動物児童文学作家のキム・ファンです!!
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16/3/29 鮮魚、よみがえる
 2年前の春、「鮮魚の絵本」を韓国でだすべく、一生懸命に書いていた。
 鮮魚の絵本を思いついてからは、韓国にいくたびにスーパーの鮮魚売り場で写真を撮った。すると決まって、「お客さま、店内での撮影はおやめください」と忠告を受けた。

 日本ではスーパーで写真を撮っても別にとがめられないのだが、韓国ではお店が写真を撮られるのを結構いやがる。
 どうしてなんだろう? その理由はよくわからないが、それでも職員に見つからないように、または店を変えてたくさん撮った。

 そうやって取材してようやく書いた絵本だったが……。
 結局、出版には至らずに終わった。幼児にはむずかしいという理由で。
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 ところで、韓国だからといって、日本とぜんぜんちがう魚が売られているのではない。タイセイヨウサバ(模様が鮮明)と国産のサバが一緒に売られていたりするところなどは、日本とそっくり。
 韓国人はイシモチが好きだが、タイだって食べるし、サンマだって食べる。 写真左から、タチウオ、サンマ、ニシンとタイ。
 素材は同じでも日韓では調理法が結構ちがう。でも、ぼくの絵本は魚の生態を教える知識の本なので、調理法は関係ない。

 ところがだ!
 1月に韓国にいったとき、断った出版社の次長と話をしていて、ふと、例の鮮魚の話になった。おそらく、ぼくの担当編集者が4回もころころと変わったのが問題だったのだろう^^
 次長が鮮魚の原稿のことをまったく知らなくて、編集者を介さずに直接、原稿を再度送ってほしいとの要望があった。
 何とかなるかもしれないぞ……。
 淡い期待を持ちながら、ひと月ほど、じいっと連絡を待った。

 2月になって、うれしいことに出版を検討してもいいといってきた。
 ただし、低学年用に書かれた今の原稿を、幼児向けのものにちゃんと書きかえられたら、とう条件づきで^^
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 ぼくは元来、中学年や高学年向けが得意で、低学年、幼児向けはあまりやってこなかった。
 でも、もう、そんなことはいってられない。せっかくのチャンスだもの。
 ふだんはあまりやらないキャラクターを立てたり、ユーモアをどんどん入れたりして、ひと月かけて何とか幼児向けに書きかえて送った。

 そして数日前、出版できます! という返事がきた。
 ふーっ。1月から魚のことばかり考えていた日々が続いたが、やっと魚から解放されそうだ。

 写真左下。ウナギがこんな形で売っているのは韓国ならでは。どうやって調理するんだろう? 
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by kimfang | 2016-03-29 16:47 | トピックス
16/3/12 助け合いの心 語りつぐ
韓国絵本紹介コラム最終回です。
助け合いの心 語りつぐ
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 このコラムも今回で最終回。最後に南北両方の子どもたちが大好きで、長きにわたり読み継がれてきたロンクセラー絵本、『いっしょにごはんたべよ』(原題 개구리네 한솥밥)を紹介しよう。

 むかし話でもないのに、南北両方の子どもたちが知っているのは、原文が北朝鮮で1957年に出版されたペク・ソクの『はさみむしの四兄弟』に収録されたお話しだからだ。
 ペク・ソクは1912年に平安北道の定州市で生まれ、日本の青山学院大学で英文学を学んだ。36年にはじめての詩集『鹿』を発表。咸鏡南道咸興市の学校で教師をしていたが、解放後には故郷にもどり創作活動に励んだ。

 ペク・ソクが北朝鮮で活動したということから、以前は韓国では正当な評価を受けることはなかった。しかし今日では、その作品はどれも高く評価されている。
 今回はユ・エロが絵を担当し、日本語版もでた『いっしょに…』を紹介しているが、韓国では写真のようにちがう画家が絵をつけたこの物語の絵本が7冊も出版されている。もちろん、教科書にも収録されているのだ。
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 では、内容だ。むかし、貧しいけれど気立てのいいカエルがいた。ある日、兄さんにお米をわけてもらいにでかけたが、途中、ケガをしたサワガニと出会う。その後も、道に迷ったコメツキバツ、穴に落ちたフンコロガシ、草に絡まったカミキリムシ、水におぼれたホタルと出会い、そのつど、カエルは急ぎの用事も忘れてみんなを助けてやるのだった。

 そのせいで、兄さんの家に着いたのはすっかり暗くなってから。どうやって帰ろうかと途方に暮れていると、助けてやったホタルが飛んできて道を照らしてくれた。
 荷物が重くて困っていると、カミキリムシが飛んできて代わりにかついでくれたし、道の真ん中にフンが落ちていて通れないと、フンコロガシが現れて道を開けてくれたのだ。
 無事に家まで帰ったものの、臼がなくてお米をつけずにいると、コメツキバツタが現れて足でついてくれたし、薪がなくてたけずに困っていると、サワガニも現れてぶくぶくあわをだしてごはんを炊いてくれたのだ。
 そしてみんなでまあるくお釜を囲み、ひとつ釜のご飯を食べた。

 この絵本が長く愛されているのは、助け合うことの大切さと、一緒にご飯を食べることのたのしさを教えてくれるからだ。
 そのことを子どもたちに、しっかりと伝えていかなくては!

 記事全文は、ここから読めます。

 1年と4か月にわたり、ご愛読くださったみなさまに心より感謝します。
 微力ではありますが、韓国絵本の魅力を伝えるのに少しは役に立てたのかなぁと思っております^^
 これからは自分の絵本の創作に全力を注ぎますので、新作にご期待ください。
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by kimfang | 2016-03-12 17:24 | 連載