール」の課題図書に選ばれた。このコンクールは、1965年の第1回から50年も続けて実施されてきた歴史あるコンクールだ。昨年も38,345点の応募があったという。
 課題図書に選んでいただいたことを誇りに思う。

 詳しくはここをクリック。
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by kimfang | 2015-12-21 14:19 | 出版物
15/12/14 韓国絵本のクリスマスプレゼント
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 13日、民団京都・左京支部で「オリニ・クリスマスパーティ―」があった。
 先月、左京支部の支団長さんがうちのカフェにわざわざ訪ねてこられて、こうおっしゃった。
「子どもたちに紙芝居をしてもらえませんか? わたしは子どもたちに韓国の絵本をプレゼントしたいのです!」
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 支部のクリスマスパーティ―は日曜日のお昼。
 日曜のお昼といえば、ぼくが経営するカフェとしても稼ぎ時。ぼくがいないと、営業できない。でも、今回がはじめてとなる催しの栄えある最初のゲストであり、何よりも「いい韓国絵本を選んでもってきてください」といわれれば、断るわけにもいかない。何せ、民団新聞に韓国絵本を紹介すコラムを一年以上も連載しているのだから^^

 で、カフェの昼の営業を休み、韓国絵本を段ボール箱一杯に詰めて支部にいった。子どもたちに手づくりのクリスマスケーキを食べさせてあげようと、すでにオンマとハンメたちは作業をされていた。

 支団長さんのあいさつのあと、留学生の司会によるパーティーがはじまった。
 子どもたちの自己紹介のあと、いよいよぼくの登場。
「トッケビ」のむかし話をストーリーテリングしたあとにイ・スジン作『りゅうぐうのくろねこ』、キム・ファン作『まねきねこのたま』と『カヤネズミのおかあさん』を一気に演じた。

 やはり、紙芝居はすごい。はじめて会う子ばかりで緊張していた子どもたちも、みんなで紙芝居をたのしんでいるうちにすっかりうちとけた。

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 つぎは子どもたちみんなで「ユンノリ」をした。ぼくも、すごろくに似た韓国のユンノリという遊びは知っていだが、実際にするのははじめてで、留学生に教わりながら子どもたちと一緒に遊んだ。

 日本で手に入らないので、手づくりでつくられたユンノリにまた、深い思いがよぎった。

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 さて、絵本のプレゼントだ。
 ぼくは、悩みに悩みぬいて選んだ選りすぐりの25冊の絵本をテーブルに並べていた。この中から一冊だけ、好きなものをもらえると聞いて、子どもたちは真剣に選んでいた。

 なかには、この絵本がほしいけれどだれかにとられないかと見張っている子がいた。当初は最後にあげることになっていたが支団長さんと相談し、先にきた子から順番に絵本を持っていってもいいことにした。

 パーティーのあいだ中、自分が選んだ絵本を大事そうに抱いている子がいた。そんな子を見られて、ぼくとしてもとてもハッピーなクリスマスパーティーだった!
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by kimfang | 2015-12-17 10:52 | トピックス
15/12/12 韓国が育てた世界的画家
韓国絵本紹介コラム33回目です。
韓国が育てた世界的画家
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 今年は韓国の絵本界にとって特別な年だったと思う。ボローニャ図書展において、韓国絵本が「ラガッツイ賞」5文門すべてで「優秀賞」を受賞するという快挙を成し遂げたからだ。
 韓国絵本がボローニャではじめて賞を取ったのは2004年のこと。この受賞を機に、次つぎと国際的な賞を受賞してきた。しかし全部門で受賞したというニュースには正直ぼくも、「ついにここまできたか!」という感慨深いものがあった。

 「優秀賞で満足していてはいけない。『大賞』をとらなくては!」と思っている方もいるだろう。実はすでに11年と13年に大賞を2度も受賞している。しかも、同じ画家が。
 この画家は韓国ではよく「イボナ」と呼ばれている。「イ・ボナ」という韓国人のように聞こえるが、本名はイヴォナ・フミエレフスカ。ポーランドの画家だ。イヴォナは大賞を受賞したときの記者会見で、「韓国は作家としての私の人生がはじまった場所」と答えている。
 ではどうしてポーランドの画家が、韓国で絵本をだすようになったのか? 

 イヴォナの人生に転機が訪れたのは03年。自ら絵の束を胸に抱えてボローニャ図書展に乗り込んだ彼女は、企画者のイ・ジウォンと運命的な出会いをはたす。ポーランド語を学び留学経験もあったイはイヴォナの絵にほれこみ、ポーランででた絵本すべてを韓国でだそうと心に決めたのだ。

 翌04年、最初の翻訳本が韓国でたとき、イヴォナは生まれて初めて韓国を訪問した。彼女が街のあちらこちらにあふれているハングルに興味を持ったことを知った相棒のイ・ジウォンは、写真のようにハングルの形をモチーフにした絵本、『考える ㄱㄴㄷ』(日本語版未刊)を企画した。
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 この絵本で大成功したイヴォナは、その後はポーランドでだした絵本の翻訳ではなく、韓国で企画された絵本を担当するようになっていく。そして07年『考える』の姉妹作である『考える ABC』(日本語版未刊)で、ブラティスラヴァ世界絵本原点(BIB)で「金のリンゴ賞」に。
 11年に『こころの家』で「ボローニャ・ラガッツィ賞の大賞」を受賞し、何と13年にも『目』(日本語版未刊)でまた、大賞を受賞したのだ。

