動物児童文学作家のキム・ファンです!!
09/2/14 カニ食いてぇ~
 シリーズ絵本「더불어생명」(生きものと共に)の次回作を書いた。このご時勢だ。
いつシリーズを切られるかわからない。契約が済んだら、間髪を入れずに次回の契約を取らないと…ふー。
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 で、「シオマネキ 농게」の話を書いた。
 オスの片方のハサミが巨大化するのは、ずばり求愛のため。メスに向かって一心不乱?にハサミを振るオス。でも、求愛しながらも、小さいほうのハサミで食事しているヤツもいるというから、何とも微笑ましい。

 シオマネキには「右利き」と「左利き」がいる。その比率は、5:5。
 人間は90%が右利き。原始時代から戦いの日々を送っていた人類は、左胸に傷を負うと大量の出血で死ぬことを知り、左手で盾を持ち心臓をかばい、右手に武器を持った。それでほとんどが右利きになったという。

 左利きのぼくは、右と左が半分ずつの社会が羨ましい。
 最近、なにかと電車で出かけることが多くなったが、券売機も、改札も、(社会も)みんな右よりになっていて、生きづらい。

 さて、どうして右利きと左利きが半々か? それを説明せずにさりげなく描くのが今回の絵本の「味噌」(因みにカニ味噌はカニの肝臓に相当する)。小さな子ガニのときに、左右どちらかのハサミがぽろんと落ちる。どちらが落ちるかはまったくの偶然。5:5。
 カニは取れたハサミや足が「再生」するが、落ちた方のハサミは小さなハサミに。落ちなかった方は、より成長して巨大なハサミになる。
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 でも、大きなハサミでは食事はできない。メスは卵を産まなくてはいけないから、両方小さいハサミでせっせと食べる。ホンマ、うまいことできてまっ。

 ところが、韓国ではこの愛らしいシオマネキを「게장 ケジャン」にして食べるというではないか! 
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 人が食べているのに「더불어생명」(生きものと共に)はまずい。
(いやっ、「게장」はうまい! 特に子持ちのワタリガニの「게장」は)



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 そこで、赤くて大きくて見栄えがする「シオマネキ」をあきらめて、地味で小さな「ハクセンシオマネキ 흰발농게」を主人公にした。ま、仕方ないが、こちらの方は鳥のエサになっているのでストーリー的には書きやすかった。
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 しかし、調べみると、シオマネキを食べているのは韓国だけではなかった。
 日本でもちゃんと食べている。

 佐賀県に伝わる「がん漬け」はシオマネキの塩漬けを発酵させたものだ。

 
九州は半島と食文化が似ていることが多い。「がん漬け」と「게장」のルーツをたどるのも面白いネタだなぁ。


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 そんなことを考えていると、カニが無性に食べたくなった。
 もちろん「漬けものカニ」。そう「게장」。
 行きつけの韓国料理店にたずねると、ワタリガニは今、産卵期で手に入らないという。

 うーん、게장食いてぇ!

 ワタリガニの게장
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# by kimfang | 2009-02-14 14:22 | トピックス
09/2/8 4大江殺し
 昨年11月に韓国で行われたラムサール締約国会議でのこと。 
 「ここでぼくが発表すると、政府を助けることになってしまいます。でも…世界の人たちと意見を交わしたくて…悩みに悩んだ末に、ここに立ちました」
 若き研究者が、ふーと大きく息をついたあと、声を震わせながら絞り出した言葉だ。私的な発言であったために、英語の通訳は行われなくて外国人には伝わらなかったが、多くの韓国人が彼に強いシンパシーを感じた。
 
 ご存じのとおり韓国は今、保守派のイ・ミョンバク政権だ。大統領は選挙公約に「韓半島大運河」を掲げて当選した。
 現代(ヒョンデ)建設の社長時代、ドイツのライン川運河を見て初めて構想したというその事業は、最終的には南北を貫く17本、3100キロの運河を造るという壮大な構想だ。工事で雇用を創出できるだけでなく、川底に蓄積した汚染物質も除去できる。まずはソウルを流れる漢江とプサンに注ぐ洛東江をつなぐ工事から始めると訴えた。
 ところが、環境破壊だ!という批判や、費用対効果を疑問視する声が上がった。与党・ハンナラ党(当時は野党)の中からも強い反対意見が出ていた。
 イ大統領は就任直後、早々に国土海洋部に大運河推進チーム組織し、計画を推進しようとしたが、国民の反対は想像よりも大きかった。6月のろうそくデモを受けて「国民が反対するなら推進しない」と事実上の白紙撤回を約束したのだった。 f0004331_9484987.jpg 
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    写真左 洛東江河口エコセンター                 写真右 河口が鳥の目線で観察できる
 
