動物児童文学作家のキム・ファンです!!
17/1/10 ゾウの美都の小さな勇気
 韓国で1番読まれている雑誌、「좋은생각 いい考え」2月号の巻頭エッセイを書いた。日本でいうところのPHPのような雑誌だ。
 タイトルは、「ゾウの美都の小さな勇気」。
 京都市動物園のゾウ、美都(ミト)が2年ぶりに引きこもりのから回復した話と、自分の父親の話を絡ませて書いた。

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 美都は大正時代に建てられたゾウ舎とコンクリートの運動場で36年間も暮らしてきた。仲間もいなくなり、ずうっとひとりでいた。
 動物園のリニューアルを期に、土のグラウンドがある新しいゾウ舎が建てられることになり、ラオスから4頭もの子ゾウもやってきた。

 ところが、だ。美都は引っ越したその日から部屋からでなくなった。引きこもりになってしまったのだ。飼育員は何とか外へだそうといろいろ手を尽くしたが、ダメだった。引きこもりから2年になろうとしていた昨年10月、ようやく美都は、「小さな勇気」をだして外にでた。
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 同じころ、ぼくの父親も病気で歩けなくなった。杖をついたり、押し車を押したりすれば少しは歩けるのだが、かっこ悪いとか、押し車が女性用だなど、ああだこうだと理由をつけて外にでることを嫌がった。父親も11か月かかったが、今はようやく老人用カートで外にでるようになった。

 美都も父親も頭ではわかっていた。部屋に引きこもってはいけないと。しかし、変わってしまった現実を受け入れるのに「時間」がかかったのだ。
 同じような境遇の人たちに、美都と父親の「小さな勇気」に共感してもらいたくて書いた。雑誌は今日、発売^^  雑誌、「좋은생각」ホームぺージ

 京都新聞の記事
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# by kimfang | 2017-01-10 08:08 | 出版物
17/1/9 ヤマネコ飼育員物語ちょこっと解説 第7話
 第7話ではヤマネコとイエネコのちがいについて簡単にふれられている。では、具体的に外見はどのようにちがうのだろうか? 
 今日はそれを解説しよう。 (右は京都市動物園、左は東山動植物園の資料)
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☆耳の裏にある白い斑点、「虎耳状班」がある。
   トラだけでなく、ライオン、ヒョウにもあるのでこう呼ばれている。イエネコにはない。
☆耳の先が丸い。
  イエネコの耳の先がとがっているのに対して、ヤマネコは丸い。
   さらにイエネコよりも耳介が小さいのだ。
☆胴長で短足。
☆乳頭が2~3対。イエネコは3~4対。そう。子どもはふつう2頭。多くても3頭だから。
☆額の縞。額に黒と白の太い縞。これらが頭の後ろまで続いているのもイエネコとみわけるポイント。イエネコは頭の後ろまではない。
☆はっきりしない斑点。
   イエネコの「キジトラ」は「縞」、ツシマヤマネコは「斑点」。それもはっきりしない斑点。 これは森林のなかでは景色にとけこむ役割をはたしてくれている。
☆しっぽが太くて長い(22~25センチ)。

 イエネコそっくりだけど、ちがうでしょ^^

 第7話は、こちらから読めます。
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# by kimfang | 2017-01-09 10:11 | トピックス
17/1/7 ヤマネコ飼育員物語ちょこっと解説 第5話
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        (右の資料は、井之頭自然文化園)
 第5話は、ようやく子ネコたちが京都市動物園に到着したときの話だ。
 ここで「個体番号」というのがでてくる。今日はその解説をしよう。

 2016年8月現在、全国の10の施設で35頭が飼育されてるが、そのすべてに番号がついている。
 これは、だれがどの親から生まれたのかをしっかりと知るため。
 血縁が近い者同士がペアになって子どもが生まれると、遺伝的によくない子どもが生まれてくる可能性が高まるのだ。遺伝子のことも考慮して、ペアにしているのである。
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 ところで、栄えある個体番号1番は、1996年に対馬の上県(かみあがた)町の農道で、シカよけネットにひっかかって弱っていたオスの子ども。

