今年もよろしくお願いします。
昨年、韓国でだす予定だった「イヌの科学読み物」の本格編集がようやくはじまった。
3月の発売を目指して最後の確認作業が続いている。
ところで予定が遅れたのは、「東京犬」(トンギョンイ 「慶州犬」ともいう)の天然記念物指定を待っていたからだ。
「東京」という名前を聞いて、あれっ?と思った方も多いと思う。それって韓国じゃなくて、日本の都市じゃないの?―と。
歴史の授業などで「新羅」という朝鮮半島の古代国家の名前を聞いたことがあると思う。慶州は新羅の首都がだったが、高麗時代には「東京」と呼ばれていた。そこにいるイヌを「東京犬」(トンギョンイ)と呼んだのだ。
トンギョンイの最大の特徴はしっぽだ。
しっぽのないマンクスというネコがいるが、イヌでしっぽがないのは世界的にも極めて珍しい。
慶州あたりで発見された5~6世紀の新羅の土偶にはイヌが多い。そのなかにはしっぽのないイヌやとても短いイヌがある。古い文献にも、しっぽのないイヌや短いイヌがでてきたが、もう滅んでいないと思われていた。
ところが子孫と思われるしっぽのないイヌがまだいることがわかり、2005年から本格的な研究と繁殖がはじまった。
昨年、イヌの訓練施設に取材にいったおり、慶州市が天然記念物指定の指定に向けて動いているという内部情報を得て慶州市に問い合わせたところ、天然記念指定の申請はすでに済ませていて決定を待っている段階だときいた。 (写真は慶州市が配っていたキャンペーンカレンダー)
もちろん、本のなかでトンギョンイも紹介する。「天然記念物」と書いた方がいいに決まっている。
そこで決定を待ってから編集に入ろうということになったのだが、いつ結論がでるのかはっきりしなくてイライラしていた。
昨年11月12日、ようやく正式に決定し、それを受けて12月から編集がはじまったというわけだ。
観光で慶州にいかれる方は、トンギョンイにも関心を持って!