 なのに、世界経済危機が起こった11月、政府は「4大江整備事業」と題した政策を発表した。韓国を代表する大河である、漢江、洛東江、錦江、栄山江の四つの川を整備するというもので、約20万人の雇用を創出し、23兆ウォンの経済効果が期待できる?とした。
 「大運河」とはちがう事業だというが、誰がどう見ても「大運河の強行」としか思えない。ラムサール誘致に積極的に動いた環境団体の一部が、会議をボイコットすることで抗議した。冒頭の若い研究者の言葉は、このような背景の中から生まれたのである。
 結果、ラムサール会議は、韓国初の国際環境会議という輝かしいものになるはずだったのに、地道な運動をしてきた市民の参加は少なく、逆に、自らの活動を世界にアピールしようと乗り込んできた日本人で溢れ返ってしまった。
 「ラムサール会議は日本の祝祭?」とマスコミが皮肉くる始末。一方、日本人からは、ラムサール会議を誘致しておいて大規模開発をする韓国はけしからん!と非難が飛んだ。
 政府は「グリーンニューディール政策」として、あくまでも「4大江整備」を推し進める構えだ。姑息にも呼称を「4大江サルリギ(살리기 蘇生)」と替えたが、「4大江チュギギ(죽이기 殺し)」に他ならない。土木会社救済のために、江が殺されようとしている。
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                       洛東江エコセンターから見た洛東江河口の美しい夕日。
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# by kimfang | 2009-02-08 09:46 | トピックス
09/1/28 天使のはね
 ♪ ラララン ランドセルは
  テテテン 天使のはね ♪
 このコマーシャルソングが頭にこびりついて離れない。車を運転する時も、風呂に入っていても、トイレでしゃがんでいても、思わず口ずさんでしまう。

 韓国で出る「世界の動物絵本シリーズ」の選定作業をしていることを覚えているだろうか? 絵本を持ち寄って会議をするのだが、絵本は重い。だから旅行カバンに入れてコロコロ転がしていく。
 先日は、バス停でバスを待っていたら、犬を散歩させている友達と出会った。
 「ねぇ、旅行いくの?」
 「ううん、会議」
 「?…」
 友達は、理解できずに首をかしげていた。

 つまり、それぞれ自分が推す絵本を持ち寄って集まり会議。全員の意見が一致すると、あらすじと推薦理由をA4用紙にびっしりと書いた物に、絵本全文のコピーを添えて一冊完了。これを三人が手分けして40冊分行うという仕事なのだ。ふー。
 
 出版社からチームに与えられる報酬は決まっている。出来得る限り節約しなくては、取り分が少なくなる。そこで、会議はミスドやマクド。毎回、コーヒー一杯で4時間以上粘る。
 コピー代も節約しなくてはいけない。そこでぼくは、近くのスーパーの二階にあるコピー機を使う。絵本の表紙はカラーコピーをしなくてはいけないのだが、ふつうにコンビニでA3をやると80円もする。スーパーは50円で安い。

 さて、そのスーパーのコピー機のあるところが、まさにランドセル売り場のまん前なのだ。あの「天使のはね」のコマーシャルソングが、自動再生で流れ続ける。ちゃんと、調べたわけじゃないが、10分間のビデオで10回は流れる。
 いつも1時間はコピーしているから60回も聞いていることになる。さらに家に帰ってテレビをつけると
 ♪ ラララン ランドセルは
  テテテン 天使のはね ♪

 ホンマ。洗脳されてしまいますわ。

 しかし、いつも感心させられることがある。
 このコピー機の隣に大きなベンチがあって、いつも、おじいちゃん・おばあちゃんが愛用している。
 そのお年寄りが休む間にも
 ♪ ラララン ランドセルは
  テテテン 天使のはね ♪
 「そうや、○○のランドセル買わなあかん」といった老人を5人も目撃した。