 のちに、通称「じいちゃん」(2012年3月に死亡)と呼ばれて愛されたヤマネコだ。
 じいちゃんは13頭ものヤマネコのお父さんであり、個体番号13番、ミヤコのお父さんなのである。

 ヤマネコ飼育員物語 / 5 は、ここから読めます。
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# by kimfang | 2017-01-07 14:02 | トピックス
17/1/7 すばこで年賀状
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 出版社から年賀状が届いた。何と、「すばこで年賀状をつくりました」と書いてあるではないか!
 えっ? まさか、ぼくの絵本、そんなに期待されてるの? 
 いやいや、『すばこ』の担当編集者だから、個人的につくったんだろ……。
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 でも、もしや。

 ほるぷ出版のホームページを見て、超納得^^ ここをクリック!

 今年は「酉年」。うーん、「鳥年」でもある。(笑)
 そこで、出版社は自社の「鳥」関係の絵本をピックアップ。
 『オリバーくん』『にわとりとたまご』という世界的な名作の仲間に、昨年の新作ということもあってお情けで『すばこ』は仲間に入れてもらった。

 お情けでもいい。
 偉大な絵本と一緒にしてもらえて、こいつは春から縁起がいいわ^^
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# by kimfang | 2017-01-07 10:40 | トピックス
17/1/1 「ヤマネコ飼育員物語」連載開始!
 あけましておめでとうございます!
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 いよいよ、今日から「ヤマネコ飼育員物語」の連載スタート。掲載紙は送ってくださるのだが、やはり第1回は早く見たいと、近くのコンビニに買いにいった。

 1面のめだつところに「読んであげて」15面と大きくでている。
 急いで15面を開いたが……。
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 「あれれっ、でていない。コンビニで売ってるのって、大阪本社版じゃなかったのか?」
 そんな声を聞いて妻がやってきた。 「エンタメの別刷って書いてあるよ」

 あわてて別刷の15面を開いて、でてた! と安心^^

 まあ、いつもと変わらぬドタバタとした1年が、また、スタートとしたということだ。

 今年もよろしくお願いします。

 連載は、あるところまではインターネットで読めます。ここをクリック
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# by kimfang | 2017-01-01 11:05 | トピックス
16/12/31 ツシマヤマネコ賞、届く
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 きのう対馬から荷物が届いた。「とらやまスタンプ―ラリー」の景品だ。毎日新聞の連載の取材で、京都市動物園、愛知県の東山動植物園、東京都の井の頭文化園を取材していたが、ちょうどのそのときにやっていたのが、この、「とらやまスタンプラリー」だった。

 対馬ではヤマネコのことを「とらやま」と呼んでいる。山で見かけるトラ毛の動物だからそう呼ぶという。環境省は2015年から、ツシマヤマネコをもっとよく知ってもらおうと毎年10(とら)月8(やま)日を「とらやまの日」と制定した。

 それを広めようとはじまったのがほかでもない、この、「とらやまスタンプラリー」。ツシマヤマネコを飼育している全国10の施設で行われた。
3つの施設をめぐってスタンプを集めるとオリジナルタオルがもらえる「ツシマヤマネコ賞」。全部の施設をめぐるとツシマヤマネコ米1年分がもらえる「完走賞」。対馬の施設を含むほか2つで、ヤマネコ米の詰め合わせセットがもらえる「「対馬経由賞」がある。
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 もちろんぼくは、いちばん簡単な「ツシマヤマネコ賞」に応募。そしてきのうオリジナルタオルが届いたのだ。
 包みを開けてビックリ! 
 タオルは思っていたよりも分厚くしっかりしていて、かっこいい系のデザイン。
 タオル以外にも「交通事故防止ステッカー」も入っていた。これらは寄付金で行われているという。

 ひとり3口まで応募可能ということで、3セット届いた。

 出版社のみなさ~ん、ぼくのヤマネコの本、だしてくたれたらもれなくプレゼントしますよ~!^^
 
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# by kimfang | 2016-12-31 09:55 | トピックス
16/12/30 図書館の人が韓国に伝えた紙芝居
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童心社がだしている「母のひろば 631号」の「ひろがる!ひろがる!紙芝居」のコーナーに寄稿した。

