韓国絵本紹介コラム10回目です。
本当の強さとは何か 何てカラフル。これが、韓国のニワトリなんだ! 2001年のこと。書店で見つけた絵本を見て叫んでしまった。主人公の雄鶏は、茶色っぽい体から緑色の羽根がついた翼を広げ、黒と紫色をした尾羽を優雅になびかせていた。 今回紹介するのはそのときの絵本、 『せかいいち つよい おんどり』(原題 세상에서 제일 힘센 수탉)だ。 ところが、韓国のニワトリについて調べてみると、悲しい現実を知ることに。悲運のはじまりは日本統治時代に、日本から生育が早くて産卵数も多い外来種を積極的に導入したことだ。韓半島在来のニワトリは徐々に飼育数を減らしていった。 それに追い討ちをかけたのが6・25(韓国戦争)。戦う兵士の胃袋を満たすために、海外から途方もない数のニワトリが持ちこまれた。 そして戦後も、生産力の向上だけを追及したために、ついに純粋な血統を持つ韓半島在来のニワトリは滅んだのだ。 この絵本のニワトリは、韓国のニワトリではないのか? 画家さんに直接会って話を聞きたいという想いは日に日に募っていった。チャンスは突然に訪れた。イ・オクベさんがシンポジウムにパネリストとして招かれたのだ。 「子どものころ田舎で見ていたニワトリをイメージしました。今や消えさってしまった在来種の堂々とした姿を再現しようと、博物館や画集に残っている朝鮮時代の画家、ピョン・サンビョク、チャン・スンオプの描いたニワトリの絵と民画などを参考にして、手探りで主人公の雄鶏を創りあげていきました」 さて、物語の内容だ。生まれたときから世界一。かけっこもジャンプもケンカだって得意。ほかの雄鶏からは悔しがられ、雌鶏からはモテモテだったが、やがてもっと強い雄鶏が現れる。 がっかりした雄鶏はお酒ばかり飲むようになった。それを見た奥さんの雌鶏は、「本当の強さとは何か?」を雄鶏にそっと気づかせてあげる。 この絵本は1997年の発売以来、今も読み継がれている名作で、教科書にも収録されている。やはり韓国初の「IBBY選定優秀図書」は伊達ではない。IBBYとは国際児童図書評議会の略称。約77か国が加盟し、「小さなノーベル賞」ともいわれる「国際アンデルセン賞」もここが与えるのだ。 滅んでしまった韓半島在来のニワトリだったが、国の在来種家畜復元事業で蘇った(写真、ソウル大公園にて)。 コラム全文はここから読めます。
by kimfang
| 2015-02-26 20:10
| 連載
|
リンク
メールアドレス
kimhwang00@ybb.ne.jp サイト内検索 検索
カテゴリ
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 more... ファン
ブログジャンル
サイト内の絵、イラスト等には著作権があります。無断複写・転載を禁じます。 【 出版物 】 |
ファン申請 |
||