 スーパー、お主も悪よのう

 まだ、あともう少し、「天使のはね」を口ずさむ日々が続きそうだ。
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# by kimfang | 2009-01-28 17:04 | トピックス
09/1/14 本屋に並ばない本
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 ぼくは今、本屋に並ばない本を書いている。
 こういうと、みなさんは、あーあっ、アイツはついに、そこまで落ちぶれたか。本屋に並べられないほどひどいスケベエな物語を書いているのか、と思うかもしれない。
 どうぞご安心を。「世界の動物絵本シリーズ」という、極めてまじめな絵本を書いている。しかも、40冊からなる大きな企画であるが、決して本屋には並ぶことのない絵本なのだ。不思議でしょ。

 えっ、なぜ? そんな絵本が韓国の書店に並ばないの? それはみなさんが、一番理解できないところだろう。
 実は、ぼくも、韓国独特のシステム理解するまでに二年ほどかかった。このブログで、そのことがちゃんと伝わるか心配だけど、勇気をもって話を進めよう。

 韓国では大きく分けて「単行本」と「全集」という、ふたつの種類の本が存在する。つまり、本屋さんに並ぶ「単行本」(シリーズでも、こういうからややこしい)と、本屋さんには決して並ばない「全集」(多くの場合、インターネットだけで売られている)があるのだ。
 今、ぼくがしているのが、本屋に並ばない「全集」の仕事なのである。
 日本ではもうなくなってしまったけれど、むかしは「家庭用の児童書セット」って、売っていて、みなさんの家にもあったはず。そう。それが、韓国でいう「全集」なのである。
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 最初はこのシステムに戸惑った。世界的な名作の韓国版を手に入れたかった。しかし出版されているのに本屋では売っていない。何が何だかわからなかった。
 簡単なことだ。「全集」の目玉にしてしまうから、それが欲しければ「全集」を買わなくてはいけない。と、いうシステムなのである。
 確か?「はらぺこあおむし」も「全集」のひとつだったが、猛抗議を受けて「単行本化」されたと聞いたことがある。

 とにかく、韓国では、「全集」を専門に出す出版社が半分。本屋に並ぶ「単行本」を出す出版社が半分。両方している出版社は、一部の大手だけ。しかも、全集出版社は、ブロードバンド普及率世界第二位というネット社会をフル活用して成長し続けている。
 ここからの仕事も受けないと、韓国では作家してやってはいけないのも現実なのだ。

 しかし、悪いことばかりではない。「単行本」に比べると、べらぼうに安い。しかも、大学の教授や教育のプロが、幼年期から高学年までの子どもが読むのにふさわしい本を選んでくれる。   「全集」を揃えれば子どもに必要な本を兄弟で回し読みできる利点がある。
 日本では区にひとつは図書館があるが、韓国では図書館がない地方が、まだ、たくさんある。「全集」は、そんな韓国の事情もあって伸び続けた。この不景気で、ますます伸びるだろう。

 今までも、「全集」の仕事を手伝ったことはあるが、今回は話がちがう。動物絵本の生物学的な記述をチェックするアドバイザーだから責任が重い。
 ところが、これが、なかなか手間がかかる。選んだものがすでに韓国で出ているケースも多い。40冊を選ぶのはなかなかたいへんだ。

 絵本は血眼になって読むものじゃないよね、たのしく読まなくっちゃねぇ。
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# by kimfang | 2009-01-28 16:40 | トピックス
09/1/13 人生を変えた本
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 人にはそれぞれ、自らの人生を変えた本との出会いがある。
 それは小説だったり、一編の詩だったり、ときには絵本だったりもする。
しかしぼくは図鑑と出会って、人生が変わってしまった。(何とも、ぼくらしい)
 その本は韓国で1994年に発売された『우리 새 백 가지』。「私たちがほんとうに知らなければいけない我が国の鳥 100」という鳥類図鑑だ。
図鑑といっても写真よりも文章が多く、相当に重くて分厚い。もちろん持ち歩くのに適していないが、専門知識を分かり易く広めようとする熱い想いがみなぎる本だった。
 ところでこの本は、ぼくが選んだのでもなく、買ってきたのでもない。なのに、偶然に我が家へやってきて、さらには偶然にも、著者と知り合いになるという幸運をもたらしてくれた、まことに不思議な縁を持つ本となった。

