先日、メル友の翻訳家さんから、韓国の農夫を描いた
『牛の鈴音 워낭소리』という話題の映画があるよと教えてもらった。
『牛の鈴音』のことはまったく知らなくて、早速、ツタヤで借りて観てみると、なんとも素晴らしい映画。
老夫婦と、老いぼれたメス牛しかでてこないのに、どんどん映画の世界に入り込んでいった。
2008年プサン国際映画祭での最高ドキュメンタリー賞をはじめ、数多くの賞を受賞し、韓国のドキュメンタリー映画で最高の興行成績を収めた理由がわかった。
その感動を家族で共有したくて、家人に無理やり見せ、子どもたちが「ヒマ」になるのを待って見せたら、返還日をとうに過ぎていて追加金をとられてしまうはめに。
でもまあ、家族で見られて満足している。
日本では発売されていないが、野生動物の交通事故―ロードキルを扱った
『いつかその道で 어느 날 그 길에서』も考えさせられるいい映画だ。
どんどん作られていく道路。
その傍らで生息地を分断させられていく野生動物たち。
仲間に会うため、獲物を捕るため、
やむなく渡った道路でロードキルに会ってしまう彼らの現実を見事に描いている。
とりわけ、せっかく助けた「88」という名のヤマネコが、悔しくもロードキルにあって死んでしまう場面は衝撃的だ。
韓国はテレビも映画も本もみな、「つくり話」は強かったが、「事実」を描くノンフィクション部門はかなり弱かった。
しかしテレビ番組から映画にもなった「北極の涙 북극의 눈물」や映画「ウリハッキョ 우리학교」など、近年、目覚ましい発展を遂げようとしている。
テレビ番組も、ドキメンタリー番組が数多く作られるようになってきている。
とてもいい流れだ。
前回は、まだまだノンフィクション児童文学が根付いてないと嘆いたが、このような流れが児童文学の方にも大きな影響を与えてくれることを切に望んでいる。