 図書館の人が韓国に伝えた紙芝居
   
 ぼくが韓国ではじめて紙芝居を演じたのは2012年のこと。図書館側との打ち合わせで、自作の紙芝居を上演したいとお願いしたところ、「何ですか、それ?」と質問がきた。今でこそ紙芝居は「クリム(絵)ヨングク(演劇)」と呼ばれているが、そのときはまだ、紙芝居を指す韓国語すらないも同然という状況だった。

 さて上演すると、子どもたちははじめて見る紙芝居に興味津々。いやむしろ、後ろで見ている大人たちの方が物語にどっぷりと入りこんだ。主人公がピンチになると「チチチ」と舌打ちするし、ピンチを脱すると「おう」と安堵する。韓国は感情表現が豊かなお国柄、紙芝居は必ずや受け入れられると確信した。そこで初上演以来、荷物が許すかぎり、重くても旅行カバンに紙芝居舞台を詰め込んで講演へとでかけていっている。
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 2015年3月、ソウル市の「道峰1洞子ども図書館」での講演のことだった。控室に入ってカバンから舞台をとりだすと、「うわっ、紙芝居舞台だ!」とマ・ヨンジョン館長が嬉しそうに声をあげた。紙芝居のこと知ってくれていて、こちらも嬉しかった。すると、講演が終わるや否や、読み聞かせボランティアの方たちがぼくを取りかこんだ。彼女たちがぼくに見せにきたのは、手作りの紙芝居と、手作りの紙芝居舞台。聞くと、マ館長が日本の図書館との交流会で紙芝居の存在を知り、それをボランティアの人たちに話したところ、自分たちもやりたいと手作りしたとのこと。この日の食事会は、にわかに「キム講師による紙芝居講座」となったのだった。
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 そして今年10月。京畿道龍仁市の「ヌティナム図書館」にいくと、何と、童心社の紙芝居と舞台があるではないか。パク・ヨンスク館長に理由を聞いた。
「2009年に韓国の図書館関係者が、日本の〈親子読書地域文庫全国連絡会〉から招待を受けて東京を訪問したときに、レセプションの席で、わたしたちは紙芝居をはじめて見ました。2013年には日本の〈むすびめの会〉(図書館と在住外国人をむすぶ会)の方たちがヌティナム図書館を訪ねていらしたのですが、一緒に訪れた図書館関係の方が、これをプレゼントしてくださったのです」

 このように日韓の図書館交流で韓国に紙芝居が紹介され、さらに韓国人と結婚した現地の日本人が図書館での多文化プログラムで紙芝居を演じるなど、紙芝居が徐々に広がりはじめている。パク館長はつぎのようにつけ加えた。
「今はまだ、日本の方がときどき上演するぐらいですが、韓国語版があれば、もっと頻繁に上演されることでしょう」
 韓国語版発売が待ち望まれている!
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# by kimfang | 2016-12-30 09:22 | トピックス
16/12/30 告知記事でました
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 毎日新聞連載の告知記事がでた。5月の末に依頼を受けて7か月。いよいよである。

 ところで、画家さんの顔写真見て、おどろいた方も多いことだろう。決して、ふざけているのではありません^^ これには深い理由がある。画家はこの物語の主人公、髙木直子さん本人で、物語のなかで本人が絵として登場するということで、写真ではなく絵なのだ。

 ノンフィクションは「物語」と「科学読み物」が合わさったようなもの。文章を補完する「知識の絵」がむしろ大事なのだ。
 髙木さんは今回、その両方の絵を見事に描いてくれた。
 絵にも、こうご期待^^

 記事はこちらから読めます。
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# by kimfang | 2016-12-30 08:09 | トピックス
16/12/28/ ヤマネコとの出会い その5
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 京都市動物園の髙木飼育員は、彼女がキリンの飼育員をしているときに取材させていただいた。
 動物園の動物たちがより自分らしく暮らせるように工夫する「エンリツチメント大賞」を受賞する過程を本にした。(共著。『イルカのジャンプに夢を乗せて―動物の仕事は楽しい』ポプラ社に収録)