 まずは、どのようにして、我が家にやってきたのか?から、話そう。
 多分、みなさんはぼくが在日韓国人だから、韓国に行けて当たり前だと思っていることでしょう。 しかしぼくは、「朝鮮籍」だったので簡単には韓国へは行けなかった。
 いっておくが朝鮮籍は「北朝鮮籍」ではない。(日本は国と認めていない)解放当時のまま、朝鮮半島出身者を示す「記号」のようなものなのだ。

 ぼくが生まれた1960年、父方の家族は父だけを残してみな、帰国船に乗って北へ渡った。本当の故郷は南だったが、韓国へはまだ帰れなかった(日韓国交正常化は1965年)。
 激しい南北対立のなか、北の兄弟の身を案じた両親は、ぼくが韓国へ訪問することはもちろん、韓国籍を取得することすら固く禁じたのである。



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 韓国へいきたくてもいけない、そんな1999年、友人が訪韓するときき、「鳥の本」を買ってきてほしいと頼み込んだ。
 今のようにインターネットで韓国の情報がすぐに手に入る時代ではない。どんな本が、いったいどれほどのレベルであるのかもまったくわからない。ただ、「専門的過ぎず簡単過ぎない鳥の本」をお願いした。
 今から思えば、韓国語ができない、しかも図書館学が専門という友人にとっては、とっても難しい注文だったと思う。通訳を介して書店の店員と散々悩んだ末に、友人が選び抜いたのが、あの図鑑だった。

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  初めての韓国の本を手にして知ったことは、あまりにも多かった。
 一番、驚いたのは100種の鳥を紹介しているこの本の巻末に、「南北 鳥の名前の比較」がついていたこと。一般的な鳥100種を選んだのに、名前がちがうのがなんと53。半分以上もあった。
  また、心にズンときたのが、参考文献、17冊のうち、日本の本が半分以上の9冊もあったこと。(ちなみに英語の本は4冊)
 北に親戚がいて日本にすんでいる「在日韓国人」でしかできないことが、きっとある!と、激しく心を揺り動かされた。
  その後の行動は、今のぼくの活動を見ればおわかり頂けることだろう。

  ところで、この本の著者-イ・ウシン(李宇新)・ソウル大教授は、帯広大学と北海道大学に留学経験があって、現在、韓日渡り鳥保護協力会議の韓国代表だ。著者との出会いも、また、偶然の産物だった。

 昨夏、大手全国紙・Y新聞が、韓国のトキについて取材したおり、イ教授とのインタビューが急に入った。その通訳を務めたのが、たまたま、ぼくだったのである。
 韓国に行けない日々に、何度も何度も穴があくほど読んだ本である。著者を忘れるはずがない。
ソウル大学の研究室で行われたインタビューが終わると(私情は後回し)、ぼくは教授が執筆された御書こそが、自分の人生を変えるきっかけになったとカミングアウトした。
 それまで淡々とインタビューに応じていらした教授の表情が一変した。「それはそれは、著者冥利につきることだ」と喜んでくださった。
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 昨秋、韓国で行われたラムサール会議のとき、また偶然、お会いした。こうして会うならば、あの本を持ってくればよかったと、どれほど後悔したことか! 

 1月13日、イ教授を代表とする一団が日本にやってきた。忠清道に新しく建設する生態園の参考にするために、日本の施設を視察した。ぼくは雪の降るなか、京都府立植物園を案内した。(写真。おかげで風邪をひいた)

 もちろん、あの本を持って。
 本を手にしてからちょうど10年。ついにサインが入った。
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# by kimfang | 2009-01-18 12:28 | トピックス
09/1/13 ペンギン正月
 みなさん、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 
 実はぼくは、年末年始の休みを返上して仕事をしていた。
 昨年の今頃、必死に書いていた『ペンギン本』の追加原稿を書いていたのだ。
  『ペンギン』は、18の話からなる構成だったが、昨年12月の初めに、追加でふたつの話を入れてくれないかという要望があった。全部で20の話にするという。
 今年の4月発売予定だから年内に書き上げるのがギリギリですと出版社にいわれていた。頑張ったけど、どうにも間に合わず、無理をいって正月明けまで待ってもらうことになった。