 つまりイヴォナ・フミエレフスカは、韓国の出版界が発掘し育てた世界的な絵本画家なのである。 

 さて、今回紹介する『こころの家』(原題 마음의 집 )の内容だ。目には見えないけれど、だれにでも、こころはある。きみにも、ぼくにも。でも、こころってなんだろう。こころを家にたとえて語る詩的な文と、イマジネーション豊かなイヴォナの絵がよくマッチした絵本だ。

 記事全文は、ここから読めます。
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by kimfang | 2015-12-14 19:41 | 連載
15/12/4 あみぐるみのサプライズ^^
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 きのう、豊中市立岡町図書館で「絵本がつなぐ日韓 ~わたしの仕事を中心に~」という講演をした。おはなしボランティアの方たちのフォローアップ研修として依頼していただいた。

 おはなしボランティアの方たちの熱意はものすごく、ぼくの講演の前にぼくの作品を事前に読む学習会もしてくださったし、はるばるカフェに訪ねてきてくださった方もいた。

 ところが岡町図書館には紙芝居『とんだとんだ! コウノトリ』と『まねきねこのたま』がないことがわかり、このふたつの紙芝居をボランティアの方お貸しすることになった。

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 講演当日、そろそろ時間だ。会場へ入ろうとしたところ、先の紙芝居を借りていかれた方が控室に紙芝居を返しにこられた。
 そして、お礼にと差しだされたのが、写真の、コウノトリのひなのあみぐるみ!
 これは『とんだとんだ! コウノトリ』の一番感動的な場面で、ぼくも大好きな絵だ。

 思わぬサプライズプレゼントに、講演の質で答えなくては! と、かなり気合が入った^^

 『とんだとんだ! コウノトリ』は100回以上も演じてくださる方がいたり、英語に訳してくださる方がいたり、そして今回のようにあみぐるみを作ってくださる方がいたりと、ホント、愛してくださってるんだなぁとしみじみ感じた。

 あみぐるみを多くの方に見てもらおうと、うちのカフェで展示している。
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by kimfang | 2015-12-04 19:29 | トピックス
15/11/28 大切でないものなどない
韓国絵本紹介コラム32回目です。
大切でないものなどない   
 
 秋の夜長、趣味の縫い物をたのしんでおられる方も多いことだろう。今回は、韓国の伝統的な裁縫道具たちが登場する絵本、 『あかてぬぐいのおくさんと7人のなかま』(原題 아씨방 일곱 동무)を紹介しよう。
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 この絵本のもとになっているのは、朝鮮王朝後期の作品と考えられている、 「閨中七友争論記」という作者不明のお話し。「閨中」とは、女性の生活の部屋であるアンバンのことで、閨房(キュバン)とも呼ばれた。その部屋のなかにいる「七友」とはつまり、裁縫をするのに欠かせない七つの裁縫道具のことで、これらがお互いに争うので「争論記」なのだ。
 イ・ヨンギョンは、当時の女性の生活や心がわかる重要な資料である「閨中七友争論記」を、子どもたちでも読めるようにやさしく脚色し、まるで民画を見ているような味わい深い絵をつけて絵本にした。

 むかし、頭に赤い手ぬぐいをかぶっている奥さんがいて、奥さんは縫い物がとても上手だった。
 ところがある日、奥さんがうたた寝をしていると、物差し夫人がみんなを見下ろしていいう。
 「わたしたちのなかで一番大事なのは、このわたくしですよ!」

 それを聞いたハサミお嬢さん、針娘、糸姉さんが自分こそ一番大事と主張する。
 だまって聞いていた指ぬきばあちゃんがさりげなく加わる。
 「奥さんが指先にケガをしないようにお守りするのがわたしの役目さ」 
 するとまた、我慢していたのしごて乙女とひのし姉やがいう。
 「でこぼこの針目にのしごてをあててうつくしく仕上げるのは、いったいだれでしょう?」
 「しわが寄ったり折り目がついたところをわたしがきれいに伸ばします。最後の仕上げこそ一番大切」
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 七つの道具たちのいい争う声で目を覚ました奥さんは、こらえきれなくなり、大きな声でいった。
 「一番えらいのはこのわたしだよ。わたしの腕がいいから、お前たちも自分の役目が果たせるんじゃないか。わかったかい!」
 そしてまた、寝てしまったのだ。

 奥さんに怒られて、七つの道具たちはしょんぼり。自分なんか、どうでもいいものだったんだと思うと悲しくなってしまった。
 すると、眠っている奥さんが大粒の涙を流しはじめたではないか!
 「こわい夢でも見ているのかしら?」
 「かわいそうだわ。おこしてあげましょう」
 奥さんは、道具たちがいなくなる夢を見て泣いていたのだ。目が覚めた奥さんは道具たちに……。

 この絵本は、韓国の小学校の教科書に採用されていることもあって、韓国の子どもたちみなが知っている。
 それぞれ役割はみんなちがうけれど、どれひとつ大切でないものなどない―。
 そんなことを気づかせくれる名作は、学校での読み聞かせに最適だ。

 写真の指ぬき―コルムは、朝鮮王朝時代のもの。

 記事全文は、ここから読めます。
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by kimfang | 2015-12-02 11:06 | 連載