 髙木飼育員が12年間担当したキリンからヤマネコに担当が変わったことは知っていたが、やはり、ツシマヤマネコのことを書くには対馬に通わなくてはいけないと思い込んでいた。
 しかし今春からは両親の介護もあり、遠方への長期の取材はできない。
 もう、ツシマヤマネコを題材とした、長編の児童文学は書けないのでは……と諦めていた。
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 そんな今年5月末、毎日新聞の記者さんから「読んであげて」の連載のお話をいただいた。真っ先に頭に浮かんだのは、ほかでもなくツシマヤマネコだった。
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 「ネコエイズ」からアプローチして失敗したてつをもう一度踏んではならない。
 いろいろ悩んだ末、ヤマネコ飼育員である髙木さんの奮闘記にすることにした。ロードキルを真正面ではなく、物語のなかに取り込むのも、ありではないか!
                 まずは、ツシマヤマネコを知ってもらうところからはじめよう!
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 京都市動物園に相談したところ、快諾をいただいた。
 東京都の井の頭、愛知県の東山も取材した。

 このようにぼくは、2005年にヤマネコに関心を持ってから11年間、試行錯誤を繰り返してきた。その経験と知識を元旦からの連載「ヤマネコ飼育員物語」にうまく反映させたいと思っている。
 こうご期待! 明日。告知記事がでますよ^^ おわり。
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# by kimfang | 2016-12-28 08:07 | トピックス
16/12/23 ヤマネコとの出会い その4
 翌年、DMZで取材したソウル大の獣医師を紹介してくれた友人から2枚組のビデオが届いた。獣医師が主人公のドキュメンタリー映画ができたので贈ってくれたのだ。
 しかしぼくは、もう一本の方の映画、「ロードキル」をテーマにした映画、「ある日、その道で」(日本未公開)を観て、またまた衝撃を受けた。
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 主人公の動物学博士がロードキルの調査を行う。事故に会ったヤマネコを保護し、「88 パルパル」と名付けた。(88年のソウルオリンピックのときにできた高速道路で保護したので)

 博士たちは発信器を装着してヤマネコを自然に帰す。今まで、ヤマネコの行動範囲などは詳しく研究されたことはなかった。何と、自分の生まれ故郷までもどるという、想像を超える距離を移動したことに感動した、そのとき、ヤマネコの死体発見の報告を受ける。駆けつけるとそこで死んでいたのは「88」だった。
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 映画のナレーションはおおよそつぎのようにいった。
「野生動物は密猟よりも、はるかに多い数、ロードキル、交通事故で死んでいる」
「野生動物が死ぬと、それはほかの生きもののえさになったり、土に帰ったりする。しかしロードキルで死んだ動物は、繰り返しひかれてホコリになるだけ」
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 ロードキルを少しでも減らしたいと願い、絵本『アニマルパスウェイ』を書いた。出版社を探すのに3年、絵ができあがるのにさらに3年待って、2015年に絵本が韓国ででた。
 上記の映画を撮ったファン・ユン監督には、推薦文も書いてもらった。
 何と、女流映画監督は、DMZで出会った、あの、獣医師の妻だったのだ。

 この絵本の主人公はモモンガだが、ぼくはDMZで出会ったヤマネコと、映画の「88」の無念の想いを込めた場面をつくった。
 車にひかれたカエルを食べているうちに、さらにロードキルが起こる。それがこの絵だ。

 ところがこの絵本のあとがきを書いているとき、対馬のヤマネコも交通事故で危機にさらされていることを知るのだ。今度はそれを何とかする物語を書かなくては!
 そう。ネコエイズと同じくらい恐ろしいのが交通事故だと、ようやくわかったのだ。
 そんなとき、ツシマヤマネコに、直接、かかわっている人が身近にいることに気づいた。つづく。
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# by kimfang | 2016-12-23 13:08 | トピックス