動物児童文学作家のキム・ファンです!!
17/9/12 『かさをささないシランさん』翻訳
f0004331_10260434.jpg
f0004331_10261878.jpg

 人権絵本の名作として広く知られている『かさをささないシランさん』を韓国語に訳した。

 1991年に日本で出版され、今は絶版となっているこの絵本が韓国でてるまでには、数々のドラマがあった。

 ご存知ぼくは在日コリアンとして日本で暮らす中で、様ざまな困難を経験し悩み、はからずとも人権について考える機会に恵まれた。そんな中で出会ったのが、この絵本だ。もっと多くの人に読んでもらいたいと思っていた。

 2006年ごろ、ぼくはこの本が韓国でもでればと思い、簡単に訳した(まさか自分が翻訳者になるとは思っていなかった)ものを複数の出版社に「だしませんか?」と提案したが、どこも関心をしめなさかった。

 いつしかその翻訳原稿は、忘れさられてしまった。

 そんな2016年、はじめて訪ねた천개의바람千の風)出版社の代表との雑談の中で、

「先生、もしかして、『かさをささないシランさん』という本を知ってますか?」

と、問いかけてきたのだ。

「知ってるも何も、わたしはこの本を韓国でだしたくて10年も前から出版社を探していたのですよ! いま、このパソコンの中に原稿があります」

 代表は絶版になってしまったこの本を何とか手に入れたいと、日本にいって古本屋を廻ったが、努力のかいもなくついに見つけられなかったという。

 代表の執念が、ぼくを呼び寄せたのか^^ すぐにその場で、出版が決まった。

 しかし版元の出版社はすでになくなっているため契約は難航。文、絵、企画、デザインの各氏に個別に連絡を入れて交渉するなどして、さらに長い時間が過ぎた。

 そうしてようやく先日の5日、韓国語版は発売された。

 じつはぼくの翻訳家デビューは、この本で飾る予定だったが、契約に至るまでに時間がかかり、あとで持ちこんだ企画(干潟のくちばしじまん)に先を譲ることになった(2作目)。

けれども、出版までに10年もかかったこの本は、忘れられない一冊にまちがいない。


絵本ナビ みんなの声    韓国大手ネット書店 アラジン






[PR]

by kimfang | 2017-09-12 10:29 | 出版物