 韓国に正月休みはない。あちらは「음력설」(旧正月)がメイン。そのときには三連休だが、新暦の正月は元旦の一日だけ休んで、大晦日も正月三が日も普段通りに仕事をするのが韓国の正月だ。
 ぼくの原稿が遅れると、挿絵が遅れて、デザインが遅れて、壮丁が遅れて、発売が遅れて、お金の入金が遅れる…とにかく正月返上で頑張るしかない。辛い正月を過ごした。
と、いえば、超カッコイイんだが、へへへ。
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 締め切り原稿のおかげで、なかなかどうして、快適な正月を過ごさせていただいた。ははは。
 例年なら、
「アッパ(お父さん)、大掃除手伝って」
「アッパ、제사(祭祀)の買い物ついてきて」
いやでもしなくてはいけない「仕事」がぼくに回ってくる。でも、今年はちがう。
「えいえい、みなのもの、頭が高い! この締め切り原稿が目に入らぬか!」
 締め切り原稿という「印籠」のおかげで、それを免れた。
 こたつの上に、ペンギンの図鑑や専門書を積み上げて置いてパソコンに向かっていれば、大掃除をしていようが、제사の準備でバタバタしていようが、どこにも連れていかなくても、仕事だからしょうがないと、家人も諦めてくれる。
 好きなことして快適に過ごし、4日に原稿を送った。ペンギン正月がようやくあけた。めでたし、めでたし。

 そうしたら、昨日、『ペンギン本』の絵のサンプルが送られてきた。
20のお話の中の5話をマンガで描くと聞いていたが、そのサンプルがこれだ。
 帽子、ネガネ、口ひげ。「ゲゲゲの鬼太郎」に出てきそうな変なおっさん。でも、どこかで見たような顔。
 オー、自分の似顔絵が…
 ちょっと気恥ずかしいが、本を売るために「見世物」も、ま、いいか。

 マンガを描いた최현정さんは、京都精華大学のマンガ科を卒業。家にも何度が遊びに来ている。

 愛猫・チャムを登場させてくれたことが、何よりもうれしかった。
 続きは、本にて。
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# by kimfang | 2009-01-14 11:01 | トピックス
08/12/1 『コウノトリ』が朝の読書用推薦図書に選ばれました!
 韓国で出した『황새』(コウノトリ)が、またまた、推薦図書に選ばれました。
 2007年、韓国刊行物倫理委員会の「6月の本」に選ばれたのを皮切りに、
 2007年、韓国文化観光部の「推薦教養図書」に。
 2008年、国立オリニ・青少年図書館「夏の読書感想文選定図書」に。
 そして今回、
 2008年の小学校5-6年向け「朝の読書用推薦図書」に選ばれました!

 日本では夏休みの読書感想文の課題図書に選ばれると、すご~く売れんですが・・・
韓国では、推薦図書になっても、あんまり売りあげには「直結」しないなぁ ^^

 けれども、今まで韓国であまり知られていなかった「在日三世」の半生と、
 日本がどのようにしてコウノトリを「復活」させたのか、
 ふたつの物語が同時に進行しながら、
 最後のコウノトリの放鳥式典でひとつにつながるという、
 そんな斬新な構成が評価されてのことだと思っています。

 早く日本語版を出したいなぁ。

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# by kimfang | 2008-12-21 10:31 | トピックス
ラムサール報告⑤ 通訳より重い重荷
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 どんな仕事でも、最初の仕事は緊張するもの。
 しかも今回の最初の仕事は、郡守や市長ではなく、慶尚南道知事との会談の通訳だった。緊張しない方がおかしい。
 待合室で待たされている間に、同行した「慶尚南道ラムサール財団」の幹部から「金台鎬知事は41歳の最年少で道知事になった現在47歳の方。慶尚南道から中央へ出て大統領になる方が多いから、次期大統領候補の呼び声もある人物です」と紹介された。

