「阪神地区学校図書研究会」の講師として招かれ、「絵本がつなぐ日韓」というタイトルでお話させていただいた。 実はこの講演、昨年の7月に依頼があった。当時、11月と聞いたので、4か月後だなぁと思って快諾したが、何と次の年の11月と聞いて、そんな前からと笑ってしまった。 しかし一年と4か月も準備期間がありながら、期待外れの話になっては申し訳ない! というプレッシャーですご~くたいへんだった。 日韓で発売された韓国絵本50冊を展示した この研究会は、子どもたちと本との素敵な出会いを真剣に論じるための場だ。 日韓で絵本をだしているからこそいえる創り手としての話と、日韓の子ども図書館の交流をお話させていただいた。 学校図書館にかかわっていらっしゃる先生たちだ。話が韓国の子ども図書館の話に及ぶと、やはり、目の輝きがちがった。 ぼくが紹介したのは韓国の子ども図書館をリードしてきた「ヌティナム図書館」の活動だ。 子どもたちにも容赦なく襲いかかる、格差、差別、孤独。 安息の場を失った子どもたちに何とか居場所を作ってやりたいと願ったパク・ヨンスクさんが、2000年の2月にマンションの地下にある狭い部屋を借りて、そこに私財を投じて準備した3,000冊の本を置いたことからその活動ははじまった。 ヌティナムとはケヤキのこと。大きな樹になれと名付けられた。 写真左 「第1回 韓日図書館シンポジウム」 写真右 「第2回 図書館運動の歴史と未来」 ヌティナム図書館にて それまで図書館といえば、声をださずに静かに本を読むのがそれまでの常識だった韓国で、読み聞かせなどの児童サービスを実施。やがて子どもたちだけでなく、親も本を持ち寄って勉強会を実施するなどその輪は広がり、図書館を中心とした「小さなマウル(村・共同体)」ができた。 そんな「図書館らしくない図書館」ヌティナムは全国に名を馳せ、これをモデルとした子ども図書館が次々とできていった。そしてついに昨年、地下の狭い部屋から移転し、4階建ての立派な図書館となったのだ。 パク館長は、「手本も何もない中、手さぐりでやってきて、ふと気がつくと、日本の家庭文庫のようになっていた」という。そう、文庫運動のことはまったく知らなかったのだ。日本の文庫運動を知ってからは積極的に交流している。 2008年の10月、新しく図書館を開館した記念に、正置友子先生と広瀬恒子先生を招待し、「第1回韓日図書館シンポジウム」を開いた。今年の5月には、「図書館運動の歴史と未来」というシンポジウムを、松岡享子先生を招待して開催した。 すると今度は、日本側が韓国側を招待。先月にヌティナムの代表者たちが日本を訪れた。このような交流が進んでいることをお話させていただいた。 さて、何かを得ていただけたのだろうか? それが心配だ ^^
by kimfang
| 2009-11-28 14:50
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