前回触れた、韓国の出版社―チャンビから児童文学雑誌『チャンビ オリニ』への原稿依頼があった。 日本児童文学者協会がだしている『日本児童文学』のように、『チャンビ オリニ』は韓国で児童文学に携わっている人が必ず読む本だ。 (今年はぼくが『日本児童文学』の「ノンフィクション時評」を担当している。次回は7-8号) 依頼の内容は「ノンフィクションをどう書くか」。韓国を代表する4名がリレーエッセイを書くことになったのだが、そのなかのひとりに名を連ねることができるなんて、至って栄誉なことである。 そもそもぼくが活動の場を韓国に広げた理由のひとつに、韓国におけるノンフィクション児童文学の脆弱さがあった。 絵本や創作童話は日本に負けるとも劣らないレベルまできているのに、ノンフィクションは、その重要性すら認められていない状況だった。 何とかしたい! 05年からそんな思いでやってきたから、「いよいよ、ノンフィクションに目が向くようになったか」と感慨深い。 さてさて、肝心なのは内容だ。どんなことを書こうか? そういえば、昨年の6月に児童文学者協会・関西センターでノンフィクションの書き方という講演をしたことを思い出した。 その内容をパパパッと簡単に翻訳して送った。これをたたき台にして詰めていこうと。 「たいへん、面白い。韓国ではあまり知られていないノウハウが満載です。これでいきましょう」 と、返事がきた。 内容のひとつに「地方の図書館はネタの宝庫」というのがある。 絵本と紙芝居(童心社より8月に刊行予定)になった『くちばしのおれたコウノトリ』は、福井県の越前市図書館で見つけた資料から生れた。 『サクラ』も兵庫県の宝塚市中央図書館で資料を見つけられなかったら、生れなかった。 ここでは「諏訪子と歩んだ50年」という神戸市立王子動物園の歴史をつづった資料も見つけたのだが、 そのなかに1958.4.27の産経新聞の記事が載っていた。 日米友好のために、チョウセンシマリスをシアトルへ贈るという記事だった。 どうして日米友好のために、韓国のシマリスが贈られることになったのだろうか? この疑問を追いかけるうちに(今月下旬に発売)『다람쥐 チョウセンシマリス』が生れた。 と、いうように。 あなたの町の図書館に、本なるすばらしいネタが埋もれているかも知れない。
by kimfang
| 2011-06-11 12:44
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