 確かに、チョン・ドゥファン、キム・ヨンサン、ロ・ムヒョンの三大統領が慶尚南道出身。
 慶尚北道出身のパク・チョンヒ、大邱出身のロ・テウ、大阪で生まれたが慶尚北道に帰った現イ・ミョンバク大統領まで入れると、建国以来8人の大統領のなかで実に6人が慶尚南北道から出ている。

 慶尚南道知事から中央政界。そして大統領というのも十分に納得がいく。
 (慶尚南道は韓国の中心ですというスローガンをバックに。左が知事、右が豊岡市長)

 ただでさえ最初の仕事で緊張するところに、「次期大統領候補」との会談だ。テレビや新聞、多くのマスコミもこの会談を取材することになった。(聯合ニュースの記事はここをクリック)
 ぼくでは荷が重いと思ったが、道でも通訳を雇っていたので、ふたりで補完しながらの通訳となって肩の荷が下りてほっとした。
 会談は終始和やかな雰囲気でおこなわれ無事に終了。
 そして知事さんから頂いたお土産が写真の「トキの額」だった。
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 これが結構重い。
 何度もいうが、知事との会談は最初の仕事。この重い額を韓国滞在期間中常に持ち歩き、しかも傷つけずに日本まで持って帰らなくてはいけないのだ。
 もしかすると大統領になるかも知れないお方からのお土産だ。何としてもちゃんと豊岡に持って帰らねば…ふう。
 それを思うと気が重かった。荷が重かったのは通訳でなくお土産(笑)。
 もう重いお土産は、どうかご勘弁を! 心の中で念じていた。
 しかし世の中とは薄情なもので、そんなことを思いながら仕事をすると、次々と輪をかけたようなに重いお土産が重なっていく。
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 昌寧郡守さんとの会談では「トキの絵皿」が…とほほ。

 鎮海市長さんは、陶器でできたカップが…しかも、ペアで…あうっ。

 さらに地元の特産品だということで、黒もち米を追加でくださった…1kg、がっびーん。
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 ところが、全日程を終えて家族のお土産を買おうと立ち寄ったプサンのロッテ百貨店で、깻잎(えごまの葉)の缶詰を見つけてしまったのだ。

 何度も韓国にきているが、こんな面白い代物は初めてだ。持って帰って友達に見せびらかしたいし、配りたい。

 しかし…缶詰は…重い…

 散々悩んだが、やはり買ってしまった。
 しかも大量に。
 旅行バックの中身は重くて割れそうなものばかり。
 重い額を豊岡市職員とふたりで持ちながらの帰国。
 へとへとになった。

 もう重い荷物はもうこりごりだが、いい「重いで」になった。
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# by kimfang | 2008-11-24 18:15 | 取材ノート
ラムサール報告④ 朝鮮半島最後のトキ
 ラムサール会議では、いくつかの「サイドイベント」が同時に進行された。
 そのなかに国際ツル財団主催のサイドイベントがあった。財団の創設者で理事長であるG・W・アーチボルト博士がここにいる。しかもテーマはDMZ(非武装地帯)のツル。足はこの会議室の前で止まったが、運悪く市長さんの講演と重なってしまった。泣く泣くツル財団のサイドイベント出席を諦めた。写真は、韓国最後の一羽を伝える中央日報の記事
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 ぼくがツル財団のサイドイベントに強くひかれたのは、まさにDMZ(非武装地帯)を題材にした原稿を依頼されているから。なのに、まったく未だにひらめいていない。何でもいいからヒントが欲しかった。
 それだけではない。アーチボルト博士から、朝鮮半島最後のトキの話が聞けないかと期待したからだ。
 そう。アーチボルト博士は、言わずと知れた朝鮮半島最後のトキの目撃者なのである。

1974年の12月7日だった。
 毎年、DMZ(非武装地帯)のツルを調査しに韓国を訪れていた博士は、偶然にも2羽のトキを発見。12月10日には4羽のトキを発見した。
 3年後の77年、同じ場所を訪れた博士は、つがいのトキを発見。このトキをイギリスの動物園で飼育し、人工繁殖をすることを計画した。
 各方面に了解を得てから1978年秋に訪れると、トキは1羽になってしまっていた。

