先週、韓国のフリーランス編集者から連絡があった。2009年に契約した「赤とんぼ」(アキアカネ)の絵本が、ようやく9月にもだせそうだという連絡たった。
生きものたちの成長過程を描くシリーズ絵本――。2008年、フリーランスの編集者になった彼女が、友人の画家、イ・テス氏とともに立ちあげた大型企画だ。ふたりの友人でもあるぼくにも原稿の依頼があり、仲間のフリーランスデビューを祝って絵本「赤とんぼ」と「カワセミ」を書いてプレゼントした。 ところが、シリーズ最初の巻ができる直前に出版社とトラブルが起こり、本がだせなくなってしまった。おりからの出版不況だ。まだまだ生きものに関心の薄い韓国において、10冊ほどにもなる生きものシリーズ絵本をだしてくれる出版社を探すのは、困難を極めた。 それでも彼女の粘り強い努力で、2012年にだしてくれる出版社が何とか見つかり、ようやく最初の絵本がでた。 で、いよいよ後ろの方に控えていたぼくの絵本もそろそろ出番が訪れた。アキアカネは田んぼで生まれたあと、暑さを避けて旅に出て、秋になると里へ戻ってくる。ぼくの本も、5年もかかってようやく里に帰ってきたというところだ。 ところで、トンボというと語りたい絵本がふたつある。 ひとつは日本の写真絵本『さよならトンボ』(文化出版局)。絵本にっぽん賞を受賞した名作ロングセラー『イエペはぼうしがだいすき』(文化出版局)の石亀泰郎さんのトンボの絵本だ。 もうひとつは韓国の『쨍아』(トンボの方言)。ぼくがモデルになった絵本『세탁소 아저씨의 꿈 クリーニング屋おじさんの夢』の絵を担当したイ・グワンイクさんが、絵を担当している詩の絵本。 この絵本は、2011年におおたけきよみさんが訳して『とんぼ』(岩崎書店)というタイトルで翻訳出版されている。 ふたつの絵本はふたつとも、トンボて何? どんな暮らしをしているのかな? などというトンボの生態をいっさい何も語らない。ただただ、秋に死んでいく赤とんぼの姿を、『さよならトンボ』は写真で、『とんぼ』は大胆な構図の絵で描ききっている。 ふたつの絵本は「死」を扱っているのだが、読んだ後は「生きる希望が湧いてくる」、素晴らしい絵本だ。 ぜひ、日韓のトンボ絵本を読んでほしい。 ちなみにぼくの「赤とんぼ」絵本は、こてこての科学知識絵本です^^
by kimfang
| 2014-07-17 08:34
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