 1羽ではどうしょうもない。ならば日本の佐渡島へ連れて行き、キン(日本最後のトキ)とつがいにしようと考えたのだ。そして1978年の12月から1979年の3月まで、生け捕りを試みるも、ついに捕獲はならなかった。

 博士が次の年にその場を訪れたが、もうそこにトキはいなかった。それ以来、朝鮮半島でトキの確認はない。つまり、アーチボルト博士が生け捕りにしようとしたトキこそが、朝鮮半島最後のトキなのである。

 日本に帰ってから、アーチボルト博士が、朝鮮半島最後のトキの写真をラムサール会議で初めて公開したことを知った。(記事はここをクリック。ただしハングル)全55枚の写真のうち、10枚がマスコミを通じて公開された。
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 たいへん貴重な資料である。
 なぜならば韓国には、そのむかしトキが半島でどのように暮らしていたかの記録がほとんど残っていないからだ。
 日本には43体(2002年現在)ものトキのはく製が残っている(このうち13体が日植時代に朝鮮半島で採取されたもの)が、韓国には、数体のはく製しか残っていない。
 留鳥だったのか? 渡り鳥だったのか? それですら結論がでていないのだ。
 アーチボルト博士の写真と証言は、半島のトキの暮らしを解明するのに大きなヒントになることだろう。

ウポ沼・エコセンターで展示されているトキのはく製。募金箱に入ったお金の多さに、トキ復活への熱い想いが伝わる。
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# by kimfang | 2008-11-18 22:17 | 取材ノート
ラムサール報告③ 働けど働けど・・・最悪の交換率
f0004331_16515592.jpg 今回のラムサール会議に参加して、とてもうれしかったことがある。
 ラムサール会議を誘致し、大会の運営を担った「慶尚南道ラムサール環境財団」より、トキの児童書(低学年向け)執筆の依頼を受けたことだ。
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 惜しくもすでにほかの出版社との間でトキ絵本(こちらも低学年向け)の契約交渉が進んでいる。正直に打ち明けて理解してもらった。
 韓国には多くの児童文学作家がいる。財団には優秀な博士も名を連ねている。それなのに声をかけていただいたことは、この上なく光栄なこと。うれしかった。
 近年韓国では、ノンフィクションの需要が高まっている。なのに、児童文学作家で書ける人は少なく、特に、生きものの話を書ける人はあまりいない。
 ぼくが選ばれたというよりは、消去法で残ったなかのひとりが、たまたまぼくだったのだろう。
それでも自分に話がきたことは、たいへんな自信となった。これからも仕事が増えるだろうと。

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 ところがだ。それが皮肉にも、のっぴきならない事態に陥っている。ほかでもない。お金の話だ。韓国の出版社は日本の出版社よりもよい条件で印税をくれている。それなのに、韓国からの仕事をすればするほど、お金が目減りしていくのである。
 いったいどういうことか? ずばり、そのカラクリは、ウォンと円の交換率だ。
 今回の世界的な金融危機によって、もっとも価値が下がった通貨のひとつが韓国のウォンで、反対に一番の価値が上がったのが日本の円。そのギャップが問題なのだ。

 例えば、契約が成立。契約金が支払われるとしよう。韓国の児童文学の相場は、だいたいが100万ウォン。昨年の今頃はウォン高で、これが14万円になった。
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 しかし今はどうだ。100万ウォンは7万2千円。(10末の時点で)一年で半減してしまったのである。
 契約金は当然、原稿を書き上げて契約が成立してから支払われる。実は、ウォン高のときに取った仕事がずいぶんとある。これから順次書きあげて契約成立となるが・・・とほほ・・・ウォンの急落で半額だぁ。(涙)

 でも、ぼくよりものっぴきならないのが留学生たちの親たちだろう。同じ額の仕送りを日本にするも、これまでの倍のお金(ウォン)を送らなくてはいけないからだ。

 みなさん、韓国は今、たいへんお得ですよ! たくさん円を持って旅行に行きましょう!

 あ~ せめて1万ウォン=1千円でいいから、早く回復して! 頼むわ。
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# by kimfang | 2008-11-14 16:50 | 取材ノート